2012年12月

2012年12月11日

客観的な声


【告知】

《ゼミ形式・勉強会 〜『目の前の人を、いかに理解するか』〜 》
  12月15日(土) 18:30〜21:30
   →詳細はこちら>>
 
《カウンセリング講座 〜ペーシング編:実践練習〜 》
  12月22日(土) 18:30〜21:30
   →詳細はこちら>>

《新春ワークショップ》
  1月6日(日) 10:00〜16:30     →詳細は後日
    ※長期的なテーマと向き合って、安定感を飛躍的に高めるワークショップです。




とにかく手広く、できるだけ多くのことを学びたいと思って
色々なセミナーに参加したり、教材を購入したりしていた時期があります。

そんな時期、自分の能力を向上させる一環として
自分自身の客観性を高めるトレーニングをしていました。

方法はカンタン。
録音した自分の話を聴く、というのも。

それによって、自分が話している真っ最中にも、
自分の話を客観的に聴けるようになるというコンセプトだった気がします。

結果的には、人前で話すときにも落ち着いて話せるようになる、と。

多くの人に当てはまると思いますが、
録音した自分の声を聴くのは、あまり心地良いものではありませんでした。

「えー?こんな声なの?」
という気恥かしさが常に伴っていました。

それが何度も聞いていると、段々と慣れてくる。

普段、話しながら聞いている自分の声と
録音して再生した自分の声が同じように聞こえるわけではありません。

寝起きの時などに自分の声を聴くと、たまに
録音した声と同じように感じられることもありますが、
僕の場合は、どんなに慣れてもイメージの声とは一致しませんでした。

まぁ、ですがトレーニングの目的としては、
主観的に聞こえる声と客観的に聞こえる声が同じになることを意図していませんから
録音した声に馴染んで、気恥かしさや違和感がなくなれば良かったんです。

再生して聴いたときに
「そうそう、自分の声って録音すると、こんな感じなんだよね」
と思えるようになれば、目標には達しているようです。

これは結構、僕の中で効果的だったと思います。
おかげで今でも、録音した声を聴いても抵抗はないですし、
話の内容も客観的に聴けますから、自画自賛することもできます。

自分自身を客観的に振り返る作業をする前段階としても重要なんです。

恥ずかしさを伴ったまま、録音した声を聴いて内容を振り返ると
「恥ずかしくて聴きたくない」気持ちが否定的な態度を生み出します。

その態度で聴けば、内容に対しても厳しく、批判的になりやすい。
他人に対して客観的に判断するよりも評価が厳しくなって、
上手く出来ているところさえも受け入れられなくなったりするわけです。

自分自身を客観的に振り返って評価する際には録音や録画が役立ちますが、
そのときには更に、自分の声に慣れていて、ニュートラルな気持ちで
自分の声や映像に触れられる必要がある、ということです。

実際、僕の場合、カウンセリングのトレーニングの中で
自分のセッションのビデオを繰り返しチェックしてきましたが、
そのときに自分を客観的に分析するのが苦にならなかったのは
以前に録音した自分の声を何度も聴いていたからだと思えたものです。

そういう意味でも、オススメ度の高いトレーニングだと考えています。


ちなみに、つい最近もセミナーの音声を録音していたので、
音質チェックのために自分の話を聴いてみました。

チェックのつもりが知らない間に聴き入ってしまっていたあたり、
かなり自画自賛でお恥ずかしいんですが、
それ以上に気になったことがありました。

それは自分の声と話し方。

誰かに似ている気がするんです。

でも誰だか思いだせない。

自分が影響をうけたであろう人たちの音声を引っ張り出して聴きましたが
どうも明確に「これだ!」というのが無いんです。

なのに、聴いていると誰かを思い出しそうな感じがする。

ただ自分の声を普段から聴いているうちの
客観的に耳から聞こえる要素だけが記憶に残っているのでしょうか?

