2009年06月19日

場所と顔ぶれ

本を買うとき、amazonなどのネット書店を利用する方も多いようですが、
僕の場合は基本的に大型書店へ実際に行って本を選ぶのが普通です。

ネット書店は、絶版になっている本の古本を買うときか、
洋書を取り寄せるときぐらいに利用する程度でしょうか。

amazonで著者別に検索して調べたものも、結局のところ書店で買うことになります。
本棚に大量に並んでいる中から実際に手に取るプロセスが大切なのかもしれません。

多くの場合、大型書店に行って、まとめ買いをするんですが、
ちょっとでも気になった本を全部買うというわけでもないんです。
気になった本をピックアップして、その中から選んで買う。

パラパラと立ち読みをして判断基準にすることもありますから
その点でも実際に本屋へと足を運ぶのが好きなんだと思います。


そして、僕が本屋に行くときは一店舗だけではないんです。

気になった本を手に取ってみることをするわけなので、
目に入って気になるかどうかが意外と重要なプロセスとなります。

もともと目的を持って買う本もあれば、気になったから買うという本もある。
自分としては、気になる本が沢山あって欲しい気持ちもあるんです。

ですから、本は大型書店で買うことになります。
沢山の本が並んでいて、目につく本も沢山ありますから。

ジャンルごとに場所が決まっているのも助かります。
棚の近辺を歩き回るうちに、色々な刺激が得られます。

一方、一つの書店だけだと、その店特有の並べ方や配置で本を目にすることになるので、
目に留まるものが片寄ったものになりやすい傾向があります。
大体、決まった場所に足を運びたくなりますし。

そうすると、一店舗だけで本を買おうとすると、
目に留まるもの自体に傾向が出てきてしまうようなんです。

で、僕は書店をハシゴするわけです。

新宿には紀伊国屋とジュンク堂がありますし、
池袋にはリブロとジュンク堂があります。
ほとんどの場合、両方をまわって気になる本に目星をつけることをします。

特に、大型書店の場合、一階に新刊やキャンペーンのコーナーがありますから、
そこを見ることで気になる本が見つかってきて、非常に助かります。
特集の仕方や、特定の本をアピールするやり方は、書店によって個性があり
これもまた視点を変えるのに役立つんです。


僕個人としてのお気に入りはジュンク堂・池袋本店。

物凄く他の本屋と差があるわけではありませんが、
フロアごとの特色が感じ取りやすいのが好きなようです。
エスカレーターを降り立った瞬間に雰囲気が違うような印象さえ受けます。

レイアウトされる本の種類や、ジャンルによって決まってくる本の装丁の傾向が
視覚的にも違った印象を生み出している気がしますし、
本の配置の仕方にもフロアごとの違いがあるように感じられます。

ジュンク堂の特徴は、池袋店でも、新宿店でも、名古屋店、福岡店、鹿児島店でも、
上から下まで高さのある本棚に本を陳列しているところでしょう。

僕が知っている全ての店舗で、図書館のような本棚に並べていたところを見ると
それが1つの方針なのかもしれません。

多くの書店は、一番したに引き出し式の在庫を入れる場所があり、
その上のスペースを平積み用に使っているようです。
そして、平積みスペースの上に本棚が乗っている形になって、
棚に入っている本は背表紙を向けるように収まっている。

目に留まりやすいのは当然、平積みの本でしょうが、
平積みの本は地面と水平に置かれることになるので目線を下げる必要があります。

その点、ジュンク堂は平積みの場所が限られていて、
多くの本が高さのある本棚の中に陳列されている。
その中で、新刊や力を入れている本は、表紙を正面に向けるように
奥から手前に向かって重ねられています。

このように陳列されると、歩いているだけでも視野の中に本の表紙が入ってくるため
色々と気になる本が見つかりやすいような気もします。

また、大型書店の中でも、僕はフロア別にジャンルが分かれているのが好きみたいです。
広いフロアの中で、ジャンルをエリアごとに分けるよりも、
ジャンル別にフロアが決まっているほうが本を選びやすい気がします。

もう少し正確に言うと、本を選んでいるときに居心地が良い。
それには本のジャンル別の特色が醸し出す雰囲気が影響していると思います。

例えば、女性用の心理読み物などは、本棚を遠くから見ただけで
カバーの色やデザインの特徴が際立っていて分かるものです。
赤やらピンクやらの華々しいイメージでしょうか。

タレント本のコーナーは写真を使うせいか、光沢感があるようですし、
僕が足を運ぶことの多い心理系の棚には白っぽい落ち着いた印象があります。
ビジネス書は黄色、緑色っぽい印象を持っています。

なんとなく本棚に陳列されている本の種類によって
共通する印象というのがあるんじゃないでしょうか。
それには本の装丁の傾向が大きな影響を及ぼしていると考えられます。

ジュンク堂・池袋本店の場合は、ジャンルによってフロアが区別されている上に、
特有の平積みが少なく、表紙が正面を向いているタイプの陳列法によって
本のデザインが映像として飛び込んでくる量が多いと思うんです。

ジャンルごとの印象を違いを強調してくれているようです。

そういえば、僕は新書や文庫本は狙ったものしか買わないんですが、
それも本の装丁から受ける印象を捉えにくいせいもあるかもしれません。
文庫や新書の多くは、ブランド別に装丁が決まっているようですから。


そして、もう一つ。

僕がフロアごとにジャンルが分かれているのを好む理由。
それは、集まる人です。

そのジャンルを好む人は、当然、どことなく似通った雰囲気を発しているものです。
専門性というか、趣味の問題というか、共通したものを持っている。
そのジャンルに関わっているから、その棚の前に集まってくるわけです。

全体として見てみれば、ジャンルごとに客層も違ってくると言えるでしょう。

そうした客層特有の見た目の雰囲気もまた、
ジャンル別の棚に対して印象を与えていると考えられます。

経営や戦略関係の棚に集まる人の雰囲気と、
看護・福祉関係の棚に集まる人の雰囲気と、
IT・コンピューター関係の棚に集まる人の雰囲気では、
どれも別物に近いものがあると言っても過言ではないと思います。

まして、音楽・美術などの芸術関係のジャンルに集まる人は
服装も顔つきも、他のジャンルとは異質な印象を強く発しています。

ジャンルごとにフロアが分かれていると、
フロアごとに集まる人の雰囲気も変わってくる。
これも僕がフロアの多い書店を好む理由の1つでしょう。

おそらく無意識のうちに、周りの人の雰囲気を感じ取りながら
本を見ているんだろうと思うんです。

もっと言えば、本の特徴と、そのジャンルの本に集まる人たちの雰囲気が
フロアごとに特有の場を生み出し、その場にラポールが作られる。
だからそこに身を置くこと自体が心地よいのではないか、ということです。

実際、馴染みのないフロアに行くと、普段と違う違和感を感じたりもします。
場所の違いで、自分の内面の違いに気づけるわけです。

逆に、そのことは自分の中の情報を拡げるのに役立つかもしれません。

最近の僕は、芸術書のフロアに足を運ぶことにしています。
独特のクリエイティブな雰囲気は、相当な刺激になるものです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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