2007年08月25日

ゆるし

愛とは許すことだと言われます。

過去のトラウマを解消する有効な手段の1つも許すことです。
過去の苦い経験。
そこにまつわる人や巡り合わせを許せるようになったとき
安定した状態になれるということです。

何か嫌なことがあったとき、不快な感情がわいてきます。
それは怒りであったり、悲しみであったり。

おそらく両方がわいてくるようですが、
怒りの対処法というのが非常に大事だと思います。

僕もなかなか怒りを蓄えているようなので、
それを感情のレベルで発散させるのがとても有効だということを実感しています。
体の中から怒りを出してしまうこと。
それによって気持ちを落ち着かせることができるんでしょうね。

その上で自分の頭に残っている残念なことを解決したければ、
冷静に言葉で伝えることになります。

ただ、怒りを解消できると不思議と余裕が出てくるものなんですね。
状況を冷静に見れる。

すると嫌なことに対して寛容な気持ちになれるわけです。
相手のことも考えられるし、自分のことも考えられる。
また周りの環境にも目が行くようになります。

自然とこう思えてくるんです。
「仕方ないな」

それは極めて自然に許せている状態です。
「許す」のではなく「許せる」んです。
この違いは非常に大きいと思います。

「許す」という時点で、それまで許せていない状況が続いていたわけです。
そこから何とか意志の力や思考を使って合理化しようとする行為です。
「まぁ、こんだけやってるんだから許しましょう」と。

「許しましょう」と言いながら不満は解消されていないんです。
スッキリはしていない。
「許そう」とするのは無意識的にわだかまりを抱えながら
意識の力でなかったことに戻そうと努力をしていると言えるんじゃないでしょうか。

要するに無意識的には「まだ許せていない」から「許そう」とするということです。


一方、怒りや不満の感情を感情として発散させることができると
体の中から自然と安定してきて、なぜか無意識的に「許せる」ようになるんです。


例えば、こんな感じです。。

お弁当を買おうとしてレジに並んでいるとしましょう。
2つのレジに対して1列に並んで、空いた方に先頭の人が行く、そんなルール。

自分がちょうど列の先頭になって、どちらかのレジが空くのを待っていたとき
後ろのオジサンが「前、行かないんならオレ行っちゃうよ」と話しかけてきます。
「荷物が多くて大変だから」と言いながら先にレジの後ろに並んじゃったんです。

荷物が多いって、キャスター付の大きなキャリーバックを
持ち上げて抱えていないで地面に置けばいいじゃないかと思ったんですが、
変な顔をしながらこっちをにらんでいたので諦めました。

メンドクサイ。
こんな場所で大声をあげるのも大人げない。
どうせ一人だけだ。
君子危うきに近寄らず、だな。
ムカつくけど仕方ない。

そんな風に合理化するかもしれません。

でもそのまま自分の部屋に帰ってもイライラした感じが残っているわけです。
なんなんだ!あのオッサンは!って、少し落ち着かない感じがある。
自分の中では落ち着きを取り戻して歩いて帰ったつもりでしたが、
やっぱり体の中には何か不満が残っている感じ。

で、怒りを怒りとして感情レベルで発散させる取り組みをします。

そしたらこう思えてくると。
「ま、訳の分からんオジサンだから仕方ない。何かあったんでしょう」って。


周りに振り回されるのは自由な状態ではありません。

ただ、出てきてしまった感情にも立場があるように思います。
それをなかったことにしようとしては少し可哀想なじゃいかと思うんです。

そしてなぜか、その感情を認めて表現させてあげると許せてしまうようなんです。
振り回されなくなるんですね。

面白いもんだなぁと思います。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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