2007年04月

2007年04月30日

信じること

やろうと思っても、なかなか出来ない時。
目標が達成出来ない時。

ダイエットとか、
禁煙とか、
お酒を控えるとか、
ギャンブルをやめるとか、
部屋の整理をするとか・・・。

やろうとは思っているのに、どうしても出来ないことってありますよね?


NLPは家族療法のヴァージニア・サティアも源流に持っていますから
システム論的な考え方を大切にしています。

家族は一つのシステム(系)として成り立っていて、
それぞれの要素(個人)の関係は家族という全体性を満たしているということです。

子供が乱暴になることで両親の夫婦仲が良くなっている、
というように家族というシステムを維持するための肯定的意図があるという考え方です。

個人でもそれは同じで、人の何かの行動や考えには必ず肯定的な意図があって
その人というシステムを全体として守っている、と考えるわけです。

これは非常に重要な考え方だと思います。
「全体性を考える」という表現でも良いかもしれません。


ミルトン・エリクソンであれば無意識を徹底的に信用しきっていますから
無意識が引き起こすことが最も重要で、それが素晴らしいことだ、という考えでしょうか。


意識的にはこうしたい、でも、できない。
・・・葛藤です。

この場合には「できない」というよりも、
無意識的に「しない」ことを選択している可能性が高いんです。

「できない」ことの肯定的意図に気づくこと。
そしてそれを大切なこととして受け止めること。
それが葛藤を解消する大事なステップになると考えられます。


そして、その肯定的意図を満たす別な方法を見つけ出すことが
意識的な「したい」という願望を満たす重要な方法だと思うんです。


何かが変化するとき、それは必ず他の何かに影響を与えます。
その影響には良いものも、悪いものもある。

だから、悪い影響を避けるために、無意識的に「しない」選択をしていることを予測しておく。

これを「エコロジーチェック」と言いますが、
NLPの中でコーチングを行う場合には、必ずエコロジーチェックをします。
そして、その目標が達成してよい目標だと確信することを重視しているんです。

さらに目標達成を妨げている可能性も事前に予測しておきます。

この辺は非常にシステム論的な影響が強い部分だと思います。


・・・まぁ、僕自身の個人的な考えを言わせていただければ、
エコロジーチェックをするだけではなくて、もう少し無意識的なアプローチを使って
「しない」ことの肯定的意図を探る過程を入れたほうがパワフルだと思っていますが。



で、コーチングは行動にフォーカスした手法だと言えるでしょうから
目標達成に向けた具体的な行動を重視するように感じられます。

 「したい」けど「できない」というような葛藤があった時にどうするんだろう?

それが僕の疑問でした。
やっちゃっていいのかな?と迷うときもありました。

一般的に普及しているコーチングのセッションでは
「したい」にフォーカスして行動を決定しますから、
「できない」ことの肯定的意図については触れないのが普通でしょう。


人の変容には色々なアプローチが考えられますが、
意識的に最も行いやすいのが行動を変えていくアプローチです。

ですから、コーチングは目標達成に向けて非常にパワフルな手法だと思います。

無意識的にはしたくないことでも
意識的に行動を変えていくことで、できてしまうんです。

例えば、禁煙をしたい、という目標があったとします。
禁煙がなかなかできないとしたら、禁煙しないことには肯定的意図があるわけです。
ここでは分かりやすく、仮に「ストレス発散」としておきましょう。

そしてコーチングで行動を変えて、禁煙ができるようになったとします。

でも無意識は「ストレス発散」を必要としているのです。
それが本人にとって大切なことだと無意識は知っていて、守ってくれているんです。

すると。
「ストレス発散」を満たすための何か別の行動が始まるようになります。
例えば、間食が増える、とか。

これは一般的で、非常によく起こることです。


何かの代替行動が自然に起きてくるんです。
すると次の悩みが起こります。
・・・「間食をやめたいんです」なんて。

病理的に言えば「転移」ということになります。


僕は、この部分をコーチングに対して疑問視していたんです。


ところが、今日、その疑問は氷解しました。
コーチングの勉強に行って、そのコーチの考えを聞いたんです。

それは一言でいうと「信頼」でした。

クライアントの可能性を信頼する。
徹底的に信頼する。

ただ単に、目標は必ず達成する、という風に信じるのではありませんでした。


 一時的な目標を達成したことで、新たな悩みが生まれてきても構わない。
 そうしたら、その次の目標達成をサポートする。
 それで、また別の悩みが出ても構わない。

 きっと、いつか必ず、本当に大切なことに気づいてくれるだろうから。


と、そこまで信じると。


ある意味、ドライかもしれません。

コーチとしては、どうなるかが予測できていながら放っておくわけですから。
次の悩みを抱えることを放っておくわけですから。

 でも、長い人生で見たら、それすらも必ず学びになるだろう。
 そして、きっとその課題は乗り越えていくだろう。
 いつになっても構わない。
 いつか必ずできるから。

そこまでの信頼を持って、その人の人生に対して徹底的に関わっていくのだそうです。


それには相当な覚悟と強さが必要だろうと感じました。

クライアントが苦しむ場面すら、必要なこととして受け止める心の強さが必要でしょう。
大変な覚悟だろうと思いました。

そこまでの責任感と信頼を持って関わってもらえれば、
クライアントはそれだけで安心して目標に向かえるだろうと思いました。


そこまで可能性を信じることができれば
コーチングも絶対に上手くいく手法だろうと確信できたんです。


心から信じられるように努力したいものです。

2007年04月28日

今この瞬間を生きること

自分の他人は違う。

経験が違うから、認識している世界が違う。

他人を完全に理解することは絶対にできないと思う。


だからこそ、違うことを前提にして、相手を理解しようとする。

自分の考えには当てはめない。
違う人だから。

ただ、相手を丸ごと、そのまま受け止める。

認める。許す。受け入れる。ありのまま。
その表現すら人によって違うのかもしれない。


もし、世の中の全てが関わりあっているなら、
自分が今、幸せだと、心の底から思えたとき
全てのことに感謝できる気がする。

全てに感謝できれば、
全てをそのまま受け入れられているのかもしれない。

そのためには、
今の自分が最高に幸せだと言える必要がありそうに思う。


cozyharada at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!全般 | NLP

2007年04月27日

最大の命題について思うところ

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セミナーの案内から始まってしまって恐縮ですが
まだ多少の残席がありますので、お早めにお申し込みいただけたらと思います。