いや、でも誰か別の人の気がします。
テレビとかCDとかで聴いていた人の声。
…声というよりは、話し方か?

思いだせません。

どなたか、思い当たる方がいらっしゃったら教えてください。

2012年12月09日

非言語での影響

最近、「 The Mentalist (メンタリスト)」のシーズン3のDVDを買いました。

レンタルでもよかったんですが、英語の勉強として繰り返し見られるように
DVDボックスのほうが便利かな、と。

コールドリーディングや催眠に近い言葉の使い方を
本ではなく、もう少しナチュラルな英語で仕入れたいと考えたんです。

なので毎日少しでもDVDを見る時間を取ることにしているところ。

英語に影響が出てくるには、もっと”書き起こし”とかをする必要がありそうですが
非言語への影響は、自分の予想以上に早く出ていることに気づきました。

カウンセリング講座の最中、皆さんに
細かな姿勢の修正や、注意の向け方のポイントなど
個別のフィードバックを行っているときが顕著でした。

自分の歩き方、ジェスチャー、1つの話を終えて次に移行する際のタイミングなど、
何気なく自分がやっていることに、主人公”パトリック・ジェーン”の影響が…。

自分の振る舞いも自覚しながらやっていると
その真っ最中に、自分の振る舞いの違和感に気づきます。

あの感じは、自分の中で、明らかにDVDの影響だと納得できました。

まぁ、決して無礼なことをしているわけでもないですし、
好きで見ているドラマなので癖が移ったとしても嫌ではないですが、
多少の恥ずかしさはありました。


どうやら、人は非言語レベルのメッセージに対して
かなり影響を受けやすいようです。

それはDVDに限ったことでなく、学校の先生やセミナーの講師、会社の上司など
接触頻度の高い相手であれば、大体の場合に当てはまるでしょう。

逆に、僕の場合、「この講師のこの癖は取り入れたくないなぁ」と感じる場合、
かなり積極的にその部分を注意して意識に上げ、
影響を受けにくくなるように工夫していたことも多々あります。


で、この”影響を受けやすい”ということが重要で、
ストレスの原因にもなるし、役立てられるものにもなるんです。

影響を受けやすい状態でテレビなどを見ていると、
表面的に作られた言葉のメッセージや、台本通りのやり取りとは別に
その奥にある出演者の感情なども感じられるようです。

おそらく、細かな非言語をキャッチしているんでしょう。

すると必ずしもバラエティ番組だからといって楽しいとは思えず、
情報番組のはずなのに妙に不快な気分になったりする。

つまり、『なんとなく』で影響を受けてしまっているわけです。

そこでの有効な対策の1つは、その理由を意識化することです。

自分は、どのメッセージを受け取っているのか?
その画面の中に、どんな細かいメッセージがあって、
それがどんな感情を示しているのか?

・非言語メッセージに表れた感情だけに着目して
・その感情と直接的に結びついた非言語の部位を特定する
という作業で、『なんとなく』を意識化するんです。

すると
「この人は口ではこう言っているし、表面的には笑顔を見せているけれど
 この口もとの緩みと喉元の詰まったようなハリは
 ”言いにくそう”な感じを表しているんじゃないだろうか?」
などと思えて、
少なくとも
「良く分からないけど不快」とか
「生理的に嫌」とか
そういった感じにはなりにくいと思われます。


そういう意味でいうと、僕の最近のオススメ番組は
テレビ朝日『マツコ&有吉の怒り新党』でしょうか。

出演者三人のコミュニケーションが
なんとも心温まるやり取りになっています。
とても朗らかに楽しい番組だと思います。

言葉にとらわれなければ、ですが。

2012年12月06日

【セミナー】カウンセリング講座(12月・実践編)

ご案内: 『ホンネを引き出すカウンセリング』講座

 【12月の追加日程】 実践練習:12月22日(土・夜間)



