2009年11月13日

音源の場所

最近は色々と無料ダウンロードの音声ファイルなどが手に入るので
たまにそういうのを聞くことがあります。

先日、移動中に音声を聞こうとしてMP3プレイヤーに入れて持って行きました。
で、イヤホンを使って聞いてみたんです。

すると話し声が耳元で聞こえます。
頭の上というか、後頭部あたりというか、
頭の中心よりも後ろ側から聞こえる感じがします。

すると全然、内容が頭に入ってきません。

同じ人の話を実際に聞いたこともありますし、
同じく音声をCD教材で聞いたこともあります。
そのときは内容が入ってくる。

なのに、イヤホンで聞くと途端に理解力が落ちる感じがします。

なんというか、自分で頑張って音の聞き方を工夫しないと
それを理解に繋げられない印象があったんです。
まぁ、しばらく聞いているうちに慣れてきましたが。


おそらく、僕は人の話を聞いて理解するときには
自分の前側から声が聞こえてくる状態でインプットしているんだと思います。

そして、そうやって前から音を受け取って、
話の内容も自分の頭の外で組み立てる感じがあります。

体の中に入れて感じるというよりも、目の前に話を組み立てていく印象。
イメージや概念の組み合わせを顔の前に作り上げていくような方法です。

なので、聞いた話というのは自分と違うものとして
客観的に組み上げられていく感覚があるんです。

ただし、僕の顔の前には多分、いつもそういう概念の組み合わせのような構造があって、
それが僕の理解している客観的な情報体系になっているようです。

話を聞くときは、相手の言葉の内容を、僕の顔の前にある情報の体系と重ね合わせて
元あった情報の体系をリニューアルする形で内容が整理されていきます。

そのときに聞いている内容に矛盾があったり、
僕が作ってきた情報の体系に取り込もうとした時に繋がらない部分があると
話の内容と議論するような声が内側から沸きあがるような気がしています。

そういう話の聞き方をして、目の前に客観的な情報理解の体系を作るので
話が聞こえてくる場所というのは、その情報体系を描く場所よりも奥のほう、
前側にあるのが便利なんだと思います。

声の聞こえてくる場所と、自分の顔との間に、理解した内容を浮かべる場所がある。
そんな感じです。


一方、自分の体の中で体験して感じている内容も言葉にするときはあって、
その場合には目線を下げて、胸の中心か胃のあたりを眺めるような状態になり
ノドの奥のあたりでお腹に向かって独り言をつぶやくような心の声が聞こえます。

このノドの下あたりから腹部に向かって、体の中を通すような声を聞くやり方が
僕にとっての主観的な想いを言語化するときなんでしょう。

イヤホンを使って、耳元で声を聞く場合は、若干この印象に近いようです。

実際にイヤホンで聞くときは、後頭部から口のほうへ向かって
声が通っていく印象がありますが、声のトーンによっては
もっと低いところを通ることがあります。

なので、催眠的な声で語られる内容は、イヤホンのほうが体に染み込む感じはします。
イヤホンを使って、お腹に響くような声でメッセージを聞くと
なんだか自分を納得させられているような気分を感じます。

後ろから押さえつけられる感じというか、押し込まれる感じというか、
とにかく必要以上の説得力や受け入れやすさを感じてしまうんです。

この印象が僕だけのものかは分かりませんが、
他にも同じような聞き方をする人はいるだろうと推測されますから
その点では目的に応じて音の聞き方を変えるというのも役に立つ方法でしょう。


僕は本を読むときにも、目の前から心の声として本の内容を聞いていますので、
本を読むという行為は、他の人の話を聞いているときと近いわけです。

こういう理解の仕方をする人は、きっと音声教材をイヤホンで聞くのが
あまり好きではないような気がします。
むしろ自分で、その内容を文章から読んだほうが内容を理解しやすい。

逆に、相手の話を聞くときにも、文字で書かれた内容を理解するときにも、
自分の体の中に声を通して、自分が発話するようにして納得していくタイプの人は
きっと本を読むよりも朗読してもらったのを聞くほうが効率が良いのではないでしょうか。

人それぞれ、文章の内容の理解の仕方があって、
その方法に近い形で情報を客観的にインプットできると
きっと効率的な理解の仕方が可能になると思います。

同じ内容を色々なパターンに合わせて表現して作れたら
多くの人に伝わりやすいものになるかもしれません。
まぁ、技術的にも労力的にも大変でしょうが。


ちなみに、音を聞くという意味で言うと、音楽を聴くときも同様だと思われます。

目の前に置いたスピーカーから聞こえてる音楽と
イヤホンやヘッドホンで聞く音楽とでは随分と印象が違う気がします。

僕は特に、音楽を見るように聞く癖があったので
スピーカーのほうに向いて音楽を聞いていました。
それをイヤホンやヘッドホンにするだけで、かなり体に響く感じになります。

確かに、以前からイヤホンで聞くほうが気持ちが入りやすかったんですが、
それは音の聞こえてくる場所の影響もあったんだろうと思います。

音楽の場合には、体の後ろ側から聞くというケースもあります。
楽器演奏を後ろ側に置いて歌うようなライブを行う人たちは
背中側から音楽の響きを受けることになります。

BGMを後ろ側から聞く状態というのは、かなり体に響きやすく
その音楽の中に包み込まれて入り込みやすい状態だと考えられます。

コンサートやライブで歌手がノリノリになるのには
あのバックバンドの存在の意味もあるように思います。

合唱の人たちが数列に並ぶのも、一体感とともに
全員の声に体が包まれるようにして歌を聞けることで
その歌の中に入り込みやすい効果がありそうです。

後ろからの声というのは、それ自体が力づけの印象を与えるのかもしれません。

こういう調査を実生活に利用できる形にしてみたいものです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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