2010年02月23日

3月の勉強会

3月の勉強会のお知らせ

NLPの中に「メタモデル」と呼ばれる言語パターンがあります。

リチャード・バンドラーとジョン・グリンダーが
二人の心理療法家(フリッツ・パールズ、ヴァージニア・サティア)の
会話のパターンを分析して、モデルにしたものと説明されます。

NLPが、まだ「NLP」と呼ばれる前の時期に、一番最初に取りかかられた部分。

現在のNLPの中でも、1つのスキルとして紹介されます。
効果的な質問の技術として取り上げられることもあるようです。

この「メタモデル」という表現は、「言語におけるメタレベルの構造」
のようなニュアンスを含んでいるらしく、
質問のパターンそのもののことを「メタモデル」と呼ぶのではなく、
質問の対象となる相手の発言内容の中の言葉の構造のことを
「メタモデル」と呼ぶほうが正確なはずです。

相手の発言内容を「メタモデル」に当てはめて解釈をすると
それに対して効果的な質問の仕方が選べるようになる、ということでしょう。


ところが、現状のNLPでは「メタモデルの質問」パターンばかりが説明されます。
相手の発言のパターンに合わせて、決まった型の質問をする、と。

NLPは基本的に、その応用技術を利用する場面設定をしていません。
どんな場面でも説明できる理論だと考えれば、場面を選ばないのは当然でしょう。

目的に応じて使い分ければ、どんな状況でも役には立つ。
仮に役に立たない場面があったら、別の方法を試せばいい。
…役に立つかどうか、という実用的な視点もあるようです。

同様に、この「メタモデル」の質問パターンも、使ってみて
役に立つかどうかを判断していけばいいわけです。

相手の話の文脈には関係なく、とにかく質問パターンに当てはまる発言内容が出たら
それに対して決まった型の質問を投げかけてみる、と。

話の流れを無視しているわけですから、変なことになる場合もあります。
「あなたは、もう私のことを愛していないのね…」
−「どのようにして愛していないことが分かるんだい?」

メタモデルの質問パターンに当てはまってはいても、
上手くいく状況と、そうでない状況はあると思います。

1つのスタンスは、自分なりに使ってみて、
上手くいく状況を自分で見つければ良いというものでしょう。

現実的には、そう説明するのが妥当かもしれません。


ですが、「メタモデル」というものが生まれたときの前提から考えれば、
そこには「二人の心理療法家の言葉づかいを体系化する」という目的があったはずです。

どんな状況でも使ってみて上手くいくものを探していけばいい、というのでは
表面的な質問のパターンは学べていても、彼らの質問の技術そのものは
十分には学べていないとも考えられます。

優れた心理療法家が、
どんな話の流れの中で、何を目的にして、何を考えて、どんな質問をしていたのか
までをモデル化したかったのが本当のところではないでしょうか。

それがNLPの初期の段階だったからか、取り急ぎの成果を求めた発表だったのか、
グリンダーが言語学者だったことで生まれた視点が関わっているのか、
理由は定かではありませんが、二人の質問技術が完全に体系化できているかといえば
そうではないような気がします。

リチャード・バンドラーは天才的に模倣をしたと言われているので、
僕の推測では、バンドラーは、状況に応じた質問の方法までも
自らの中に体系化して取り入れることができていたのではないかと思います。
それを記録に残す方法が不足していただけで。

残念ながら、今となってはメタモデルの元になったコミュニケーションの内容を
実際に分析しなおす作業は難しいでしょう。


また、「メタモデル」を質問パターンのように捉えるやり方では
NLPの理論体系の中での位置づけが上手く整理できないところも感じられます。

それも当然のことでしょう。
NLPの他の発想が生まれる前の段階で体系化された言葉のパターンですから。

ただ正確には、「メタモデル」は質問パターンではなく、
相手の発言内容の構造モデルのことを指し示すわけなので、
その言語の構造という部分に着目して整理をしていく中で
NLPの他の説明と結びつけることは可能だろうと考えます。

そこで、今回の勉強会では「メタモデル」を
・まず構造的に説明する(これまでの分類と違う可能性があります)
・その構造を用いて、状況に合わせた質問の選び方を説明する
・目的に応じて質問を選ぶトレーニングをする
というような内容を扱いたいと思います。

目的別という部分に関しては、僕がこれまでに見てきた心理療法家や
相談援助面接の実践者たちの質問の仕方と、
僕自身が「メタモデル」を意識して使ってみた中で効果のあったパターンと、
僕自身がコミュニケーション中にしていることとを、分析してお伝えする形になります。

