2007年12月08日

黒烏龍茶

最近、電車の吊り広告にサントリーの黒烏龍茶のものを見かけます。

この吊り広告がなかなか面白いんです。

詳しい文面は覚えていませんが、何かの文章が書いてあります。
その文章が少し暗示的なんですね。

サントリーの黒烏龍茶は特定保健用食品に認定されていますが、
脂肪の吸収を抑制するという効能がうたわれています。

あくまでも効果を期待することができる、というのがポイントですが、
実験的なデータとして脂肪吸収を抑える効果が認められるということだそうです。

ただ、医薬品ではないので、おそらく機能を明言はできないんでしょうね。
とくに「中性脂肪を下げる」という一番のウリと思われる部分は
薬と同じように受け取られる可能性のある表現ができないんでしょう。

だからだと思います。
吊り広告は面白い表現なんです。
確か、大体こんな感じだったはずです。

「中性脂肪に聞いた」
そんな書き出し。

内容の多くは黒烏龍茶と中性脂肪を擬人化して、
黒烏龍茶が中性脂肪にアンケートをとるような流れです。

黒烏龍茶が中性脂肪に”聞く”わけです。

で、色々と話が進んだ後に、黒烏龍茶が中性脂肪に訊ねます。
「どうしてそんなに嫌がるんだ?」みたいに。

すると中性脂肪が答えるんです。
「そうやって聞くのが嫌なんだ」と。


どういうことかというと、です。

中性脂肪は黒烏龍茶が聞くのを嫌がっている。
「聞く」を「効く」とかけていると思われるんです。

つまり中性脂肪は黒烏龍茶が効くから嫌がっている、と。
中性脂肪には黒烏龍茶が効くということです。

冒頭の「中性脂肪に聞いた」もそうです。
「中性脂肪に効いた」と思わせたいだろうという思われます。

全体を通じて「黒烏龍茶が中性脂肪に”効いた”」と受け取らせたい気配が見えるんです。


NLPでは天才催眠療法家のミルトン・エリクソンの言語パターンを分析し
ミルトンモデルという形でまとめ上げています。
そのなかに『アンビギュイティ』と呼ばれるものがあるんです。

言葉の曖昧さを利用して複数の意味を感じ取らせるという手法です。

その曖昧さこそが、同音異義語にあるわけです。
元々は英語で使われていたものですが、
日本語に当てはめても効果があるということでしょう。

”聞く”と”効く”。
文字に書いてしまうよりも、CMとして音で伝えたほうが効果は高いと予想されます。
文字で書くなら平仮名のほうがいいはずです。

・・・まぁ、あまり露骨にできないという事情もあるのでしょうが。


直接的に表現するわけにはいかない効能だからこそ、
そうやって暗示的に効果を表現しているような印象を受けました。

そこまで考えて作られたものかどうか分かりませんが、
何か意図的なものが感じられます。

目にしたらチョット読んでみてはいかがでしょうか?
印象的な吊り広告ですよ。

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この記事へのコメント

1. Posted by さっちゃん   2007年12月10日 12:35
私もこの広告には、度肝を抜かれました。
こんな催眠みたいな広告を作るんだと・・・。

聞くと効く。あえて仮名にしなくとも人って読んでいるときは、
いったん頭の中の声が音にしている感じがするので、
かえって気付かないうちに滑り込んでくるのかな?なんて。

ちなみに余談ですが、
黒烏龍茶は、国から特保(特定保健用食品)の認可を受けているので、
基本的には認められた効能効果はうたえるのです。

なのに、この広告で行ったと。
言えるのに言わないところが、かえって効果を狙っているのかな?と感じました。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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