さて。

つい先日、とても重要なことを学びました。

それは僕が心に正面から向き合うキッカケとなったことと深く関係していることです。
僕自身がいつも問い続け、考え続けている重要な命題と言ってもいいでしょう。
本当に慎重に考えていながらも、自分自身を突き動かす原動力ともなっているものです。


それは「変化」ということです。


NLPにせよ、コールドリーディングにせよ、心理療法にせよ、
人と関わっていくことが本質です。

これは断言できます。
無人島に一人きりなら絶対にいらない技術です。


そして人と人が関わりあう以上、必ずお互いに影響が出ます。
必ず何らかの変化が生じるんです。

その時、NLPもコールドリーディングもコーチングもカウンセリングも心理療法も、
ある目的をもって相手と接することになるわけです。


悩みを解消することであったり、
自分を癒すことであったり、
目標を達成することであったり。
なんらかの変化が目的になっていると言えるのではないでしょうか。


ここで重要なのは、「相手が変化を望んでいる」ということです。


変化を望んでいる人がやってくるわけです。
心を扱うプロとしては、変化を望んでいる人を相手にすることになります。
・・・言っている内容が本心かどうかは抜きにして。


ところが。
日常ではどうでしょうか?
相手が変化を望んでいないことなんてザラにあります。

相手は好きなように行動したい。
でも、自分はそれが気に入らない。
仕事でも家庭でも社会生活でも。

「なんでそんなことするんだろう?もっとこうして欲しいのに」

それは相手に変化を求めているのかもしれません。


僕が色々と心のことなどを学び始めたころ、
あるセミナーで石井裕之先生に質問をしました。
100人弱の会場の一受講者として質問をしました。
どんな質問でもいい、という話でしたので。

その時に、石井先生から言われた一言が、今も心に深く刻まれています。

  「人を変えようとしてはいけません」


そのときの質問はかなり曖昧だったはずです。
困っている人にどう接したらいいか?ぐらいに。

その回答は予想と大きく違いました。
「どうして困ってるって分かるんですか?好きでやってるかもしれないじゃないですか?」
「泣いているからって、どうして悲しいって分かるんですか?
 泣くのが趣味かもしれないじゃないですか?」


それ以来、僕は「変化」ということに対して真剣に考えています。
「人を変えようとしてはいけない」


でもまだ、正直なところ、全然分かっていないと思います。

車椅子の方がいたとき、どう接したらいいのか?
街中で、目の不自由な方と出会ったとき、どうするのがいいのか?
道で、うずくまっている方がいたとき、どうすべきなのか?
泣いている人を見かけたとき、どうしたらいいのか?
大きな荷物を抱えたお年寄りと出会ったとき、手伝うべきなのか?

何かの形で関わろうとするとき、それは人を変えようとしているのではないだろうか?


その時に選択する行動は、本当に相手のためを思ってのことなのか?
その状況に自分が我慢できないから、自分のためにしているのではないのか?


ひねくれた見方でしょうか?

でも僕は、自分とは違う、他人という存在に対してだからこそ考えるんです。
だから僕は「おせっかい」という言葉に対して、いくらか過敏になっています。
「親切」と「おせっかい」の違いって何なのでしょう?


相手が何かの状態から「変わりたくない」ときには
「変えようとしない」方がいいのかもしれません。
でも、本当は変わりたいのに「変わりたい」って言わない人もいるでしょう。
本当は助けて欲しいときに「助けて」って言葉で言わないという人も。

そっとしておいて欲しいときもあれば
かまって欲しいときもある。

それが言葉で表されていないとき、どうすればいいのでしょうか?
いや、言葉になっていても、それが本心じゃない場合もあるでしょう。
誰かに対して、何かをするとき、それは相手が望む変化なのでしょうか?



変えようとしてはいけない。
だったら、人に対しては積極的には何も関わらないほうが良いのでしょうか?

親切って何ですか?
優しさって何なんですか?
人を幸せにするってどういうことですか?


僕はいつも自分に問いかけています。
変化、ということについて。
「人を変えようとしてはいけない」ということについて。


でも、この間、少しだけ理解できた部分があります。

それは・・・。

変化の前には必ず安定が必要だということです。

まずは安定すること。
安定した状態になれば勝手に望ましい変化は始まる。
まるで種から芽が出て、植物が成長していくように。

これは、基本的にはプロとして人と関わっていく上でのスタンスかもしれませんが。


色々学び、考えて、やっぱり分からないことだらけです。
だって、不安定な状態から安定することだって、変化には違いないわけですから。


それでも、ただひとつ、納得して言えるのは
僕の目指すべきところだけかもしれません。

 変えようとすることもなく、何をするでもなく、
 ただ自分がいるだけで、近くにいる人達の悩みが勝手に解消していく。

どこまで近づけるでしょうかね。


cozyharada at 15:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!NLP | セミナー情報

