2009年09月12日

『ウォッチメン』

「ウォッチメン」見ました。

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素直に面白かったです。
飽きることなく最後まで楽しめました。

1980年代のアメリカ、冷戦時代の状況のためにヒーローたちが事件に巻き込まれていく。

事件の展開や、ヒーローたちのドラマもさることながら、
いわゆるアメコミのヒーローのパロディのような登場人物が"粋"です。

物語の展開や、全体を通じてのメッセージ性は真面目に入り込んでいけるものなのに、
全編の中に溢れているパロディやユーモアがまた心に訴えかけます。

「人間」や「人生」というものの性質に対するユーモアの位置づけが
この「ウォッチメン」の話の中の重要なメッセージでもあるようです。


で、僕は別に、この映画の評論をしたいわけではなく、
1人の登場人物に思うところがあったので、こうして話題に挙げているんです。

その人物は物語の中心人物となるヒーロー「Mr.マンハッタン」。
他のヒーローたちとは一線を画す人物。

ウォッチメンの世界でヒーローと呼ばれる人物たちは、
他のヒーローものの映画に出てくるような特殊な設定がないようで、
理由はよくわからないんですが、メチャクチャ強い人間という様子でした。

バットマンのような設定のヒーローが何人か出ているようです。
実際、露骨にバットマンを模倣したようなヒーローもいます。

そんな中、一人だけ超人的なヒーローがいるんです。
それがMr.マンハッタン。

全身が青い。
ボヤっと光っています。
不死身です。
年をとりません。
巨大化したり、壁を通り抜けたり、分身したり、宇宙空間でも平気だったり、
未来が分かったり、瞬間移動したり、触らずに物を動かしたり…。
もう、何でもアリなんです。

冷戦でソ連がアメリカに攻撃を仕掛けないのは、
Mr.マンハッタンがミサイルを全部、念力で破壊してくれるから、という話までありました。

Mr.マンハッタンが、そのような超人的な能力を身につける理由は
物語中で説明されているんですが、そのような人間離れした存在になったことで、
彼は内面的にも人間的でなくなっているところが興味深く感じます。

それもそうでしょう。

未来が分かり、年を取らず、瞬間移動ができる。
人間の制約を超えているわけです。
物質としての存在ではないみたいです。

宇宙の全てを悟っていて、宇宙規模で思考がなされる。
まるで神話に登場する神々のよう。

まぁ、とにかく凄い。

老いることも、死ぬこともなく、宇宙の全てを実感として理解している。
自分の体を含めて、全ての物質を自由に操作することができる。
量子力学の世界を自分自身で体現している存在。

ただ、そうなったとき、その人は何を感じるのでしょうか。
それは幸せなことなんでしょうか。
幸せすらも超越しているように見えました。

Mr.マンハッタンは、他の人間の目に見えて、彼と話すことができて、
彼自身には思考や感情の中心となる意識があって、
他人とコミュニケーションをとることができる。

でも、Mr.マンハッタンは生きていると言えるのか分かりません。
体なんて自分の意志で何とでも作れるんです。
命という制約からも外れてしまっているようです。

僕は単純に、その状態を良いものと感じませんでした。
むしろ限りある命ということのほうが、素晴らしいものに思えました。

生きているからこそ感じられるものがある。

悟って、仙人になって、何百年も山の上にいるよりも、
人との関わりの中で限りある時間を過ごしたほうがいい。

なんだか、そんなことを考えさせられました。

cozyharada at 02:04│Comments(0)TrackBack(0)clip!NLP | 全般

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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