12月9日(日)に、カウンセリング講座・第一回:『ペーシング編』を開催しますが、
それに伴った実践練習のご案内です。

テーマとして『ペーシング』に重きを置きながら、原則的には
実践的な練習を積み重ねていく方針です。

その意味では12月9日の夜間に開催するものと近い内容だと言えます。

復習として鍵になるトレーニングを行って、
その部分に注目しながら実践的な流れを進めていく。
そのような流れを予定しています。

もちろん、9日の講座にご参加でない方にも、ご参加いただけます。
復習のワークを通じてポイントを掴んでいただきます。

個人的な見解として、ペーシングのカテゴリーの中でも
この部分だけを活用するだけで、
あらゆる分野のコミュニケーションの質を劇的に変えられると実感しています。

つまり、技術として応用範囲が広いということです。

裏を返せば、目的意識をハッキリさせずに使ってしまうと
予測もしていなかったような展開になってしまうリスクもあるわけです。

それだけ相手の心に深く入っていく切り口なんです。

相手が言葉にしていないホンネに迫る技術です。

やり方はシンプルなんですが、多くの人がやっていません。
ですから練習すると、戸惑う人が多いのも事実。

トレーニングをやってみて、戸惑うところがあったとしたら、
それは「今までにやっていなかった」という意味でしょう。

多くの人が戸惑うのですから、多くの人が使っていないんです。
慣れれば簡単ですし、すぐに使えるようになるにもかかわらず、です。

それでは、なぜ繰り返し練習する必要があるのでしょうか?

答えは明確です。
精度を上げるため。

このペーシングの技術の精度が上がるほど、相手から得られる反応は
「そう!そうなんです!それが言いたかったんです!」
という方向に近づいていきます。

占い師の話術を (※あくまで話術の側面だけですが)
・相手に「分かっている」と思わせる話し方(本当に分かっているかとは無関係に)
・相手から読みとった情報を伝える方法
に分けるとしたら、
このペーシングの技術は、後者のほうに近いと言えます。

相手から発せられるメッセージを、きちんと受け取って
そのことを相手に伝え返すんです。

コミュニケーションの基本のように思えるかもしれませんが、
それでも多くの人がやっていませんし、精度が高いとは言いにくい。

街中で他人の会話が聞こえてきたら、少し耳を傾けてみて下さい。
相手の話と関係ないことを答えている人だって沢山いますから。

相手のメッセージを、どれだけ正確に受け取るか。

その精度が高いほど、短い時間で会話が意図した方向に進みます。

もっと精度が高くなると、相手のホンネに近づいていきます。
本人が自覚していなかったレベルの「本当に言いたかったこと」が
会話に上がってくるんです。

その練習をしましょうという回です。

聞き役としてのトレーニングが中心なのは言うまでもありませんが、
話し役として、この技術の効果を自ら実感してもらうのも大切です。

是非、効果を感じていただいて、使いこなすためのモチベーションとしてください。



 ◆今回の講座で得られるもの

 ●非言語メッセージに対する観察力

 ●共感力

 ●言葉がけの表現力

 ●情報収集の精度

 ●誤解の少ない理解

 ●自分のコミュニケーションの癖をコントロールする

 ●自分のコミュニケーションの強みを活用する



 ◆お持ちいただくと役立つもの

 ●ICレコーダー

 必須ではありませんが、ICレコーダーのような録音機材をご持参いただくと
 振り返りの作業が効果的になります。

 ご自身の実習の模様を録音して、振り返るのが目的です。

 ビデオをお持ちいただいても構いません。

 現時点では、全体の中で収録した内容を使うことを目的としていませんが、
 自分自身が何を言ったか、どのような展開だったかを思い出すためにも
 利用価値の高いツールだと言えます。