2007年04月26日

NLPとコールドリーディング

コールドリーディングとNLPの両方を僕が扱っている理由。
コールドリーディングとNLPの両方を勧めたい理由。

それが二面性と関わっている。
内的満足と外的満足の両方が大事という二面性と。

前回、そんなことを書きました。長々。
しかも途中まで。


今回は結論なのでコンパクトにいきます。

もちろん僕の考えです。
石井先生やバンドラーとは違うかもしれません。


コールドリーディングは意識が人に向いているんです。
NLPは意識が自分に向いているんです。

だから両方大事なんです。



・・・それだけでは、いくらなんでもコンパクトすぎますね。


NLPには目標達成のためのスキルもあれば、
今の悩みや葛藤を解消するためのスキルもあります。
ですから、NLPは内的満足と外的満足の両方を満たすと言えるでしょう。
いずれも、自己重要感を高めるのに役立つと言えます。

でもそれは自分のことなんです。


僕の考えでは、コールドリーディングの本質は相手に意識を向けることにあると思います。
コールドリーディング自体に対する考えは追々書かせていただきますが、
相手に意識を向けることそのものが信頼関係を築くのに役立っていると思うんです。

相手を観察することも、相手の情報を読み取ることも、コールドリーディングの話術も、
全ては相手に「この人は分かってくれている」と思ってもらうためのもの。
もっと言えば、分かってくれようとする人に対して、人は心を開くのかもしれません。

「この人は分かってくれる。何でも話して大丈夫だろう」
そう思ってもらうことがコールドリーディングの技術だと考えています。
そのようにして信頼を獲得する。
でもそれは、決してその信頼を利用して悪事を働くためではありません。

人は常に不安を抱えています。それだけ安心したいはずなんです。
だから安心できる関係を築く。それは相手の幸せにつながると思います。

石井道場ではコールドリーディングを、相手を幸せにするための技術として学びます。
その意味でも、コールドリーディングは相手のためにある技術なんだと思うんです。


もちろん、コールドリーディングで相手を幸せにすることは
自分自身の幸せにもつながりますから、
コールドリーディングで外的満足を満たすことも可能ですし、
内的満足に焦点を当てた技術も石井道場では学びます。

ですがコールドリーディングでは基本的に、
意識は相手に向いている傾向が強いと思うんです。



一方、NLPは自分のためのものです。

自分がどうなっていくか。
そのための技術でしょう。

確かに、他人とのコミュニケーションを円滑にするための技術も含まれます。
でも全体として見たとき、他人との関係が良くなることも含めて、NLPとは
 NLPを使う人自身がコミュニケーションの達人になるための技術
だと思えるんです。

その本質は、NLPでは自分自身とのコミュニケーションを
大切にするところにあると言えるのではないでしょうか。

自分自身とコミュニケーションを取り、自分の無意識と仲良くなる。
それは自分自身を愛することにつながり、自己重要感を高めてくれます。



言い換えると、
コールドリーディングは自分と相手との関係(=外的世界)に使う技術、
NLPは自分自身の内面(=内的世界)に使う技術、
そんな見方もできるかもしれません。

というわけで、僕は両方同時に学んで良かったと感じているわけです。
内側も外側も、同時に全体的に学べたと思うからです。


相手を幸せにすることに意識を向けてきた方は
もっと自分自身の内面に意識を向けるのが効果的。

自分自身と向き合って、自分を幸せにできるようになってきた方は
相手を幸せにすることに意識を向けるのが効果的。

そう思うんです。


自分が幸せで、自分が満たされているから、相手に幸せを与える余裕がある。
裏を返せば、相手を幸せにできる人は自分も幸せ、ということ。
相手を幸せにすることは、自分が幸せだ、という自分自身へのメッセージになっている。

自分が幸せになれた方は、相手を幸せにすることで自分の幸せを高められる。
相手を幸せにしてきた方は、より直接的に自分自身を幸せにすることもできる。


だから僕はコールドリーディングとNLPの両方をお勧めするんです。



・・・やっぱりコンパクトにはなりませんね。



追伸。

6月17日にワークショップを予定しています。
NLPに限定しませんが、体験型の内容になります。
テーマは「枠を広げる」という感じでしょうか。
柔軟なスタイルで深い内容を目指します。
色々と勉強をされてきた方とご一緒できればと思っています。

NLPの資格をお持ちの方には、学びを深めていただきたく思います。
あまりNLPは詳しくない、という方には、
5月初旬のNLPセミナー(↓)に参加いただいてからのご参加をお勧めします。

詳細は後ほど。

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2007年04月25日

NLPとコールドリーディングと二面性

どんなに薄くスライスしても必ず表と裏がある。

物事の二面性というのは僕がいつも意識していることです。

一方向に偏らない。
バランス良く、と言われたら誰でも納得できるでしょうが
「バランスが大事」という良くある言葉で言い表したくないほどに重視しているんです。

僕が強調したいのは、2つのことがあったら
「両方をバランスよく」ではない
ということです。

「両方とも精一杯」が大事だと思うんです。

一緒に聞こえますか?

