2009年05月26日

頑張るべきは

専門的なカウンセリングに限らず、何かの相談にのるという場面で
相談される側が頑張り過ぎてしまうことが起きる場合があります。

相手のために親身になって「なんとかしてあげたい」と思ったり、
相談されること自体が自分に対して起きた課題のように捉えて
「自分なら解決できる」というスタンスになってしまったり。

勉強してきたことを試そうとして頑張り過ぎてしまう時期もあるでしょう。

そんなとき、相談してきた側が期待外れの印象を受けることがあるようです。
ただ話を聞いてもらいたかったというケースもあるかもしれませんし、
もらったアドバイスが分かっていても出来ないケースもあるかもしれません。

また、人によっては必死で何とかしようとしてくれる相手に対して
心のどこかで頼ってしまう気持ちが沸いてくる場合もあるものです。

人間関係は相互作用で形作られていきますから、
相談に乗る側が頑張り過ぎてしまうと、相談者本人の頑張りが減ってしまうわけです。


もちろん、相談者自身の頑張れる力も大切です。
状況によっては力を失くしてしまっているときもあるでしょうし、
そもそも頑張る気力を発揮するのが苦手な人もいるでしょう。

誰か大切な人との別れを経験して打ちひしがれている人が
頑張る力を失ってしまうのは当然のことです。

スクールカウンセラーが対応するようなケースには
そもそも相談に行くこと自体を望んでいない相手の話を聞くこともあるはずです。

どうやって相談者自身に力を出してもらうかというのも
相談に乗る側の力量だと考えられます。

その意味でも、相談に乗る側が頑張る方向性というのが重要なわけです。
相談に乗る側が、相談者本人以上に頑張ってしまっては、
本人の力を発揮するチャンスを奪ってしまいかねないんです。


プロとして相談にのる場合には、その傾向は顕著になるようです。

どうやって本人に頑張ってもらうか。
その度合いを見極めていくのは僕にとって永きに渡るテーマだと思います。

問題を解決できるのは本人だけです。
頑張るのも本人です。

コーチはクライアントの中から答えを引き出すように質問しますし、
いわゆるロジャース派のカウンセラーはクライアントが答えに気づけるまで
一生懸命に話を聞くことを心がけます。

コンサルタントも専門家としてアドバイスをしながらも
クライアント自身に努力をしてもらう部分を含めます。
ノウハウを伝えて、それを実践していくのはクライアント自身ということです。

相談業務をこなす人は数多くいますから、中には、適切なアドバイスによって
相談者自身が頑張らなくても問題解決できるようにする人もいるでしょう。
そのことを自覚して、意識的に選んだスタイルとしている分には構わないと思います。

ただ、原則的に「頑張るのは本人」という考え方が大切にされるということです。


ところが、中には「頑張るのは本人」ということの意味を曲解して
相談に乗る側が何も頑張らないケースがあります。

セミナーの実習中に、テキストに書かれた質問を読むだけになってしまって
答える側だけが頑張っている状態というのは、仕方のない場面だと思います。

それがプロだとすると、いかがなものでしょうか。

用意された質問だけを繰り返す。
クライアントが質問に答え、その中で情報が得られて整理されていく仕組み。
まるでアンケートに答えているような印象です。

確かに質問に答える側は頑張っています。
本人の力で解決に向けて進んでいる状態だと言えます。

しかし、それでは頑張る力が引き出されないはずです。
解決に向けて進んでいこうとする力が失われてしまうようでは本末転倒です。

クライアントに頑張らせようと無理をかけていくのも同様です。
無理を感じすぎるとクライアントは苦しくなってしまいます。
それによって力を消耗してしまっては逆効果なわけです。

少しストレスをかけて力を引き出す方法もありますが、
かけすぎが逆効果になるのは当然のことでしょう。

だからラポールが前提になるんです。
相手の状態に合わせて進めていくのが大切なんです。

相談者本人が頑張れるようにサポートしていく。
そのための努力は最大限にするんです。


解決のための努力をするのは確かに本人です。
だからといって、相談に乗る側が何も努力しないわけではありません。

解決のサポートのためには努力する部分が沢山あるはずです。
間接的に努力して、本人の努力を最大限に活かせるようにする必要があると思います。

「頑張らせる」んじゃないんです。
「頑張りたく」なってもらうんです。

そのための努力は尽きません。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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