2008年11月27日

その問題は誰のせいで起きていますか?

目標にせよ、悩みにせよ、
自分が責任を取れるものであるか、というのは重要なポイントだと思います。

人間は一人で生きているのではない以上、自分が何かをしようとすると
必ず自分以外の周りに対して影響が出るものです。

自分が何かを達成したとすると、他の人にも影響が出ていることになる。

仮に、年収1億円という目標を達成するとしたら
誰かから1億円を集めてこないといけないわけです。

当然のことですが、自分が変われば他人も変わるということです。

他人の都合を考えて目標を設定しようということではなく、
自分のしたいことがあれば、それをするのは素晴らしいと思いますが、
問題は上手くいかなかったときです。

例えば、営業の人が売上ノルマを達成できなかったとすると
それは多くの場合、自分のやり方に問題があったと考えるでしょう。

インターネットでビジネスをやるときに、売り上げ目標が達成できなければ
自分の手法が良くなかったと考えて、売り方を工夫するはずです。

高校や大学の受験の時、不合格になってしまったら
自分の実力に目を向ける人が多いと思います。

買ってくれなかった取り引き先が悪い、とか
この素晴らしい商品の価値が分からないなんて愚かな消費者だ、とか
今回は自分よりも点数を取ったヤツがいたからいけないんだ、とか
そういう風に自分以外の誰かに責任を向けることは少ないだろうということなんです。


ところが、そこに他人が直接的に関わってくると事情が変わります。

あの人がムカつく。
あいつさえ、こうなってくれれば…。
あの人に振り向いてもらいたい。

自分の気持ちが強く向いている相手がいる場合、
目標や悩みの内容が、その相手の人物に向きやすくなるようです。

他人を変えたい気持ちが沸いてくるわけです。

だからコーチングなどの目標設定では、「誰かにこうなってもらいたい」という形の
目標を立てることは良くないとされているんです。
他人を変えようとする目標は良くない、と言われます。

本質的に見れば、営業成績を上げたいというのも
「お客さんにもっと買ってもらいたい」という意味では相手に依存しています。
他人を変えようとしていると言えば、そうなんです。

両者の違いは自分がどのように責任をとろうとしているか、です。

求める結果は相手を変える行為ではあるけれども、
それが上手くいくか、いかないかは、全て自分の責任だと思えるか。

この部分が違います。

上手くいかなかったのは、自分のやり方が悪かったんだ。
次はこうしてみよう。
…という具合に、自分に気持ちが向く分には責任が取れています。
目標に向けて進んでいけるでしょう。

しかし、「私に振り向いてくれないあの人が悪い」と
相手を責めるような気持ちが沸いてきてしまったら、
それは自分で責任を取れていないということになります。

そうではなくて、「だったら、どういう自分になりたいのか」の視点で
目標を設定しましょう、というのがコーチング的な目標設定です。


そんな前提を元に考えると、問題や悩み事に対しても自分の責任と捉えて
どのように自分が変わっていくかという視点に立つのは重要だと言えます。

問題状況は自分次第で変えられる。
そういうスタンスで関わるということです。


ただ、この発想には危険なところもあります。

確かに、どんな状況であっても、それに対する自分の関わり方を変えていければ
あらゆる問題を自分で解決できるはずです。

しかし、人はそれほど常に強くはいられないものでしょう。

頑張りたい人は頑張ればいい。
一方で、頑張りすぎて心身ともに潰れてしまう人もいるわけです。

他人のせいにしていては問題は解決しない。
全てを自分のせいだと考えていてはストレスに押し潰されてしまう。

どちらもバランスなんです。

その意味では、「この問題は、誰が悩むべき問題か」という視点が役に立ちます。

問題は3種類に分けて考えられます。
 自分の問題。
 相手の問題。
 自分と相手の両方が関わる問題。

良い人ほど、相手の問題で悩んでいます。
本来、悩むべきは相手である、そんなケースでも自分が悩んでしまいます。

世の中には困った人というのが、ある割り合いでいるものです。
誰の周りにも困った人がいて、そんな人と関わってしまうことがあるんです。

勝手な気持ちを満たすために周りの人を困らせてしまう人がいたら、
その人との関わりで感じる不満は、困らせる側の責任です。
困ってしまう自分の問題ではありません。

本当に困るべきは誰か、ということを考えて
その人のことで悩まないようにするのも賢明な対処でしょう。

仕方ないんです。
相手の問題で苦しんでも仕方ないんです。

相手の問題で心を痛めるのをやめるのも、大切なスキルだと思います。

cozyharada at 23:19│Comments(0)TrackBack(0)clip!NLP | 全般

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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