イメージとしては2つの反するものがあったとき、
真ん中にいるようにするのではなく、
両極に両方いるイメージです。

-100〜+100の範囲があったら、
「バランスよく」というのは-10〜+10の範囲に集まっている感じです。
「両方とも精一杯」は、-100〜-90と+90〜+100の二箇所に集まっているイメージ。

良く分からないですか?
なんとなくのイメージで結構なんですが。


片側に偏らないように気をつけるのではなく、
両方を大事にするということが言いたいんです。

例えば、僕らのような研究をやってきた人間というのは論理を大事にします。
でも同時に直感を非常に必要とされる仕事でもあるわけです。

ある程度だけ論理的に説明して、あとは「直感です」といって片付けるのは
論理にも直感にも偏っていないと言えると思います。
バランスがいいわけです。

本当に大切なのは、徹底的に論理的な説明をした上で、直感に基づいて決断をする、
そんな場合だと思います。
もしくは直感的に閃いたアイデアを論理的に説明する。
こういう場合は、論理と直感という相反するようなものを
両方大事にしていると言えるんじゃないでしょうか。


別の例えでは、お金儲けだとこんな感じです。

マーケティングの手法を駆使して集客して、儲かる仕組みを作って売り上げにつなげる。
その一方で、お金自体を愛して、財布の中身を整理して、お金に話しかけて、
向こうから勝手にお金が集まってくるような人間になる。

物質性と精神性の両方を大事にしているというところでしょうか。



で、僕が言いたいのは、心とか幸せとかいうことに関しても
両面的にアプローチしていくのが大切ではないかということです。

実は、それこそが、僕がこのブログでNLPとコールドリーディングの両方を
取り上げている理由なんです。
それは僕自身が、ほぼ同時期にNLPとコールドリーディングの
両方を学んだことが大いに役立ったと感じているということとも関係します。


幸せとか満足とかいったものは、大きく2種類に分類できると考えられます。
自分の内的世界の満足感と、外的世界における満足感。

内的世界の満足感というのは、周囲がどうなっているかではなく
自分自身の心のあり方として幸福を感じられるかどうか、というような話です。
例えば、お茶を飲んでいるときに、どれぐらいの幸せを感じられるか。
瞑想で感じられる充実感もそれに近いかもしれません。

一方、外的世界の満足感というのは、自分の周囲の環境から得られる満足感、
つまり報酬といえます。
報酬というのは、脳内ではドーパミンの働きによるものですが、
それは何かを達成したときに分泌されるという説明がシンプルでしょう。
「魚、とったどぉ〜!!」みたいな達成感がそれです。

目標を達成するというのは外的満足です。
ですからNLPでは目標のことをアウトカムと言います。
「outcome」。「out」=外、から「come」=来る。
外からやってくる幸せ、だから「アウトカム」。それっぽくないですか?


言い換えると、
今この瞬間を幸せと思えるかどうかは内的満足と密接に関係していますし、
この目標を将来達成したいとか、より良くなりたいとか
ある時点からの変化の内容に幸せを感じることが外的満足と関係している、
そういう風に言えると思います。


で、幸福とか満足とかいうことを考えた場合には
この両者、つまり内的満足と外的満足の両方を求めていくのが大切だと思うんです。

どんなに目標を達成しようと努力しても、今この瞬間に満たされていなければ、
目標が達成した瞬間に次の目標に向かってさらなる努力が始まるでしょう。
それではせっかく達成した目標も十分には満足感を味わえないままです。

見たことがありませんか?
いつまでもずっと高い目標を目指し続ける人。
ひたすらお金ばかりを求め続けているような。


逆に、今この瞬間に満足していても、お金がなければ生活できません。

 生まれたばかりの赤ちゃんは、誰かに頼まれたわけでもないのに
 自分で立ち上がり、歩き、言葉を覚えていきます。
 樹木は命ある限り伸びていきます。

今この瞬間が幸せ。だから今のままで十分幸せ。もう何もいらない。
・・・そうでしょうか?


僕は思います。

 今この瞬間に最大の幸せを感じながら、目標を持って人生を進んでいく。
 自分の内側に幸せを見つけ、外側からも幸せを呼び寄せる。
 そういう幸福を目指していきたい。



…ちなみに、瞑想に関して言うと、
 報酬系であるドーパミンを瞑想だけで出すことも可能なので
 その意味では瞑想だけで外的世界からの報酬と同じような快感を味わえるわけです。
 瞑想だけで内的・外的な満足感の両方と同じような気分に浸れるということです。
 でも、瞑想だけしていたら何も食べられなくて餓死してしまいますから、
 具体的に、外的な満足をもたらしてくれる金銭を求めることも重要ですよね。


さて、こういう風に内側と外側の幸せを考えたとき、
僕にはNLPとコールドリーディングの関係が非常に有意義に思えたんです。

それは・・・。

次回のお楽しみ。


  あまりにも長くなってしまいそうですから。

大切な動機:補足

なんだか前回の話を補足しておきたくなりました。

それは今日、コーチング的な目標実現のための質問法について考える機会があったからです。


目標に向けてヤル気が出てくるような質問。
それによって最初の一歩を踏み出せる。

目標に向かって行動を続けていれば、どんなに時間はかかっても辿り着けると思います。


ただ、無意識は自分自身を全体的に助けてくれているんです。
その目標に辿り着いていない現状にも、ちゃんと無意識的な動機があると考えられます。

だからこそ、です。
なかなか辿り着けなかった目標があったとしたら、
辿り着かないことによる肯定的な意図を考えてやる必要があるわけです。

そこを無視して目標に到達したとき、何かしらの歪みが出てくることは良くある話ですから。


そこで重要なのが、目標を達成したときの影響をあらかじめ考えておくことです。
そうすることで「目標は達成したけど、こんなはずじゃなかった・・・」
みたいなことを避けることができるんですね。

で、通常はそれを意識的に考えておくわけですが、より効果的なのは
イメージや体の感覚を使って無意識と折り合いをつけておくことだと思うんです。
目標を達成しないことの肯定的意図を満たすことができるだろうか、ということです。