 もちろん、復習としても役立ちます。





講座の詳細は以下の通りです。



【セミナーの詳細】

≪『ホンネを引き出すカウンセリング』講座≫【実践練習 檻押

【日時】  12月22日(土) 
     《夜間:実践練習》 18:30〜21:30
 

       ※終了時間は30分程度まで前後する場合があります。
       ★申し込みフォームに、ご希望の時間帯(日中/夜間)をご記入ください。


【場所】 北とぴあ 808会議室
    (JR京浜東北線・王子駅北口より徒歩2分)
    (東京メトロ南北線・王子駅5番出口直結)

【参加費】 
      《夜間:実践練習》 ・・・5,000円

       当日、会場にてお支払いください。


    ★定員に達した場合、キャンセル待ちとして受付させていただくことになります。
     ご了承ください。




終了しました


さりげない技術です。

白鳥が水面下で足を動かしているようなものです。

華やかな結果を生むために、
多くの人には分からない工夫が沢山ある。

それは、様々な分野の達人に共通するところでしょう。

そういう影の努力をするための実践練習です。

少しずつかもしれませんが、結果は変わります。

練習したことは少しであっても体に染み込みます。
すると日常の振る舞いが少し変わります。
それを受ける相手の反応も少し変わります。
その相手の変化が、自分自身の振る舞いに再び影響します。

そういう循環が生まれるんです。
ですからジワジワと結果が変わっていくんです。

しばらく経って過去を振り返ると、その効果を実感できると思います。
少なくとも、そういう報告は良く聞きます。

是非、コツを掴んで、工夫をしてください。

2012年12月05日

12月15日、ゼミ形式勉強会

12月・ゼミ形式の勉強会のお知らせ

日程は以前からブログの片隅でお知らせしていましたが、
ゼミ形式の勉強会についてのご案内です。

これまでの開催は2回。
いずれも大好評でした。

内容の深さもさることながら、
その背後にある想いがご参加の皆さんと共有されるところが
こうした勉強会の醍醐味でもあるのかもしれません。

そして、意見を交換し、知識が持ち寄られることで
より深くテーマを理解するための刺激が加わります。

統合的に理解できていくわけです。

本を読んで知識を得るだけでは、なかなか得られにくい体験じゃないでしょうか。
一方的なインプットや、情報を記憶するだけの作業ではなく
そこに血を通わせていくようなライブ感があるんです。

「何かを勉強するのは楽しい」。

そういうシンプルな喜びが得られるのも特徴の1つでしょう。

小学校からの勉強が全て、このように面白くある必要はないとは思います。
”つまらないことを我慢してやる”とか、
社会で生きていくための土台づくりとして”地道なトレーニングを積む”とか
そういった側面には、「面白くない」と感じる内容だからこそ意味がある場合もあります。

その一方で、本当に自ら勉強するということが一体どれだけ楽しいかを
感じる機会もまた有意義なものだと感じています。

記憶の観点だけから言えば、人間のしていることは
 実体験や勉強からインプットしたものを、生活にアウトプット(適用)する
ということに集約できるとも言えます。

つまり、インプットに関心を高めることは
豊かで味わい深い日々の生活に繋がるだろう、ということです。

ですから、とても充実した集まりになっているなぁと
シミジミ感じながら、ご案内をしているんです。


それで3回目のテーマですが、
『目の前の人を、いかに理解するか』
と決まりました。

心理学にも様々な性格分類やタイプ分けが存在しますし、
プロファイリングの類でも、多くの着眼点があります。

ファシリテーター(発表者?)には、何かプランがあると想像していますが、
個人的には、『人を理解するための着眼点』のようなものを
色々と議論するようなことになるんじゃないかという予想です。

もしかすると、単なるタイプ分けやプロファイリングではなく、
「今のその人の状態がどうなっているか?」という
動的な理解に向かっていくのかもしれません。

例として1つ挙げられていたのは、NLPでお馴染みの『VAK』です。

視覚・聴覚・体感覚という五感の使い分け。
これだって、大雑把に見れば
「ああ、あの人は”V”(視覚)の人だから…」
というように、人を「Vタイプ、Aタイプ、Kタイプ」の3種類に分けて
短時間で効果的な関わり方を探すのにも使えます。

