2007年10月16日

詳しい分野で

しばらく前から「成人病」という言葉が使われなくなりましたね。
「生活習慣病」と呼ばれるようになっていました。

で、その生活習慣病の要素が高い状態を「メタボリック・シンドローム」と
呼ぶようになってきたそうです。

最近よく耳にしますよね。

ただ、ちゃんと「メタボリック・シンドローム」と呼ぶ人は少ないようで、
略して「メタボリック」と呼ばれることが多いような気がします。

日常会話でもそうですし、テレビでも略して言われているようです。


ところが、僕にとってはそれが凄く引っかかるんです。

「メタボリック・シンドローム」は診断基準のある状態で、
WHOで決められた正式な呼び名ですから構わないんですが、
「メタボリック」だけに略されてしまうと違和感が大きいんです。

そもそも「メタボリック・シンドローム」は日本語にすると「代謝症候群」ですから
代謝に関する要因を評価する基準のようです。
「メタボリック」というのは「代謝の」という意味の単語なんですね。

ということは「メタボリック」と略してしまったときには
「代謝(の)」ということを言われているわけなんです。

そんなことは多くの人にとってどうでも良くって、単なる略語に過ぎないわけで、
ケンタッキー・フライドチキンを「ケンタ」って呼ぶようなものなんでしょうが、
僕にとっては気になってしまう単語なんですね、これが。

というのは僕が研究をしていたときの専門分野がまさに代謝に関わることだったからです。

「メタボリック」という単語のつく言葉があふれていたんです。
そっちの印象が遥かに強く残っているんです。
「メタボリック」という言葉を聞いた瞬間に、
頭の中に代謝経路図(メタボリック・マップ)が浮かんでくるんです。

だから「メタボリック・シンドローム」の話の時には違和感が隠せません。


専門的な情報を持っているとき、その内容の話に引っかかることって
意外と多いような気がします。

その話題からすると細かい部分で、話の流れには影響がないのが分かっていても
どうしても「あぁ、そこんところチョットおかしいなぁ」と思ってしまったり。

NLPでもコールドリーディングでも、英語の言葉をそのままカタカナ語として
使っていますから、似たような単語が良く出てくるんですね。

話の文脈で単語の間違いに気づいて、内容は理解できているんだけれども
なんとなくさっきの単語の使い間違いが気になってしまうことは
結構多くの人にあるように思います。

「メタモデル」と「メタプログラム」がゴッチャになったり、
「サトル・ネガティブ」と「サトル・クエスチョン」で混乱したり。

僕にとっての「メタボリック」という単語は
「それって使い方、おかしいなぁ」と思ってしまう部分なんですね。


僕は理系でずっとやってきていますから、
科学的であるかどうかにも引っかかりがあります。

説得力を出すためだとは思いますが、科学的な雰囲気の説明をしようとして
逆に論理的におかしくなっていたり、間違っている感じがしてしまうんですね。

科学は数学的な証明の他は、大半が仮説で成り立っていますから
正しいか、正しくないかという議論はそもそも難しいわけですが、
仮説の実証の仕方という部分に科学の特徴があるんです。

巷にあふれるような、一見すると科学的っぽい説明の多くは
論理展開の飛躍や実証の仕方の点で不十分な感じが強いように思います。

だから僕は納得できなくなってしまうんですね。
性分でしょうね、これは。

逆に説明とか一切気にせずに、
「どういう理屈かは分かりませんが、経験的に非常に効果的なんです!」
と言ってもらったほうが気持ちが良いんです。

それなら納得するんです。
理屈で説明できないことが世の中に多いことを知っているのも
科学的なスタンスだと思うんです。

理由は分からないけど、良いものは良い。
それでいいと思うんですけどね。

少なくとも僕にとっては中途半端に科学的なことを言われるよりも望ましいです。

良いと思ったその人の経験は素晴らしいわけですから。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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