具体的にどういう方法を取るかというのは、なかなか文字ではお伝えできませんが、
とにかく、目標を達成するということには色々な影響が出てくる、
ということを言いたかったんです。

その影響を回避するために、無意識が目標達成を妨げることもあり得るんです。


そのように目標実現による影響を色々な側面から考えた上で、
目標を達成することが自分自身にとって本当に望ましいことだと信じられたとき、
その目標は必ず達成できるものになるんだと思います。

そういった達成されるべき目標に向かって進んでいく過程であっても
2つの内なる声が聞こえてくるのが普通でしょう。
一つは、目標実現を応援する声。もう一つが、邪魔しようとする声。
その場合の2つの声に対しては、それを認めることが最優先だと考えます。

どちらの声も自分自身のほんの一部なんですから。


ところが、一つ前の記事で僕が書いた「ブログの更新をするか、しないか」
という選択に対しては、ブログを更新することを明確な目標とはしていなかったんです。
なんとなく「毎日更新できたらいいな」ぐらいの程度だったわけです。

当然、毎日ブログを更新する、ということの影響なんて想定していませんでした。
だから僕は、ブログの記事を書かなかった日に初めて、
毎日更新することと、しないことの影響に思いを巡らすことができたんです。

そして、毎日更新しないことの肯定的意図が自分の中で腑に落ちたとき、
とても楽な気持ちで次の記事を書き始めることができたわけです。


ちなみに、ブログを毎日は更新しないことの肯定的意図は・・・。
・これから先、もっと忙しくなった時に毎日記事を書くという約束は負担が大きい。
・現時点で一番ではない優先順位をつけることで、
 今後のスケジュールにおいても優先順位を冷静に考えられるようになる。
・「肯定的意図」という大事な観点に意識を向けるキッカケとなった。
・頻繁に、かつ不定期に更新されるほうが、
 毎日確実な更新よりも楽しみにしてもらえる可能性が高い気がする。
 (「たまに無愛想なペットのほうが、なついてくれた時にカワイイ」のような感じ)

…一部、言い訳っぽいのもありますが、いいんです。


大事なのは目標が何か、ということだと思うんです。
継続すること自体が目標なのか?

僕の場合はそうじゃありませんでした。

継続は非常に重要なことだと思います。
でも、できないことを意識していても仕方がないとも思います。

それよりは、「できなかった」ではなくて、
「しなかった。なぜなら…」と、しないことの肯定的意図を考えたほうが
ずっと次につながるように思うんです。


2007年04月24日

大切な動機

昨日はブログを投稿できませんでした。
色々あって23日中の投稿が難しそうだったので止めてしまったんですね。

一週間ぐらい毎日続けてブログの記事が更新されていると、もしかしたら
「このブログは毎日更新されるんじゃないか」
って期待や予想をして下さった方もいらっしゃるかもしれません。


昨日の僕の心境としては、なかなか複雑なものでした。

なんとか毎日の更新を続けていきたい。
もしかすると期待してくれている方もいるかもしれない。
こまめに投稿するって決めたじゃないか。
でも時間的に難しそうだ。
どうでもいいことでもチョットだけ投稿しようか。
いや、それだったら逆に意味がない。
他にもすることがあるし。
それでも24時を回っても、投稿できることは書いておいたほうがいいかも。
いやいや、どうせ遅れるんなら翌日でも一緒だ。
疲労も溜まっているし。
・・・。


色々なやり取りが心の中で繰り広げられていました。
で、結局やめたわけです。

その結果が、この投稿。

ちょっと雰囲気が暗いなぁ、とお感じの方もいらっしゃるでしょうか?
そんなことはないですよ。

自分の中で聞こえてくる声。
それは、自分自身を応援する内容と、自分自身を甘やかす内容と、
2種類あるように感じられます。

このような内なる声に耳を傾けていくことは、
自分とのコミュニケーションという意味でも非常に重要なことです。

そして、この内なる声をどのように扱っていくかが
目標実現に向けたモチベーション維持に対して大切なポイントでもありますが、
同時に、2つの声自体にも重要な意味があるわけです。


大事なのは、2つの声だって一部分に過ぎないということです。
そして、2つとも当然だということです。

あっても良いこと。
そういう風に認めることを、まず大切にしていくと良いように思います。



2つの声を認めた上で、何をしていくか。


で、結局僕は、昨日はブログの記事を更新しない選択をしたわけです。
それは意識的な選択でもあり、無意識的な影響も大きいでしょう。

とりわけ、無意識的な意味合いが大きな意味を持つんです。


NLPでは全ての行動に肯定的な意図があると考えます。
僕は個人的に、この考え方こそが日常のコミュニケーションを良いものにする
最大のポイントだと思っています。

どんな望ましくないと思えることにも、必ず動機がある。
その動機は必ず肯定的なものである。

全ては良かれと思ってやったこと。


意識ではそう思えなくても、必ずいい意味が含まれているんです。

ミルトン・エリクソンは徹底的に無意識を信頼していたそうです。
無意識は自分自身を守るために働いてくれている。

一見すると望ましくないことでも、無意識では大切なことだということです。


そう考えたとき、僕は昨日、ブログを更新しなかったことを肯定的に捉えられます。

…言い訳に感じられますか?
 それでもいいじゃないですか。
 いつまでも悔やんでいるよりも、次のことに目が向くのであれば。

でも本当に、言い訳とかは抜きにして、肯定的意図というのはあるんです。
僕は信じています。



あなたを誰かが傷つけた。
でも、その人にも肯定的な意図があったんです。


やりたくないのに、ついついしてしまう。
でも、やらないことにも肯定的意図があるんです。


それを大切にすることが、自分と相手を大切にしていくことじゃないでしょうか。


2007年04月22日

トレーナー冥利

今日は短くまとめてみようと思います。



NLPのトレーナーをしていると、色々な受講生の方がいらっしゃいます。
職業も年齢層も非常に幅広いです。

そのような色々な方々と触れ合えるのも大きな喜びの一つですが、
最近、すごく嬉しいことがありました。


受講される方の中には、とてもハッキリとした御自分の考えをお持ちの方もいらっしゃいます。
これまでの人生経験を通じて身につけてこられたその考えは、
その方にとって非常に重要な部分だと思います。