一方で、もっと細かく見ていけば
「今、この人は、視覚をどのように使っているだろうか?」
と、その瞬間、瞬間の変化を追いかける視点に使うこともできる。

そんなような『人を理解する』ための着眼点や発想が
議論の中心になるだろうと予想しているところです。

まぁ、こちらはあくまで案内をするだけですから
詳しい内容は当日のお楽しみということで。

単なる勉強会という形式ですが、エキサイティングな時間だというのは
個人的な経験から強調できるところです。

お時間が合えば、是非お気軽にご参加ください。


ちなみに、今回のテーマは
『目の前の人を、いかに”理解する”か』
となっていますが、この”理解する”という言葉を
あまり軽く受け取らないで頂きたいと思っています。

いいですか、裏を返すと、ここには
「これで”人を理解した”と言えるのか?」という飽くなき探求と
「目の前の人の心を大切にしたい」という渇望に近いほどの優しさが見えます。

そこまで切実に「目の前の人の心を分かりたい」と思えるのは
その人のために最善を尽くしたいからじゃないでしょうか。

相手に注意を向けられる度合いこそが、
その人に対する気持ちの大きさに比例するような気がします。

言葉で書かれたテーマは”理解する”となっていますが、
その奥にある想いは、知的な理解とはかけ離れた暖かいもののはずです。

発表者本人から聞いたわけではありませんが、
そういう想いを感じているということです。

きっと、滲み出る何かが感じられることでしょう。
素敵な時間になると思います。



詳細は以下のとおりです。




【勉強会の詳細】

≪ゼミ形式≫
【日時】 12月15日(土) 18:30〜21:30
       ※終了時間は前後する場合があります。

【場所】 北とぴあ 801会議室
    (JR京浜東北線・王子駅 北口より徒歩2分)
    (東京メトロ南北線・王子駅5番出口直結)

【参加費】 ・・・2,000円程度(会場費+α)
       当日、会場にてお支払いください。
       参加費は後日あらためてお知らせします。

【テーマ】 『目の前の人を、いかに理解するか』




 ※もし発表者をお知りになりたい場合には、
  申し込みフォームの「ご意見など」の欄にご記入ください。


終了しました

いずれは、多くの発表者で持ち回りできるようにしたいと考えていますが
今後も何回かは、今の形式で継続する予定です。

まずは序盤の時期に多くの方に顔を出していただいて
雰囲気を味わってもらいたいと考えています。

お知り合いの方を誘って、遊びに来て下さい。

なお、会議室内は、飲食・飲酒が可能です。
節度のある範囲であれば、自由にお過ごしいただいても構いません。

気軽に楽しくお過ごしください。

当日お会いできることを楽しみにしています。

2012年12月03日

人生をマネジメントする話の続き

人生とマネジメントの話のつづきなんですが、

企業の経営に役立つ発想を、個人の人生に適用するときには
 「あくまで自分の仕事においては」
という前置きを強調するのが大事だと思います。

ライフスタイルの理念、あるいは「自分のミッションやビジョン」を考えると
自分の生き方が明確になって役に立つかもしれません。

しかし、前の記事でも書いたように
人生全般では、仕事以外の局面でも他者と接点を持つんです。

場面が変われば、同じ人物が相手でも
大事にしたいものが変わってくるのが自然なことです。

そうすると、必ずしも「これが自分のミッションだ」と宣言した形だけで
全ての局面に対応するのが快適ではなくなる可能性がある。
割り切れない想いが混ざってくるということです。