今回の内容で提案する「メタモデルの構造」を理解していただくと
やみくもに質問をするのではなく、意図を持って質問できるように
なっていくはずだと考えています。


NLPを一通り体験した人であっても、
「メタモデル」の部分は分かりにくい、というのが
正直な感想ではないかと思います。

それが少しでも整理されたようになれば何よりです。

年度末のお忙しい時期かもしれませんが、
ご興味とご都合がつく方は、是非お越しください。

なお、NLPの資格取得コースでは、するわけにいかない説明の仕方になります。
そのことを前提としてご理解くださいますようお願いします。

もちろん、NLPのことを知らない方のご参加も歓迎いたします。


  ※最近は多くの方からお申し込みを頂いています。
   定員を設けていますので、ご注意ください。
   定員を超える場合には先着順での受付とさせて頂きますのでご了承下さい。


  ※勉強会の趣旨に関しましては、こちら(勉強会070725)をご覧下さい。


詳細は以下のとおりです。




【勉強会の詳細】


【日時】 3月22日(月・祝)

     ◆午前の部 10:00〜12:30  
     ◆午後の部 13:30〜16:30


     ★午前のみのご参加も可能です。
      「午前」あるいは「両方」でお申し込み下さい。



【場所】 北とぴあ 802会議室
    (JR京浜東北線・王子駅 北口より徒歩2分)
    (東京メトロ南北線・王子駅 5番出口直結)


【参加費】当日、会場にてお支払いください。
     
     ◆午前の部 ・・・4,000円 
     ◆午前・午後の両方 ・・・7,000円

    
    
テーマ: 『言語のメタモデル』〜言葉の構造と目的別の質問法〜


 *多くの方にご興味を抱いて頂けるようになってきましたので、
  学びの密度を考えて、一定数で募集を打ち切らせていただくことがあります。
  ご了承ください。




質問には命令的な側面が必ず含まれます。

一人が複数の徴収に対して投げかける問いかけの場合を除き、一対一の対話であれば、
質問された側は、それに答えるという暗黙の了解が生まれます。

質問されるというのは少なからずプレッシャーであり、
負荷がかかっているということです。

コーチングやNLPをかじったときに、やたらと質問をすることを覚えてしまうのは、
質問が持つこの強制力を意識できていない部分で危険性があると思います。
…その対極に、ただ話を聞き続ける傾聴への偏重があるわけですが。

質問をするのも、相手の話を積極的に聞くことに専念するのも、
どちらも1つの技術だということを自覚するのが大切ではないでしょうか。

相手の特徴によって、相手の状態によって、相手の置かれている状況によって、
どの技術が有効に作用するかは異なってくるはずです。

自分がやろうとしているコミュニケーションの方法に
どのような効果があり、どのようなリスクを秘めているかを知っておくことは
とても重要なことだと思います。

それは風邪を引いたときに薬を飲むことに似ている気がします。

風邪を引いたら、いつもの風邪薬と栄養ドリンクを飲むという方法で
全てを乗り切ってしまう人もいます。

その一方で、薬には必ず副作用の可能性があるのも事実。
医師や薬剤師であれば、その危険性を意識しながら、
目的に合わせた投薬をしていくことになるでしょう。

ネギを鼻に入れる方法しか知らなかった人にとっては
風邪薬を飲むという方法だけを知ることにも重要な意味があるかもしれません。

しかし、人によっては、専門家でなくても、
様々な風邪薬の効き目と副作用を知った上で薬を飲むことを選択するのが
求められる場合もあるかもしれません。

質問の効果と目的意識。
そのあたりをテーマとして取り組む機会になればと思います。

参加をご希望される方はこちらのフォームに入力してください。
(*は必須項目です)


終了しました

トレーニングには色々あります。
無意識にアプローチする手法であれば、一度の取り組みで効果が出る場合も多々あります。
一方、話術や聞く技術のように、地道なトレーニングによって効果を発揮するものもあります。
この勉強会では地道なトレーニングが主体と考えていただいて良いかもしれません。


是非、お互いの頭を上手く利用し合いましょう。

今後、参加者のご様子を伺いながら、徐々にクローズドな会合にしていく方針です。
ご興味がおありの方は、お早めに一度ご参加下さいますことをお勧めいたします。


また、お気軽にお友達やお知り合いをお誘いいただけると喜ばしいです。
学びの幅が広がるとともに、勉強会が新たな学びの機会となっていただけることを
心から願っているためです。


【その他のご連絡事項】
ご自分の学びのアウトプットとして、勉強会で発表したいことがある方は
申し込みフォームの「ご意見など」の欄にご記入ください。
お時間などの相談をさせていただきます。


勉強会の最中には、質問をお気軽にドンドンして下さい。
話題を遮っていただいて構いません。

その時によって、どんな情報が関連して出てくるかは分かりません。
質問に答える側としても、その時間は非常に有意義なものです。

また、テーマに関して事前にご関心の強い点がありましたら
申し込みフォームの「ご意見など」の欄にご記入ください。

調査して勉強会にあたります。



それでは当日お会いできることを楽しみにしています

cozyharada at 01:09│Comments(0)TrackBack(0)clip!セミナー情報 | NLP

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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