特にこれまでの人生で成功を収めてきた方にとっては自身の根拠になる部分かもしれません。

だから、そこを変えることは非常に怖かったり不安だったりすると思うんです。
今までの自分の枠から出て行くことは勇気のいることだと思います。



先日、ある受講生の方と、ワークの後に少し話をしていました。
その方は、その分野では非常に有名な方で、すばらしい経歴をお持ちです。
ですが、ワークをしていて御自分のやり方に対して何かの違和感を感じたようでした。

  どうも自分は、こういったことが得意ではないのかもしれない・・・。

そんな風におっしゃっていました。
少し悲しそうな雰囲気でした。


僕はその時、大した意図もなく、
「あぁ、スタート地点に立たれたんですかね」
というようなことを言いました。

…厳密に言うと、僕はその内容をハッキリと覚えておらず、
 後日、その方から教えていただいたことなんですが。


その時、確かにその方は、ハッ!と何かに気づいたような表情をされて
少しスッキリしたように見えました。

僕としては、少し気が楽になったようで良かったなぁ、ぐらいだったんです。


その翌日、僕はその方から話しかけられました。


どうやら、その方は続けていけるか不安だったようです。

「原田さんの一言のおかげで最後までやる決心がつきました」

そんな風ことを言っていただいたんです。


これは嬉しかったですよ!
僕としては恥ずかしながら、そこまでのことは読み取れていなかったわけです。
ただ、なんとなく発した一言に感謝をしてもらえた。
トレーナーとして関わっていて、これほど嬉しいことはありません。


技術的に言えば、これはNLPで言う「リフレーミング」というやつです。
ものの見方を拡げるということです。

僕には意図的なものは特にありませんでしたが、僕の発した何気ない一言が、
その方にとっては見方を拡げるきっかけとなったようです。

リフレーミングは心理療法的に見ても非常に重要なスキルですので
僕としては色々と考えていることがあります。
それに関しても追々お伝えできたら、と考えています。


たまたま、という印象が強いですから得意気には話せませんが、
こういうことがあると非常に嬉しいものですね。



ちなみに。
それ以来、その方からお昼休みにイチゴやオニギリを頂いたり
とても嬉しい気持ちで一杯です。

いつもありがとうございます。


2007年04月21日

NLPとは

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さて、前回はNLPについて「体験することが大事です」というお話をしました。

でもNLPをやってみる前に、NLPっていうのがどういうものかを知りたい、
そう思われる方も多いかと思います。

もしかすると、NLPをやったことはあるけど他人から聞かれたときに
どう説明したらいいかが良く分からないという方もいらっしゃるかもしれません。


ここでも良くされる方法にのっとって説明をしてみます。
NLPの説明は通常、作られた経緯を説明する形で内容が伝えられることが多いようです。

まず、NLPという言葉です。
NLPはNeuro-Linguistic Programmingの略で、無理やり日本語訳すると
神経言語プログラミングなんて呼ばれています。


NLPが誕生したのは1970年代の中頃ですから、かなり新しいものと言えるでしょう。
NLPの基礎はリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーの2人によって作られました。

お二人とも元気に今でもNLPを教えている立場です。



2人の研究は、3人の超一流のセラピストを分析するところから始まっています。

その3人とは
 ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ
 家族療法のヴァージニア・サティア
 催眠療法のミルトン・エリクソン
です。

3人の個性は全く違っています。
心理療法としてみた場合にも、いずれもかなり性質の違うものです。


それを徹底的に分析をした。
この業績は凄いことだと思います。

言語パターンに目を向けると、フリッツ・パールズとヴァージニア・サティアでは
随分と雰囲気の違うタイプだったようですが、本質では似ていたのです。

それはクライアントと話をする中で、問題を明確にしていく過程にありました。
クライアントとセラピストが共通の理解ができるように、
問題をハッキリと意識にあげていく作業が行われていたのです。


一方、ミルトン・エリクソンの言語パターンは2人と正反対でした。
エリクソンの催眠では問題を直接扱わないケースが多かったようです。
問題を意識にあげることなく、無意識へ働きかける言葉がけを使って
クライアントを気づかないうちに解決へと導いていたそうです。


彼らの特徴は当然、言語だけじゃありませんでした。
クライアントへの接し方の中に重要な非言語のメッセージが込められていたんです。
そこも、もちろんNLPに反映されています。


そして「NLPを体験する」と言ったときに中心を占める数多くのスキルは
その多くを、ゲシュタルト療法を参考にしながら作られているようです。

ゲシュタルト療法は「今ここ」での気づきを大切にする心理療法で、
精神分析を基礎としていますが、セラピストではなくクライアント自身が
気づきを得ることに重きを置いているスタイルです。