だからこそ、
 「あくまで自分の仕事においては」
と前置きしたうえで、
仕事のミッションを考えるほうが賢明じゃないか、と。

「自分の仕事における理念やミッション」であれば
仕事の範囲だけということで割り切りやすくなるでしょうから。


確かに、「これが自分の生き方です!」と断言できると役立つこともあるでしょうし、
強い信念をもって生きる姿はカッコイイとも思います。

ただ、僕は個人的に、
 人はもっと好き勝手に、色々とやりたいことを楽しめば良い
と思っています。

「味わう」とか「堪能する」といったほうがシックリきますが。

身近な喩えを挙げなら…。
 実家の犬が生きていたときは、毛やらヨダレやらで汚れるのが嫌だったのに
 死んでしまってからは、ヨダレがつくことも、毛が落ちていることもないのが
 逆に寂しく感じられて、むしろ犬の毛を発見するほうが嬉しく思えたりする。

そんな感じ。

痛みや傷が愛おしく思える
とか
スポーツの大事な試合で負けて、悔しくて泣き明かした思い出が懐かしい
とか
心が大きく動く体験が味わいになるときがあるようです。

そういうのが、仕事以外の色々な場面であるものじゃないでしょうか。

ビジョンやミッションといった考え方も、カタカナなんですから
当然アメリカから輸入されたものなんでしょう。

多くの人がイメージとして持っていると推測していますが、
アメリカ人が仕事に重きを置く程度は
日本人と比べると低いように見受けられます。

業種によっては残業もあるようですが、
日本ほど「仕事に没頭することが美徳」といった感じは薄そうな印象を受けます。

実際、アメリカ発の自己啓発の手法には『人生の輪』と呼ばれる図形があって、
人生を”仕事”、”家族”、”遊び”、”健康”など、6つとか8つの側面に分類して
その満足度を振り返るような作業があったりもします。

つまり、仕事で満足できれば幸せ、という発想ではなさそうだ、と。

その点、日本のほうが仕事に重点が置かれているというか、
「仕事を通じて自己実現」といった雰囲気さえあるように感じます。

そうすると、「自分のビジョンやミッション」ということを考えたときにも
仕事のビジョンやミッションが、人生全てに当てはまるような感じ方が
起きてしまいやすいんじゃないかと思えるんです。

言い換えるなら、
「仕事を通じて成し遂げたいこと、大事にしたいこと」が
仮に人生の80%を占めていたとすると
その「成し遂げたいこと、大事にしたいこと」が人生全般のことのように感じられ
まるで「人生のミッションやビジョン」のように思えてくるんじゃないだろうか、
と懸念しているということです。

もちろん、仕事が人生の90%だというスタンスも、人それぞれの考えでしょう。
その場合、仕事のビジョン・ミッションが人生全般のものだと言っても
大きな違いは生まれないのかもしれません。

ですが、それでも残り10%だって、
その人の一生の中で大切な部分だと思うんです。

そこは必ずしも、そのビジョンやミッションと沿っていなくたって構わないだろう、と。

ましてや、仕事を人生の20%と捉えている人がいるとしたら
「”あくまで仕事における”ビジョンとミッション」という風に限定しておかないと
残りの80%まで、仕事における基準で味わいを判断することになりかねません。

仕事を通じて世の中と関わりを持ち、
世の中に対して何かを成し遂げていく。
それだって、人生全般の喜びの中の一部であって、
それが全てじゃないということです。

人それぞれ、色々な楽しみ方があって良いじゃないですか。

ビジネスにおいて役立つ考え方は
「仕事において」という局面に限定しておけば十分な気がします。


人生をテーマパークに喩えるなら、
仕事は大人気のアトラクションの1つだということです。

遊びに来ている時間の大部分を、1つのアトラクションで過ごすのも良いでしょう。
ビジョンやミッションという発想は、その仕事というアトラクションのゲームで
良いスコアを出すためのコツのようなものかもしれません。

ただ、そのテーマパークには、まだまだ色々なアトラクションがあります。

そのテーマパークの”住人”と触れあうのが好きな人だっていますし、
雰囲気を味わいながら、ゆっくりと歩くのが好きな人だっているでしょう。
写真を撮るような楽しみ方だってあるんです。

