2008年10月20日

犬の十戒

これ、見ました。

犬と私の10の約束[プレミアム・エディション](2枚組)
犬と私の10の約束[プレミアム・エディション](2枚組)


とても分かりやすく、心を動かされる映画でした。

若干やり過ぎな感じを受ける場面があったり、
多少ずるい感じがする泣かせ方を受け取ってしまったりもしますが、
こういう映画には抵抗できません。

生死に関わる場面というのは、モニターを通じた映像からでも
人の心に多大な影響を与えるようです。

ただ僕の場合、実家で犬を飼っていることもあって、
色々と自分の記憶と重ね合わせながら見てしまったので
涙なしには見られない感じになってしまいました。

映画に登場するのはゴールデン・レトリーバーですが、
僕が子供のころから一緒に生活していたのも同じゴールデン・レトリーバーだったんです。

物語中では主人公の女の子が中学生の時に犬を飼い始めますが、
僕も中学校に入るぐらいのタイミングでした。
成長の時期が合っているというのも重ね合わせやすい部分だったように思います。

狭い実家でしたが、いつも家の中に犬がいる生活。
40kg近い体重ですから存在感も相当なものでした。
まさに家族だったんです。

中学、高校、大学、社会人と、僕の成長の間ずっと犬と暮らしていました。
僕が12歳のときに我が家にやってきて、社会人1年目までの12年間。
人生の半分を一緒に生きてきた犬が死んだとき、僕は山口県にいました。

映画中でも主人公は就職して犬のいる実家を離れていました。
ただ、それでも犬が死ぬ場面には立ち会うことができています。
そのことが「犬と私の10の約束」の10番目。

僕は残念ながら、そのことができませんでした。
当時のことは鮮明に覚えています。

山口にいたころ、研究所は工場の敷地内にあって、社員寮も同じ敷地内にあったんです。
なので、昼ご飯は寮の食堂に食べに帰るのが習慣でした。
そして食べ終わると少しだけ自分の部屋に戻って15分の仮眠をとる。
毎日、日付が変わるまで研究所にいたので、昼休みの仮眠は重要だったんです。

その日も昼休みに寮へ戻りました。
不味い昼食を終えた頃、急に雷鳴が。
10月中ごろの嵐でした。

職場へ戻るのに大変だなぁ、と思いながら自分の部屋へ戻ったとき、
携帯電話が鳴りました。

母からでした。

「ちょうど今、息を引き取った」という電話でした。

その日の昼休み、研究所へ戻る人の流れの中、
僕だけが傘をささずに自転車に乗っていました。
午後は実験をしていても涙が流れていました。

そして次の日、会社を休んで朝一番の飛行機で東京へ戻りました。

体はドライアイスで冷やされていました。


映画を見ていて、その時の場面を克明に思い出したんです。
ずっと忘れていた感覚。
忘れたくなくて意識をしていても自然と手から消えていった、
思い出そうとしても思い出せなかった、温度と手触りの記憶が蘇ってきました。

人間の記憶というのは興味深いものですね。

色々な思い出も戻ってきました。


当たり前だと思っていたことが当たり前ではなかった。
それは大事な学びでした。

感謝ということについて、改めて意識する機会になりました。

cozyharada at 23:25│Comments(2)TrackBack(0)clip!全般 | NLP

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この記事へのコメント

1. Posted by maδ(田中)   2008年10月21日 19:13
あぁわかりますよ〜その感覚
僕も昔、猫を飼っていました。
僕より年上の猫で人の区別が出来る美人(猫)で賢い猫でした。

その話はまた今度お会いしたときにでも・・・

わかるわぁ〜〜(TωT)
2. Posted by 原田幸治   2008年11月03日 14:02
田中さん

人間はなぜか動物に親近感を抱くようですね。
特に哺乳類に対して。

魚や爬虫類、軟体動物も動物ですが、一般的には
体温の温もりを感じさせてくれるほうが親近感を覚えやすい気がします。

以前、水族館に行った時も、魚よりイルカがカワイイと思えました。
仲間意識というのがあるんでしょうかね。

ちなみに僕は散歩をしている犬を見ると
自然と顔がほころぶことに気づきます。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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