そのため、ゲシュタルト療法の手法は柔軟性に富んでいて
セラピーとしての効果はセラピストの技量に依存する部分が大きいようです。

NLPはそれを分析し、体系化してあるのです。
誰でも使えるように。

これが凄いことなんです。
誰でもテキストを見ながらやったら治療効果をあげられるのですから。


一方、家族療法は、そのシステム論的なアプローチでNLPに影響を与えています。

NLPのワークでは必ず全体への影響を考えることをします。

例えば、
タバコを止めることができたけど、今度は過食症になっちゃった、
では困るわけです。

ある一人の人間という範囲内でも全体性を考慮しますし、
その人の環境を含めた全体性も考慮するんです。


この部分はNLPを体験していく過程では地味なんですが、
実は非常に本質的な部分だと言えます。


そして、エリクソンの催眠と無意識への考え方はNLPの根底に流れています。
スキルとして直接的に催眠を扱うことは多くはないかもしれませんが、
NLPに最も影響を与えたのはミルトン・エリクソンではないかと思います。

少なくとも、リチャード・バンドラーに影響を与えたのはエリクソンだと
僕は確信しています。

エリクソン催眠がクライアントの意識を扱わない点は
NLPのワークの構成に活きているように思います。

NLPのワークでは個人の悩みや問題は特定する必要がないんです。
「問題」という言葉のまま扱っていけば解決の方向へ進むことができる。

これは本当に苦しい悩みを持っている人にとって、非常に重要なポイントです。
NLPが高く評価される理由の一つがここにあります。




というように、NLPは優れたセラピストを分析し、
誰にでも使える形に編成したもの、という見方ができると思います。

ですから、NLPを体験し、使っていくことによって
優れたセラピスト達がクライアントに対して使っていたコミュニケーション・スキルも
身につくことになりますし、
同時に優れたセラピスト達から心理療法を受けるような効果も期待できるわけです。

心理療法は全ての人に役立ちます。
日常で感じる些細な悩みや不満に対しても効果があるからです。


自分には悩みがない、という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、何か目標があるのでしたら、それも心理療法の対象になります。
なぜなら、目標と現状のギャップに目を向けたとき、それを悩みと呼ぶからです。



そして、NLPは心理療法家を研究対象として成立していますが、
その成立過程そのものがNLPの本質的な要素にもなっているのです。

つまり優れた人物を分析、体系化することで、
その優れた能力は誰にでも身に着けることができるようになる、ということです。

それは「全ての行動や振る舞いには構造がある」という信念に基づくものです。
・・・これはNeuroLinguisticProgramming.comに書いてありましたから。


行動の構造をモデル化していくこと。
それを実際に行うこと。
そうすることで、人は必ずなりたいようになれる。
誰かができることなら、他の人にもできるということです。

もしかすると、これがNLPの根底にあるものなのかもしれません。


なりたい自分になれる。
そのためには、やってみる必要がある。


・・・やっぱり体験していただくのが一番ですね。どうやら。


2007年04月20日

「NLPって何?」

以前に「NLPについては追々お伝えします」と言っていましたので、今日は少しNLPについて説明してみます。


「NLPって何?」

この質問にお答えするのは、実はなかなか難しいんです。


どこが難しいのか、お分かりいただけますか?
別に僕自身がNLPのことを良く知らないからじゃないですよ。

NLPのことを知れば知るほど難しいのかもしれません。

NLPの創始者の一人であるリチャード・バンドラーだったら、どのように答えるだろうか?
そんな風に想像してみました。

彼は非常にヤンチャでお茶目なオジサンです。
例えばバンドラーのセミナー中に、誰かが質問したとします。
「1つ、質問があるのですが、○○について教えてもらえますか?(Can you tell me about 〜?)」
すると彼は十中八九こう答えます。
「はい。(Yes, I can.)」

以上です。


そんなバンドラーですから。彼だったら・・・。僕が想像するに・・・。

・・・あるセミナー会場にて。
「バンドラー博士。NLPって何なんですか?」
「あなたはどんなイメージを持っていますか?
 じゃあ、その内容を、前に出てきて会場の皆さんに、私の代わりに1時間説明してください」
とでも言うでしょう。そして、
「今、何を感じていますか?」
「えっと、緊張感です。どうしよう、という気分です」
「その緊張感はどこで感じていますか?どんな感じですか?」
「お腹の辺りがギューッとなって、嫌な感じです
「その感じは、どんな風に動いていますか?前回り?それとも後回り?」
「そうですね。前回りの感じです」
「じゃあ、その前回りの感じをお腹の前に取り出して。それをグルッと反対に向けて。
 そうです。その後回りの状態を意識したまま、お腹に戻してください。」
「はい」
「では、その後回りを強く意識したまま前に出てきて。・・・。
 その後回りの感覚を意識しているとき、嫌な気分や緊張感は、どれくらいありますか?」
「不思議です!ほとんど緊張していません」
「そうです。良くできました。それではお戻りください」
そんなやり取りが繰り広げられるかもしれません。

それから
「そういうことです」
とでも言うでしょう。



もしかすると、こんなこともあるかもしれません。

「バンドラー博士。NLPって何なんですか?」
「ちょっとこっちへ来て。じゃあ、座って。よろしく。私がリチャード・バンドラーです」
と言って、握手を求めるフリをして、その手をグッと掴み、
同時に反対の手で目の辺りを押さえて、相手の首をグイッと後ろに倒すかもしれません。
そして
「眠れ(Sleep!)」
と言って、質問をしてきた相手を瞬間的に深い催眠状態に入れてしまうでしょう。
それから
「あなたは目を覚ますと、何を質問したかったのかをスッカリ忘れてしまいます。
 そして気分はとてもスッキリしています。これから手を叩くと目を覚まします。」
と言って手を叩くと相手は目を覚まし、
「ありがとうございました」
とお礼を言って戻っていくかもしれません。



何のことか分かりませんか?