メルヘンたっぷりのアトラクションも良いでしょうし、
ハッピーな気分に浸れるアトラクションだって、
冒険気分を味わえるアトラクションだって、
恐怖やスリルを味わえるアトラクションだって、
好きなところで楽しめるわけです。

「泣けました!」っていうアトラクションだって素敵なものでしょう。

テーマパークには、色々な楽しみ方があるはずです。

まぁ、「好きなように楽しんだら?」っていうだけのことなんですが。


ちなみに、僕は
”テーマパークの中で言い伝えられている噂話を鵜呑みにしない”
っていう遊びを楽しんでいます。

2012年12月02日

人生をマネジメントする

企業のマネジメントに役立つ考え方が
人生にそのまま役に立つとは、僕には思えません。

なぜかというと、
企業は社会に対してビジネスの一側面のみで接しているのに対して
人生は様々な面で社会と接点を持つからです。

つまり、企業はビジネスとしての関係性に集中できるものの
人生においては、もっと色々な関係性が重要な意味を持ちます。

もちろん、企業においても人が関わってきますから
そこには様々な人の個人的な想いが交錯しますが、
その程度は人生全体の比ではないだろう、と。


このことが影響するのは、トップダウンの方針を立てるときでしょう。

企業であれば、理念を元に方針を大まかに統一しても構わないと思います。
むしろ、そうすることで個性をハッキリと打ち出して
その理念に共感する人たちを顧客として関わっていくことができる。

例えば、回転寿司と、高級なカウンターの寿司屋では
”寿司屋として、やろうとしていること”が違っているわけです。

有名な寿司屋に行って、それぞれの寿司の値段が分からないからといって
それにクレームをつけるのは、店の理念とズレていると言えます。

その日によってネタの仕入れ価格が変わる中で
板前が良いと思ったネタを自分で選んで仕入れてくる。
値段は「時価」になるのが自然なことでしょう。

それに対して、大量買い付けや独自ルートでの仕入れで
価格変動を抑えられるチェーン展開の回転寿司であれば、
いつも分かりやすい値段で商品を提供できる。

もしかすると、毎日値札を変えれば、高級な寿司屋でも
値段を分かりやすくすることもできるかもしれませんが、
それもまた店の理念と合わないのでしょう。

こういう雰囲気の、こういう会計システムの店で
とにかく目の前のお寿司にだけ集中して堪能したい。
そういう人がお客さんになれば、ビジネスとして成立するんです。

子供向けのハンバーグのお寿司を求めているお客さんは
家族向けの回転寿司に行って下さい、というようにして
理念の合うお客さんとの関係性だけを結んでいるということです。

同様に、
コーヒーショップではパソコンを使うような滞在が許されている仕組みがあっても
牛丼屋には、そういう前提は用意されていません。

パソコンを開きながら、ゆっくりと場所を使いたいなら
牛丼屋ではなくてコーヒーショップに行って下さい、というスタンスがあるはずです。

だから牛丼屋はカウンター中心で、背もたれのない椅子ですし、
WiFiでインターネットにつなぐシステムもない(多分)のでしょう。


「こういう風にお客さんと関わって、こういう体験をしてもらいたい」
という”ビジョン”を定めて、
「そのために自分達は、こういう立場・役割を徹底しよう」
という”ミッション”を定める。

その理念から出発すると、
「そのためには、こういうことはするけど、こっちは絶対にしない」
という行動レベルの方針が明確になってくる。
サービスにブレがなくなる、と。

そこまで徹底して行動を決めて、
その理念と、行動の裏にある価値観をお客さんに対して示しておけば、
それが嫌なお客さんはやってこないで
それを求めるお客さんだけがやってきて、喜んでくれるようになる。

暗黙のうちに
「こういう人が、うちのお客さんです。
 こういう人は、来ないで下さい。来てもガッカリするだけですから。」
と示していると言えます。

中には、対象とするお客さんさえ言葉で明確に示しておいて
分かりやすく関わりを限定していく企業もあるようですが。

ここで重要なのは、
 企業の場合、こうやって理念を設定することで
 『行動』としてのサービスと、『関わる相手』としてのお客さんを
 限定することができる
という部分です。

