2010年09月21日

問題の長さ

カウンセリングやセラピーをする立場であっても
悩みや問題を抱えている本人であっても、多くの場合
その内容を短期的に捉える傾向があるように見受けられます。

極端なことを言えば、放っておくだけで、勝手に時期が来れば問題がなくなるものです。

職場の悩みといったって、いつまでもその場所にいるとは限らないし、
少なくとも、その会社と関わっている時間だって終りが来るわけです。

人間関係の悩みも、似たような部分があります。
環境が変わって苦手な人と合わなくなるなんて普通のことです。

人生に魅力を感じられていない人が、何かの趣味を見つけたり、
誰かとの出会ったりすることによって、途端に気持ちが上向いてくることがある。

なんとなく自分の道が分からなくて迷っているとか、
自分の将来のことを考えて不安になるとか、
人生における重要なテーマと関わるような問題ほど
短期的に解決しようとする必要すらないものかもしれません。

いつか気づく時がくるかもしれないし、
今はそのテーマについて悩んでいること自体が重要な時期かもしれない。

悩みや問題を感じられていることは大切なことだと思うんです。

なので、それを短期的に解決することが全てではないでしょう。

環境に不満があって、どうすることもできずに苦しんでいるなら、
上手にストレスをケアする方法を身につけて、日々を乗り越え
問題がなくなる時期まで待つという選択だってあるんです。

カウンセラーやセラピストは、
何をどこまで解決すればクライアント本人の人生全体にとって望ましいか
までを考えられるほうが望ましいような気がします。

もちろん、それは勝手な推測を含む『おせっかい』の範疇ではありますが。
それでも「なんでもかんでも、深い問題を早く解決してやろう」という種類の
『おせっかい』よりは、遥かに役立つ『おせっかい』だと思います。


問題や悩みの多くは、本人の置かれている状況や環境に関係します。
どんなに抽象的な問題、たとえば「私は良い親でいられない」のようなものでも、
それを強く感じる場面があるはずなので、その意味では状況や環境に依存するわけです。

時間が経てば、状況や環境は変わっていきます。
そうすると表面的な悩みが変わっていくことになります。

表面的な悩みが形を変えても、多くの場面で共通して関係してくる
問題を作り出してしまう自分の行動パターンや思考パターンがあれば、
それを変えるような取り組みをすることが役立ちます。

今の目先の問題を解決するのに役立つ行動パターン・思考パターンを扱うのではなく、
長期的に見て、ずっと関わっていきそうなものを優先的に扱う。
すると、その努力が後まで実を結びやすいと考えられます。


問題と関わっている状況が改善されて、自分にとって心地よくなるように取り組む。
それも1つの方法です。
それを目的にするなら、手段は色々と考えられるものです。

その状況を改善するために、自分の癖になっているパターンを変えるとしたら
それは長期的に見たときに役立つ可能性が広がります。
ただ、それを変えたからと言って、目の前の問題が改善されるとは限りません。

問題を生み出している自分の癖やパターンを変えていく方法は
短期的な問題解決のためだけのものではないんです。

それは自分の中にある課題に気づき、その課題をクリアすることで自分自身の幅を広げ、
未来に起きるかもしれない様々な場面に対処できる力をつけるための
『トレーニング』でもあるんです。

ですから、そういう自分の振る舞いのパターンを変えるようなトレーニングをすると
半年とか一年とか経ったあたりで、効果が感じられて来たりするのでしょう。

そして、自分の中の課題をクリアしていこうという発想は
状況と結び付いた問題や悩みを解決したいという発想とは別物です。
そのことを意識しておくことは重要だと思います。

今、目下の状況で困っているのであれば、将来的なことを考えて課題に取り組むよりも、
短期的に目の前の問題に対して楽になれるように工夫をするほうが良いかもしれません。

それを決めるのはクライアントです。

クライアント本人が現状に凄く困って相談に来ているのだとしたら
短期的に状況を変えるような取り組みの工夫を考慮する必要があるでしょう。

逆に、その問題を通じて、自分の未来を含んだ人生全般に対して
なんとなくの課題意識を感じているような場合には、
目先の問題を扱うよりも、自分自身の内的な課題をクリアするよう
トレーニングを考えていく必要が出てきます。

内的課題を重視する場合には、短期的な解決を目指す必要さえない場合もあるはずです。

なので、
「自分がクライアントの問題をどのように捉えているか」
「クライアントは問題の中の何を重要視しているのか」
「自分がその問題に、どのような手段で取り組もうとしているか」
といった要素を
バランスよく配慮していくことが求められると思います。

短期的な問題状況の解決をクライアントが求めているのに
カウンセラー側が、内的課題をクリアするための方法しか使えなかったり。

逆に、内的課題の取り組みを意識しているクライアントに対して
短期的な問題状況の改善を話し合ったり。

求めていることとは違ってしまうわけです。

いずれにおいても、『安定感』、『自信』、『柔軟性』を育むことは
人生全般に役立つことが多いので、そこを逃さなければ危険は小さいでしょうが、
「何が求められていて」「何が役立つのか」を区別して取り組めるのと
そうでないのでは効果には大きな違いがあると思います。

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
おしらせ
 ◆ セミナー情報 

New!

《コミュニケーション講座》
 〜人を育てる指導力〜

【日時】 
  2019年6月16日(日)
   10:00〜16:30


【場所】 
  北とぴあ 601会議室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《瞑想講座》

【日時】 
  2019年6月22日(土)

  午後の部 13:30〜16:30
  夜間の部 18:00〜21:00

【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《怒りの取り扱いマニュアル》
 〜期待の手放し方と
  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
   10:00〜18:30


【場所】 
  滝野川会館

   JR上中里駅より7分
   JR駒込駅より10分
   南北線西ヶ原駅より7分

詳細はこちら>>
次回未定


 ◆ 過去の講座 

《新カウンセリング講座》
 〜まとめと実践〜


当時の内容はこちら>>


《勉強会》 

【テーマ】 変化の流れを考える

当時の内容はこちら>>
次回は未定



 ◆ お問い合わせ 
  技術向上、
  コンサルティング、
  スーパーバイズ、
  執筆・講演…

  諸々のお問い合わせはこちらへ>>



ホームページ
バナー1


プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
Archives
最近のコメント
QRコード
QRコード