2008年12月15日

電車の中で

電車に乗ると、揺れに強い人と弱い人が出てくるようです。
とても安定して立っている人もいれば、すぐにフラフラしてしまう人もいます。

先日、電車の中で一人の50代くらいの男性が、
女子高生と思われる2人組に対して怒っていました。
「さっきから何やってんだ!ちゃんと立ってろ!」

僕から見れば、その男性も決して「ちゃんと」立っているわけではなく、
吊革に掴まりながら体をグルングルン動かしていましたから
足の位置こそ変わらないまでも、前後の人には何度もぶつかる迷惑な人だったんです。

その電車はかなりスピードも出しますし、揺れが大きいタイプだと思います。
でも、吊革の数には限りがありますから、掴まっていられない人は大変です。

女子高生2人組は小さな声で話はしていましたが、
決してハシャギながら過ごしていたわけではなかったように見えました。
フラついたときに「ワァ」とか「キャア」とか言っていたぐらいなものです。

その声の感じや、動いてしまった後に顔を見合わせる様子から推測すれば
かなり反省していて恥ずかしそうな雰囲気に思えたわけです。
どう考えても、フラフラしてしまうことを楽しんで喜んでいるようには見えません。

ところが、その男性には不愉快に思えたのでしょう。
不運にも怒鳴られてしまった女子高生は委縮していました。

ワザとやっているようには見えないし、反省や恥ずかしさを感じているようなのに、
それに対して怒鳴りつける姿には、近くにいた僕まで残念な思いを抱いたものです。

なんだか、その男性の個人的な事情が投影されているような気がします。


僕は電車の中で揺れずに立っているのが苦手なほうだと思います。
一般的に女性のほうが男性よりも体系的に揺れに強いそうですが、
僕は結構頑張って立っているつもりなのに足元がおぼつかないんです。

そのせいもあって、揺れずに立っていようとしてもフラついてしまうのは
仕方のないことではないかと多めに見る傾向があります。

むしろ、吊革に掴まっているのを良いことに、吊革の腕だけに頼り切って
自分の体や足元を安定させるのを止めてしまうほうが好きではありません。

その時に見かけた50代くらいの男性も、まるで
上下を固定したパンチングボール(ボクシングの練習で使うやつ)ぐらいの勢いで
体全体を大きく揺さぶっていました。

一番大きな振幅で動く下腹部に至っては、前後の人に押し付けられ
その都度、前の人は顔をしかめながら後ろを振り返っていたほどです。


僕自身としては、電車の中で他人に迷惑をかけるべきではないと考えるわけでもなく、
自分の都合を正義を装いながら人に押し付けるのが不愉快だったようです。

別に、電車の中で足を踏まれたとしても不快にはなりません。
揺れた結果として人の足を踏んでしまうことは不可抗力だと思いますから。

状況の中で仕方のないことというのは多々あるものでしょう。

ただ、その不可抗力の結果として、相手に身体的な苦痛を及ぼしたのなら
その点に関しては謝罪の気持ちがあってもいいような気はします。

なので、足を踏むのは仕方ないけど、
踏んだ後に謝るかどうかは個人の問題だと考える、ということですね。


ところで、僕は先日、電車の中で揺れにくくなる方法を編み出しました。
僕だけにしか通用しない方法かもしれませんが、
自分の体の動きをコントロールするのに効果的な方法のような気もします。

それはNLPの表現で言うならば、
 別のところで使えていたリソースを問題状況に応用する
ということになります。

僕は自分の体の状態を客観的に捉えるのが意外と得意なようです。
体の使い方を真似するというときに、自分の状態をそれなりに意識できるんです。

その時には、「自分の体の感覚として動きや場所を筋肉の状態から把握する感じ」と、
「自分の体の動きを外から見たらどうなっているかを視覚的に想像する感じ」の
両方が同時に使われている印象があるんです。

しかしながら電車に乗ってしまうと、普段は何も意識せずに立っているだけ。

そこで、意識的に自分の体の状態をコントロールする感じを活用しました。

普通に電車で立っているときは、体の感覚や筋肉の状態だけを意識しているだけで
揺れの動きに対して力を入れて踏ん張る印象だったんですが、
体の状態を客観的に見るようにしてから力の入れ方が変わりました。

踏ん張るというよりも、むしろ力は抜けている感じ。
揺れに対して自分の体を逆方向に揺らしてバランスを取るわけです。
視覚的には、頭の位置を動かさないようにするイメージです。

ビルの耐震構造は、まさにそういうことをしています。
揺れを感知して反対方向に動きを入れることで、揺れをキャンセルするわけです。

工事現場で使われる削岩機も、手に伝わる振動が小さくなるように
中に重りを入れて、その重りが揺れと逆方向に動くような工夫で
機械全体の振動を抑えているそうです。

人間も、同じように体を揺らすことで、揺れに強くなるのかもしれません。


そういう意識をしてから、随分と安定して立っていられるようになりました。
まぁ、それでもフラフラすることは多いですけど。

ちなみに、最近の目標は、南北線の「駒込〜本駒込」の大きな揺れで
足を動かさずに耐えることです。

cozyharada at 23:00│Comments(2)TrackBack(0)clip!NLP | 全般

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この記事へのコメント

1. Posted by TWC田中   2008年12月16日 20:23
電車の中は僕の中でトレーニングの空間に
なっていますよ(笑)
バランストレーニングとでも言ったら良いのか・・・
専門的?にはスタビライゼーショントレーニングといいますが・・・

原田さんの行動はそういった意味では理にかなっているのかもしれないですね☆
2. Posted by 原田幸治   2008年12月20日 01:31
田中さん

なるほど、専門家のお墨付きですか。
揺れに対する安定性は、体の重心位置で随分と違う気がします。
上手く上半身の力が抜けると、格段に安定感が増しますね。

ちなみに、客観的に自分の動きをイメージしてから、
その通りに体を動かそうとするのは効果的な手法のようですね。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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