2009年05月15日

四拍子

日本人の心には、文化的にか、習慣的にか、遺伝的にか、
七五調のリズムが合うようです。

五七五で綴られる俳句や川柳、五七五七七の短歌・和歌、
そして七五調の小気味よいリズムで進んでいく都々逸(どどいつ)。

齋藤孝氏が「声に出して読みたい日本語」でヒットしていますが、
その中の主張にも日本語特有のリズムというのが強調されていたようです。


また、それとは少し違うリズムに感じられますが
三三七拍子や三本締めなどのように、手拍子を打つ時にも
日本人が好むリズム感があるように思えます。

七五調のゆったりと流れに身を任せるような心地良さと比較すると
三と七、三と一で作られるリズムには、もっと勢いがあるというか、
スピーディーにたたみかけてくるようなアップテンポなノリを感じます。

このあたりの、リズムと気分の関係というのは世界中の音楽に対して
多くの人が共通して持つ印象だと考えてよいのではないでしょうか。
たとえば、ワルツのリズムには、落ち着いた優雅さを感じるように。

日本人にとって三本締めや三三七拍子が染みついていることを感じさせるのは
高速道路のスピード注意のために道についている出っ張りでしょうか。

一定のスピードで進むと、タイヤが地面の出っ張りを拾い
その音がリズムよく三本締めを奏でるというヤツです。

余談ですが、北海道の道路には法定速度で走っていると
丁度いいリズム・音程で「知床旅情」が聞こえてくる道があるそうです。
これは道路に細かい溝を作り、その間隔で音程を調節する仕組みなんだとか。


で、日本人にとって馴染みの深い三本締めや三三七拍子も、
外国の人からすると単なる四拍子に聞こえることもあるそうなんです。

確かに言われてみれば、三三七拍子は四拍子のリズムに合わせられます。
4分の4拍子の楽譜の上に、手をたたくところを音符、休むところを休符で記すと
(叩くところを○、休むところを●)○○○●○○○●○○○○○○○●の繰り返し。
四拍子に当てはめられるわけです。

日本人がこれを聞いたときには休符にあたる休みの部分には
あくまで体の中で一拍の間をおいてはいますが、それをリズムの一部とは感じず、
三回手をたたくところと七回手をたたくところに意識が行くようです。

これを四拍子と感じるには、手をたたくところと休むところが作り出す
全体的なリズムの流れを背景に感じ取る必要がありそうですから
一定のリズムを意識しやすい習慣があるのかもしれません。

もしかすると、日本人のリズム感には、
音が作り出すテンポの変化に敏感な傾向があるのでしょうか。
日本の伝統音楽は欧米のリズムと比べると独特な展開をするように感じられますから
何か特有の感性が磨かれてきた可能性も否定できません。

とはいえ、そうした日本的なリズム感も、間の部分を明確に感じていないだけで
そこをハッキリと意識化させていけば多くのものが四拍子に当てはまるというのも
なんだか面白いことのように思えます。

三本締めに関しては ○○○●○○○●○○○●◎
という形ですが、最後の一拍は、それまでの細かい三拍の倍の長さに当たります。

4分の4拍子の楽譜に当てはめると、「四分音符×3+四分休符×1」を三回、
最後の一小節は「二分音符×1+二分休符×1」になるわけです。
で、その全体を三回繰り返すという流れ。

最後の一小節、つまり最後に締めの一拍を打つところは
全員が共通して少し長めの間を取っているから、
繰り返しでタイミングよく進めるのだろうということです。


同様に、五七五のリズムも実は四拍子に当てはめることができます。

○○○○○●●●○○○○○○○●○○○○○●●●
俳句や川柳のリズムは、自然とこんな感じで読んでいるはずです。

最初の五音の後には多少長めの間をあけ、次の七音の後の間は短い。
「松島や ああ松島や 松島や」
たぶん、二回目の「ああ松島や」と三回目の「松島や」の間隔の短さに気づけるでしょう。

このことを考えると、「字余り」と呼ばれるものに関しても
一般的には真ん中の七音については細かく言われない理由が分かる気がします。

たとえばサラリーマン川柳から引用すると、
「『オレオレ』に 亭主と知りつつ 電話切る」
「『課長いる?』 返ったこたえは 『いりません!』」
この2つの例だと真ん中は八音あります。

それでも多くの人が、あまりそのことが気にならないんじゃないでしょうか?

たぶん、それは真ん中の二小節分に八音がピッタリ収まるからだと考えられます。
つまり、七音のときには最後の句に移る前に取っていた一拍分を
八音のときには音に変えて発音してしまっている状態ということです。

だから全体のリズム感が崩れない。


そんな風に考えていくと、人間には一定のリズムを感じ取る能力というのが
ある程度は普遍的にあるのではないかという感じがしてきます。

だからこそ、世界中で自然発生的に音楽が生まれてきたのだろう、と。

そういう人類共通の感受性みたいなものは
人に影響を与えるものとして十分に検討してみる価値がありそうです。


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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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