2009年09月08日

質問者の責任

質問をするときには状況によって様々な目的があるものです。

ただ日常会話で話を広げるだけのときであれば、
相手から答えが返ってきて話が広がりさえすれば目的にかなうでしょう。

相手と仲良くなりたいのであれば、相手が話したいことを話せるように
相手に合わせて質問で広げていくことも大切かもしれません。

なかには、質問によって特定の情報を相手から引き出したいときがあります。
相手を理解し、情報を整理するような場合でしょうか。

そのような目的の違いで、質問の言葉の選び方が変わってくるはずなんです。


NLPのセミナーでワークをやるときにも、コーチングやカウンセリングの場面でも、
質問の組み立て方には言葉を選ぶ必要があると思います。

少なくとも、質問の結果として得たい答えは意識している必要がある。

意図的に曖昧な言い回し、どのようにでも受け取れるような表現で質問をして
相手がどんな答えでも話せるようにする方法を選ぶときもあります。

それは相手本人が気づき、相手の中で情報整理を進めていく場合です。
相手の中で進行中のプロセスを言葉のレベルで確認していく意味もあります。

それに対して、自分が相手から情報を引き出したいときもあります。
こちらが相手のことを把握したいときです。

カウンセリングの初期には、相手が困っていることを把握するために
情報を教えてもらうこともあります。

これは自分のための質問なんです。

コーチングで目標を話してもらえるように質問するのとは違います。
コーチングの場合には、相手のための質問になります。
どんな答えの形で返ってきても、クライアント自身が目標に向かって進めればいい。

カウンセリングの場合には、その後の処方を決めたり、
取り組みの方向性そのものを決定していくために
クライアントの考えを確認していくプロセスが必要になるケースが多いんです。

そのときには、質問をする側に教えてもらいたいことがあるわけです。
その聞きたいことが答えとして返ってくるように、質問を工夫する必要があります。

自分が情報として相手から引き出したいことがある。
答えの形として期待しているものがある。
にも関わらず、質問をした結果として、期待した形で返答が得られなければ、
それは質問の言葉の選び方が悪いんです。

質問の仕方を変える必要があります。

自分がその答えを得るためには、その質問の仕方で大丈夫であっても、
相手が同じ質問をして、同じような形式の答えをするとは限りません。
他の人に上手くいった質問の言葉でも、
別の人から同じ形の答えを引き出せるとは限らないんです。

相手から意図したとおりの答えの形が得られなかったとき、
それは質問者の言葉選びの責任です。
質問を相手に理解してもらえていないんですから、工夫が足りないわけです。

意図した形で返答が得られなければ、
別の質問に変える工夫をする努力が求められると思います。

自分が知りたい情報を相手が答えやすいように質問を工夫していく。
それが質問者の技量じゃないかと思うんです。

自分に知りたいことがあって、それを相手から教えてもらうのは
他でもない自分自身なわけですから。

「主役は相手」、「相手から引き出す」などの発想は大切だと思いますが、
それによって自分の関わり方が相手のためのものだと誤解してしまってはいけません。

相手のために努力をするのは、それが自分の責任だからです。
自分が相手に質問するのは、自分の責任を全うするための場合もあるんです。
そのときには、質問は相手のためでなく、自分のためのものになるはずです。

質問の目的と、誰のための質問かを自覚しておくことが重要だと思います。

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
おしらせ
 ◆ セミナー情報 

New!

《コミュニケーション講座》
 〜人を育てる指導力〜

【日時】 
  2019年6月16日(日)
   10:00〜16:30


【場所】 
  北とぴあ 601会議室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《瞑想講座》

【日時】 
  2019年6月22日(土)

  午後の部 13:30〜16:30
  夜間の部 18:00〜21:00

【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《怒りの取り扱いマニュアル》
 〜期待の手放し方と
  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
   10:00〜18:30


【場所】 
  滝野川会館

   JR上中里駅より7分
   JR駒込駅より10分
   南北線西ヶ原駅より7分

詳細はこちら>>
次回未定


 ◆ 過去の講座 

《新カウンセリング講座》
 〜まとめと実践〜


当時の内容はこちら>>


《勉強会》 

【テーマ】 変化の流れを考える

当時の内容はこちら>>
次回は未定



 ◆ お問い合わせ 
  技術向上、
  コンサルティング、
  スーパーバイズ、
  執筆・講演…

  諸々のお問い合わせはこちらへ>>



ホームページ
バナー1


プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
Archives
最近のコメント
QRコード
QRコード