2008年07月13日

予想外の行動

先日、食事に出かけた時のことです。
ファミレスのような気軽な店でした。

一人のキャリアウーマン風の女性が颯爽と店に入ってきました。
服装も歩き方も、気品がある感じでした。

席に着く時も、注文するときも、料理が運ばれてくるのを待つ間も、
まるで高級フランス料理店にいるかのように振る舞っていたんです。

きっと色々と気を遣って自分の見せ方を考えているんでしょう。
一人だけ別世界というほど。

しばらくして料理が運ばれてきました。
店員さんは普通のバイトでしょう。
ごくごく一般的なマニュアル通りの対応です。

料理をテーブルの上に置かれると、その女性はまたもや品のある仕草で
店員さんのほうへ小さくお辞儀をしました。

そして、料理に正対して再び小さくお辞儀。
それから割り箸に手を伸ばしました。

おもむろに割り箸を割ると、なんと…。

その女性は体を右へねじり、席の横で割り箸の断面同士を擦り合わせました。
シャッ、シャッ、シャッ…。

僕はビックリしました。

そして何事もなかったかのように女性は正面へ向きなおり、食事を始めました。
その仕草は当然のように気を遣ったものでした。

姿勢もよく、食器を持つ仕草も、口に食べ物を運ぶ量すらも色々と気を配って
自分がいかに品良く見えるかということを心がけているようでした。

なのに、唯一。
割り箸を割ったときだけ。

きっとナイフとフォークであれば、隙のない作法で食事をされる方なんでしょう。

別に、割り箸を擦り合わせる行為がダメだと言っているわけではありません。
その女性の他の行動があまりにも頑張っている様子だったため
他とのギャップが大き過ぎたということです。

マナーに対する僕の考えは後日書こうと思っていますが、
僕がその時に感じたのは、自分のことは意外と気づかないものなんだ、ということです。

その人にとっては、当たり前の行為だったんでしょうね。

立ち方、歩き方、座り方…、そういったことは一生懸命に磨いてきたのかもしれません。
美しく見えるための行動を追求してきたのかもしれません。

割り箸を擦り合わせてケバだったところを取る行為がマナーとしてどうかは、
僕にとってはあまり気にならないことなんですが、
単純に美しい所作には見えなかったという話です。

それだけ美しく見える振る舞いを追求してきたような方なのに
気づくことのできないほど、当たり前の行為だったのでしょうね。

当たり前だと思っていると気づくことができません。
知らないことも気づくことができません。

自分の行動を客観的に振り返ってみると意外なことにも気づけるでしょうが、
それ以上に他人に指摘してもらうのは重要な気づきにつながりそうです。

厳しい指摘は苦しいものですけど。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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