2010年03月31日

パコ

映画「パコと魔法の絵本」がテレビで放送されていました。

笑いタップリの一方で感動的な映画なので、何度見ても涙が出てきます。
とくに頑固で横暴な主人公「大貫」が心を開いていくプロセスは感動を誘います。

ストーリーや場面描写への感情移入で涙が出てくるのは良くあるものですし、
「パコと魔法の絵本」に関してもストーリー展開が心を動かすのは大きいです。

ただ、そうした感動の生み出し方は、感情移入の程度によるところがあって
何度も見ているうちに先の展開が予測されてきて感動が薄まることもあります。

瞬間に入り込めるタイプは何度見ても同じ場面で感動できるでしょうが、
僕は同時に多くのことを処理しながら映画を見てしまうタイプなので
感動的な場面を見ていれば、「前に、この場面で泣いたなぁ」とか
「最初にこの映画を見たのは10年前だなぁ」とか思い出しながら
ストーリーへの感情移入も同時にしている状態になります。

なので、何度も見るほど好きな映画だと、
余計に最初の感動は薄れていくという残念な部分もあるわけです。

ところが、この「パコの魔法の絵本」に関しては、事情が少し違います。
回数を重ねて見ても、同じように感動できる。
むしろストーリーを先取りするように気持ちが高ぶってきたり、
ストーリーとしては感動を演出するシーンではなくても感動が沸いてきたりするんです。

これには、映像の色合いの豊富さとそのパターンの特殊性
そして音楽の使い方といった、ストーリーを彩るための背景の情報が
独特なことが関係していると考えられます。

いわゆるアンカーが沢山作られやすいんでしょう。

画面に映し出される色合いという視覚情報が刺激になって
そのような場面を見たときに感じていた感動の体感覚が引き出される。

そのせいで、感動を先取りするように感情が引き出されていると思います。


もう、2年近く前の映画になるようです。
映画の中で中心的な役だった「パコ」を演じていた女の子は
今、花王の「エッセンシャル」などのCMに出ていますが、
随分と大きくなっているのが分かります。

他の出演者を、別の場面で見ても変化を意識することは少ないですから
「パコ」役の「アヤカ・ウィルソン」の年齢だから、時間の流れを意識させるのでしょう。

時間の流れは主観的なものだというのを改めて思ったりしました。

この映画の登場人物や配役の中で個人的に好きなのは、医者役の「上川隆也」氏。
表現力の豊かな役者っぷりを見せてくれるように感じました。

普段はオチャラケている医者が、時折見せる真剣な様子。
こういうところに深みを感じるのが僕の特徴のようです。
「キン肉マン」に通じる部分ですね。

舞台は病院。
風変わりな入院患者ばかりが集まり、医者も看護師も一風変わった病院です。

横暴な主人公「大貫」が「パコ」の症状のことを初めて知って
医者に尋ねにいくシーンがカッコイイ。

「大貫」は、一人で裸一貫から会社を立ち上げて、
全て自分の力で会社を大きくした人物。
頑固でワガママで、誰にも負けないようにと必死で頑張ってきた人です。

その彼が、「パコ」の症状や置かれている環境のことを知り、
他人のために心を痛めることを感じた場面。

強くなければ、やってこれなかった。
そんな「大貫」が、医者に「パコ」のことを質問するんです。
そして「自分は弱くなってしまったんだろうか…?」と、つぶやく。

そこへ、その上川隆也演じる医者が一言いうんです。
「弱くちゃいけませんか?」

これをサラッと言うのがカッコイイ。

NLPで言えば、メタモデルの中の
「価値判断者の削除」に対する質問に当てはまるでしょう。

この質問の裏側には、教育的なリフレーミングの意図が感じられます。

相手は大企業の会長を務める大富豪。
そして頑固で横暴でワガママで、人を痛めつけることばかりする人物です。
病院にいる人たちの中には、彼を徹底的に嫌う人や、逆に媚びを売る人がほとんど。

その中で、その医者だけは「大貫」を一人の患者として扱います。
他と変わらない。

銃で撃たれて入院してきたヤクザに対しても
消防車にひかれて入院してきた消防士に対しても
誰に対しても一人の患者として接していく姿勢が崩れません。

医者としての立場になったとき、安定感が表れるんです。

そして、患者を個人として尊重しながら関わり、
医者という立場から患者に対して積極的な介入さえしていきます。

「大貫」に対しては、その介入が
「強くなければいけない」という信念に対する質問だった。

本人の自主性という意味で言えば、積極的に入り過ぎているようにも見えます。
が、医者として教育的な立場を選択した上では、
それも覚悟の上での関わりなのかもしれません。

他人の人生に積極的に関わることを選んだ人物の想いが垣間見れるシーンだと感じます。

実際、映画の中では、そのあとに「大貫」が心を開いていく様子が展開していきます。
ストーリー上の華やかさはないものの、重要な転換点にあたる名シーンだと思います。


そんなことを思い出しても気持ちが蘇ってくるほど
僕にとっては、心を打たれる映画です。
かなりオススメ。

そして、こうして振り返ってみると、
なぜ自分が心惹かれるのかも納得できた気がしました。

cozyharada at 12:44│Comments(0)TrackBack(0)clip!全般 | NLP

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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