2009年08月21日

ならないように

モチベーションには色々な方向性があります。
それは、いくつかの要素を組み合わせた結果、そのときの個人の特徴として
特定の方向に対してモチベーションが生まれるということです。

たとえば、すごくショッキングな出来事があったとしたら、
精神的打撃の影響で、しばらくは意欲がわかなかったとしても
その後に「二度とこんな想いはしたくない」という後悔の念から
今までと違う方向に強いモチベーションで進んだりする。

それが何かの目標に向けて進んでいる最中であったとすると、
後悔を避けようとして新たなモチベーションを生み出す人もいれば、
その目標に対して別の方向からアプローチをしようとして
以前のモチベーションを維持したり強めたりするほうになる人もいるでしょう。

「脳は快を求める」なんていう言い方で、
「快の状態を強くイメージすれば、その方向に進める」という意見もありますが、
実際のところ、「不快を避ける」という方向にもモチベーションは生まれるんです。

それは「不快を避ける」ことで「快の状態になれる」からではなく、
脳の機能として「不快を避ける」ためにもモチベーションが生まれることが
実験的に示されているということです。

ちなみに、モチベーションはドーパミンと密接に関わっていると言われていますが、
これもマウスの脳で実験した結果から人間でも同様だろうと推測されているもので、
マウスの実験結果からは「不快から逃げる」ためにもドーパミンが出ていることが
実験的に示されているという話です。

ということで、特定の目標がなくてもモチベーションは生まれると考えていいはずです。


現状で困っていることがある。
それを避けたい、どうにかしたい。
その状態は、困ったことを避けた結果として特定の目標に進もうとしていなくても
「変わりたい」という意味では強いモチベーションを生むことがあるわけです。

むしろモチベーションの強さという点では、
強烈な後悔以上に人を変えさせるものはないような気もします。

禁酒、禁煙、ダイエット…、そういった悪習慣を断ち切った人の中にも
後悔をキッカケにして一瞬で変わるケースは多くあると言われます。

どんなに、ダイエットに成功した状態を目標に設定しても上手くいかなかった人が、
強い後悔や将来への不安をキッカケにして変化し始めることがザラにあるんです。

「痛み」は、まさに回避からモチベーションを生み出すためのものじゃないでしょうか。

二度と同じ危険を体験しないように痛みを通じて学習する。
身体的、精神的に健康なレベルを取り戻すために痛みを通じて状態を知る。

痛みや苦しみは、人を別のレベルへと導いてくれるものでもあるかもしれません。


怒りや悲しみを原動力にして大きな結果を成し遂げる人がいます。

本人の中では「目標を設定して、目標に向かってモチベーションを燃やし続けた」と
感じていることもあるようですが、その原点が怒りや悲しみという
不快な想いからの回避であることは少なくないものです。

世の中を大きく変えた偉人は、現状への問題意識も高かったと思います。

その人が生きてきた中で感じた強烈な不快感。
それが人を突き動かす源泉となることが多いはずです。

そのように考えると、人生の転機となったような苦しみは
自分にとって大切な何かへと導かれるまでの試練のようにも考えられるでしょう。

マーチン・ルーサー・キング牧師の「 I have a dream. 」の「 Dream 」は
不満からの回避が原動力だったことは否定のしようがないと思います。

夢には、そうした回避的な側面も含まれていることがあるわけです。

コーチングにも目標設定だけでなく、モチベーションの源泉を聞き出す質問が
役に立つような気がします。


一方で、幼少期から命にかかわる体験を重ねすぎると
使命感のほうが強くなりすぎてしまい、
個人的な喜びを感じにくくなってしまうケースもあるようなので、
結局のところ「バランスが大事だ」という結論に落ち着きます。

多くのことには両極ともいえる2つの側面があります。
そこを考えれば、偏るというのは危険な気がするんです。

夢や目標に向かってポジティブに進もうとする考え方は大切ですが、
そればかりに偏らないことも大事じゃないでしょうか。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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