むしろビジネスの場合、そうしておいたほうが個性がハッキリして
特定の相手と密接な関係をキープすることも可能でしょう。
ファンがつきます。

ところが、人生全般に視野を広げると
様々な事情から、自分の取る『行動』や、『関わる相手』を
選べない状況も多々あるはずなんです。

学校の同級生や近所の住人、家族や友人、電車に乗り合わせた人…。
「私は、こういう理念なので、あなたのような人とは関わりません!」
とはハッキリ言えない相手がいるものでしょう。

たとえ同じ理念を共有しているはずの職場の同僚であっても
仕事以外の接点、…たとえば日常会話の話題、食事、飲み会の騒ぎ方など…
理念を共有できない状況でも関わる必要が出てくる場合がある。

仮に、「私は納豆が絶対に嫌いだから、納豆を食べる人とは関わらない」
という『関わる相手』の方針があったとして、
それにどこまで妥協できるかが問われるわけです。

「もう絶対に納豆が嫌い」というなら、その方針で人と接しても構わないかもしれません。
ただ、それによって、仕事のチャンスとか、気の合う友人の数とか、
自分にとって大事な他のものが失われるリスクもある。
それを覚悟したうえでも「納豆嫌い」を優先するなら、それも良いでしょう。

でも、「この人とは仲良くしたいから、納豆は我慢しよう」と思えるなら
そこには妥協の余地があるといえます。

つまり、これが経営との違いじゃないか、ということなんです。

ビジネスの関係でも妥協がないわけではないでしょうが、
経営理念を決めた後には、妥協する可能性が高いのはお客さんの側が普通です。

お客さんの側としては、100%理念に共感できないけれど、
この部分は妥協してサービスを利用しよう、ということが良くあるものでしょう。

ですが、もし高級な寿司屋が「子連れのお客さんにも来てもらいたいから」といって
ハンバーグのお寿司を出し始めたら、これまで来ていたお客さんを失うかもしれません。

言い換えると、人生全般で捉えたとき、ある人が他の人と接点を持つとき、
そこには
 同時に複数の側面で関わりを持つために、
 お互いに妥協する必要が生まれる
わけです。
 
どちらか一方が常にサービス提供者、もう一方が利用者
…といったビジネスのような関係にはならないと考えられます。

お互いに妥協できる部分と、妥協できない部分があって、
その間には、さらにグレーゾーンもある。

このグレーゾーンでお互いに歩み寄って
どのようにして心地良いグレーを作っていくか。
それこそがコミュニケーションが持つ、1つの大切な役割かもしれません。

・必ずしも相手を選べない状況もある。
・同じ相手と複数の側面で関係性が生まれる。
・お互いが妥協する側になる。

だからこそ、あまりシンプルに
「これが私の生き方です」
と宣言して、
人との関わり方や、関わる相手を限定することは
現実的ではないだろうという話です。

経営で役に立つ理念の設定が人生全般に応用できるとは限らない
…というのは、そういう意味合いです。

おしらせ
 ◆ セミナー情報 

New!

《コミュニケーション講座》
 〜人を育てる指導力〜

【日時】 
  2019年6月16日(日)
   10:00〜16:30


【場所】 
  北とぴあ 601会議室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《瞑想講座》

【日時】 
  2019年6月22日(土)

  午後の部 13:30〜16:30
  夜間の部 18:00〜21:00

【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細は後日


《怒りの取り扱いマニュアル》
 〜期待の手放し方と
  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
   10:00〜18:30


【場所】 
  滝野川会館

   JR上中里駅より7分
   JR駒込駅より10分
   南北線西ヶ原駅より7分

詳細はこちら>>
次回未定


 ◆ 過去の講座 

《新カウンセリング講座》
 〜まとめと実践〜


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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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