2009年03月19日

空白の期間

帰りがけに袴の女性を見ました。
卒業式か何かだったんでしょうか。

ちょっと時期が早い気もしますが、そろそろ卒業のシーズンのようです。


僕の場合、印象に残っているのは中学校と大学院。

小学校は特別な気持ちがあったとは記憶していませんし、
中学校が小学校の隣にあったので身近な印象があったのかもしれません。
小学校の同学年の9割ぐらいが隣の中学校に進んだので
友人と離れる気がしなかったのもあるでしょう。

中学校と卒業は、感情に大きな動きがあったのを覚えています。

同級生とは別れていくということ。
高校受験を通して、今までにない進路に変わるということ。
中学校生活に沢山の思い出があったということ。

そうしたことが中学校の卒業に対して想いを強めたように思います。

一方、高校の卒業は、全くと言っていいほど印象が薄いものでした。
大学が付属だったということもあるかもしれませんが、
3年間通った場所を離れる割りには、随分とアッサリしたものだったようです。

僕にとって、高校生活は大学で進む方向を決めるための前段階の位置づけで、
日々の勉強と部活動に追われるように毎日が過ぎていた気がします。
卒業の時期は、大学で何をするかということに気持ちが向いていたはずです。

また、実際に春休みの期間から、大学関連の手続きが多かったので
気持ちは自然と大学のほうへシフトしていたのだろうとも思えます。

大学も3年の後半ぐらいから研究室に配属になりましたから、
推薦はあったものの大学と大学院は続いたようなものでした。
大学の卒業式という形式と、大学院の入学式という形式はありましたが、
それに対して何らかの実感があった覚えはありません。


そうして大学院を修了して、就職。
会社を辞めて独立をした時のことを思い出しても、
退職という一種の卒業をしているにも関わらず
「卒業」という印象はあまり残っていません。

変化の時期が急に来ていたり、次に始まることへの準備があったり、
猶予期間が無いような状態だと、卒業の印象も弱い気がします。

卒業というイベントと、卒業から次のスタートまでの間の空白の時間。
変化の途中のポッカリした期間もまた、卒業を強く印象づけるのでしょう。

僕の場合は、大学院からの卒業が心に残っています。

大学から大学院までの研究室での活動の思い出。
就職までの短い空白の時間。
そして、新たな生活への不安。

それらが入り混じって、卒業の時期を特別なものにしているようです。

大学院の修了式。
式そのものは大雑把なものでした。

その後、研究室に戻ってから個別に終了のイベントを行いました。
修士論文は提出が済んでいます。

具体的なことは覚えていませんが、修士論文発表会みたいのを終えて、
大学院での活動を終えたぐらいの時期に卒業式があったように思います。

卒業式の後、研究室の皆での謝恩会がありました。
そして、この日ばかりは飲み会が徹夜で行われます。
研究室の1部屋を使って、朝まで皆で飲む。

僕は当時からお酒を飲めませんでしたので、皆と思い出話にふけるだけ。
そうやって朝を迎えて、家路につきました。

朝日の中、いつもと逆方向の電車に乗って家に帰る。
電車の窓から見る景色。
いつも見てきた景色を、もう見なくなるのかと思うと
なんとも感慨深いものがありました。
寂しい朝だったのを覚えています。

ちなみに僕は、その卒業式の後も数日間、研究室に通いました。
書きかけの論文があったので、その修正をしていたんです。

卒業をした後、僕の同級生は誰も研究室に来なくなります。
僕だけが一人、研究室に足を運ぶ。

卒業したはずの人が、まだその場にやってくるわけです。

別に未練がましくて、暇つぶしに来ているわけではありません。
それでも、どこか少し周りから浮いてしまっているような感じがありました。

ほんの数日間。
卒業から新しい道までの空白の期間。

そこには、場違いな気分と、何とも言えない寂しさがあるようです。
その気持ちも、卒業というイベントには仕方ないものなのかもしれません。

人は卒業を繰り返して生きていくようですから。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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