2009年08月26日

擬態

NHKで放送されている「ワンダー×ワンダー」という番組が面白いです。

毎回、驚きを感じられるようなテーマで進みます。
NHKスペシャルから切り取られたような形だとか。

野球マンガに登場する「魔球」を実現させようとしてみたり、
前人未到の鍾乳洞や、結晶だらけの洞窟を探検してみたり、
地球上の驚きの内容を特集してくれるのが楽しいところ。

人間の技術や探究心の凄さに感動できるときもあれば、
大自然の神秘に感動できるときもあって、個人的な興味とマッチしたときには
まさに食い入るように見てしまったりもします。


この間は、「大自然のモノマネ名人」というテーマで
「擬態」について特集していました。

これは本当に不思議で、あきれるぐらいに面白い。

擬態をするのは植物や昆虫、海の生物などに多いようですが、
鳥なども鳴きマネを駆使していたりするそうです。

何かの虫に似せた植物があるかと思えば、植物ソックリの形をした虫がいる。
枯れ葉や花に擬態したカマキリは、意識して見なければ気づかないほどです。

どう見ても、狙ってその形をしているとしか思えないぐらいに見事なマネっぷり。

海の中には、意図的に環境に紛れようと行動を変える生き物もいました。

「モクズショイ」というカニの仲間は、周りの環境にある海藻などを
自分のハサミを使って切り取り、それを体の表面にくっつけています。

実験で、全ての藻屑を取り除いたモクズショイの行動を観察したところ、
24時間ぶっ続けで作業をして、全身に海藻などを身につけていました。

器用に小さく海藻をちぎり、それを背中に乗せる様は
健気に思えるほどの地道な作業でした。
なんでも、脱皮のたびに、その作業をしているのだそうです。

これなどは自分の身を守るために、完全に意図的にやっている習性だと思えます。

また、つい20年ほど前に発見された「ミミックオクトパス」というタコの仲間は
体の表面の模様を変えるような手段ではなく、自分の手足の形で表現しながら
別の生物のモノマネをしていました。

人間が解釈すると、それは毒をもった生き物の擬態に捉えられますが、
そのタコが意図的に特定の生物に似せようとしているかどうかは分かりません。

ただ、襲われそうになる敵に合わせて、違った生き物のマネをするというのだから
その対応力は見事としか言いようがないでしょう。

全ての足をユラユラと上に持ち上げてイソギンチャクのマネをしたり、
足をフワッと広げて泳いでカサゴのマネをしたり。
全ての足を後ろ向きに束ねて、ヒラメのように平べったい魚のマネをするときもある。
時には両手を広げるような形をして、ウミヘビのマネをして敵を脅かします。

しかも、その動作が実に芸が細かいんです。

イソギンチャク・フォームのときには足を触覚ソックリにユラユラと動かし、
カサゴ・フォームの場合には、水の流れに漂うヒレの感じを足で表現している。

ヒラメ・フォームなんて、足をピッタリとくっつけて後ろ方向に流した姿は、
一枚の薄っぺらい形がヒラヒラと泳ぐ姿にしか見えません。

ウミヘビ・フォームは頭の部分や他の足の影響で微妙な様子でしたが、
ヘビが鎌首を持ち上げるスタイルを片方の足で表現して敵を脅していました。

こういう習性を持った生き物がいるというのは不思議で仕方ありません。

身を守るために手に入れた習性だと言えばそれまでですが、
タコやカニが本能的に模倣をすることを行動としてやっているのは
どういう進化の結果なのだろうかと驚きを感じざるを得ないところ。


生まれつき、姿かたちが別の何かに似ていることで生存に有利だというだけでなく、
自らの行動で姿を何かに似せようとする生き物がいるわけですから、
モノマネを駆使して生き残ろうとする戦略が選択されているように思えてしまいます。

ダーウィンの進化論でいえば、わずかな変化が時間をかけて
環境への適応の結果として選択されてくる、ということになりますが、
こんな擬態をする生き物が偶然に生まれることがあるのでしょうか?

生化学を専門にして遺伝子組み換えなどをやっていた僕からすると、
突然変異というのが、どの程度、表に現れる形質として影響するかは
なんとなくイメージができる部分だったりします。

擬態をする生き物が、現在の形まで進化してくる過程を
自然に起こるランダムな突然変異の結果として捉えると、
そこには、とんでもない確率の偶然性があると思えるんです。

何かの意志があるんじゃないだろうかとさえ思えてしまいます。
ただ、そこでは進化を説明する根拠が不明瞭なので
あくまで「不思議すぎて分からないけれども、事実として存在する」
ということを認めるのが僕のスタンスです。

とにかく凄い。
なぜ、こんな生き物が存在できるのか。
驚きです。

その偶然性は、世の中で語られる心霊体験や超常現象、
神秘体験やスピリチュアルな世界などの
人間に関わる体験よりも遥かに不思議なものだと思います。

それが目で見て確認できるものとして存在してしまっているから
不思議さを感じにくいのかもしれませんが、
その確率を考えたら、とてつもない大自然の神秘だと感じるはずです。

同様な意味合いでいえば、人間が人間として活動できていることもまた
素晴らしく神秘的なことじゃないでしょうか。

目に見えない不思議のほうが、より不思議そうに感じられるのかもしれませんが、
目に見える不思議というのも、世の中には沢山あるように思います。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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