そうなんです。僕はおそらく、バンドラーだったら真面目に答えないだろうと思うんです。
それは彼の性格も関係しているでしょう。

ただ、上のやり取りで共通しているのは・・・、

体験させている、ということです。


NLPを説明する上で、この「体験」というのが非常に重要な位置を占めると思うんです。


バンドラーはこう言っているそうです。
「NLPは自分自身で使うために作ったんだ」と。

他人を操作するためのものでもなければ、他人の問題を解決するためのものでもない、と。




NLPは心理療法をベースにして作られている部分が大きいのですが、
それにも関わらず他人のために使うものとしては作っていない、と言うんです。

僕には最初、そのことが理解できませんでした。
今はある程度の考えを持っています。
それを説明しようとすると大きな誤解を生む可能性があるので、ここでは控えさせていただきます。


自分で体験する、ということは、自分自身のために使うということです。
大事なのは「使う」ということなんです。
「使う」から「体験できる」し、「体験した」から「使える」ようになるんです。


だからこそバンドラーだったら、言葉で説明するよりも体験させてしまうんじゃないか
と、僕は想像したわけです。


「体験する」「使う」というところにフォーカスすると、NLPというのは心理学ではないと思うんです。
これは僕の持論ですが。
「NLPとは実践的な心理学です」とか、
「NLPはコミュニケーション心理学です」とか、
「NLPは最新の心理学です」とか、場合によっては
「NLP心理学」なんていう言葉を使う方もいます。

でも僕は「心理学」という言葉には少し抵抗があります。
学んでどうするんだ?と。
使ってこそ、だろうと。

だから学問ではないと思うわけです。


やはり僕としても、「NLPって何?」ということを伝えようとした場合、
体験を重視したいという思いが強いです。



「じゃあ、結局NLPって何がなんだか分からないまま体験してみたいといけないわけ?」
そんな意見も聞こえてきそうです。

確かに何をするんだか分からないまま体験するというのは不安だと思います。


ですから、言葉でも説明してみようと思います。


まずは、せっかくなんで、大元である米国NLP(TM)協会のホームページと
リチャード・バンドラーのホームページを見てみました。

そこには、「NLPって何?」ということに関して、あまり多くの情報はありませんでした。

ですが、NLPの定義というところにはこう書いてありました。

「NLPとは態度である」(日本語訳がしっくりこなかったらゴメンナサイ)
「NLPとは方法論である」
「NLPとはテクノロジーである」

僕にはこんな風に読み取れました。
NLPは使う人の態度によって意味が異なる。
それはNLPは方法論として作られたために、方法論として伝えることが中心になるということでもある。
そして、その方法論はテクノロジーとして使う人によって進化させることができる。

僕の捉え方に当てはめつつ訳すと、こんな感じになりました。


結局、使って初めて意味を成すんですよ、ってことのように思えます。
ただ、人に伝える段階では方法をお伝えすることしかできませんよ、って。




で、僕が冒頭に
「『NLPって何?』という質問に答えるのは、なかなか難しい」
「NLPのことを知れば知るほど難しいのかもしれない」
そう言ったのには理由があります。

それは僕がNLPにおいて「体験」を重視しているということと関係します。


体験というのは必ず個人によって異なります。
同じ出来事でも人によって受け取り方が異なるんです。

それは出来事に対する認識の仕方というのが、
これまでの人生における経験によって作り上げられるからです。
人が違えば、必ず認識の仕方が異なる。

これはコミュニケーションにおいて非常に重要なポイントです。


そして言語は個人の体験と結びついて使われます。

ということは、ある人の言葉の意味というのは、他の誰にも正確に理解することはできないということです。


だから、です。
「NLPって何?」
という質問を投げかけられたとき、答えるのが難しいんです。

なぜなら「NLPって何?」という質問の意味するところが、正しく理解できないからです。
つまり「NLPって何?」という質問を通じて、何を知りたいのかが分からないということです。

何を答えて欲しいのかが分からないのに答えてしまう、というのは
相手の質問の意図を自分なりに勝手に解釈して、自分が答えたい答えを言っているに過ぎないんです。

これはNLPで前提とされる部分です。
「地図は領土ではない」なんて喩えられたりします。
言っている言葉には省略と歪曲と一般化が必ず含まれているんです。


僕が仮に一対一の場面で「NLPって何なんですか?」って聞かれたら、こう言います。
「NLPについて何をしりたいんですか?
 例えばNLPっていう3文字が何の略なのかってことですか?
 それとも、NLPでは具体的にどんなことをするのかってことですか?
 もしくは、NLPをやるとどんな良いことがあるのかってことですか?」

まぁ、ここまで露骨に聞き返しませんが。
それでも、その質問によって何を期待しているのかだけは、知りたいと思います。

じゃないと僕は自分勝手なコミュニケーションをしていることになるからです。


そして、こういった質問の仕方もNLPのスキルの1つなんです。



実は、NLPの資格取得セミナーでは通常、こういったスキルを個別にお伝えします。
使い方は人それぞれなんです。
NLPというものの性質上、スキルを方法論として個別に伝えるのは仕方ないことだと思います。

だからこそ、NLPの資格取得セミナーじゃないタイプで、
かつNLPを利用しているセミナーに僕は期待感を持っているのです。
お互いが満足するコミュニケーションをとるための具体的な使い方が伝えられると思うからです。





さて。
ここまでずっとNLPに対して思うことを抽象的に書いてきてしまいました。

やっぱり「だから結局NLPって何なの?」っていう方もいらっしゃるかもしれません。

世間一般で良くされるようなNLPの説明は次回にいたします。
といっても僕なりの考えは混じってしまうと思いますが。


それでは。


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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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