2010年09月28日

英語の解説書

個人的な意見としてNLPはもっと、積極的に言語の分野に乗り出すべきだと思っています。
いままでの言語学的な説明とは違う理論が作れるはずです。

そして、その理論は、実際に母国語として言語を運用している人たちが
どのように頭を使って、何を感じながら話しているかを説明できるものになる。

一般的な共通認識として使われているものもあるからこそ
言語でコミュニケーションができるわけですが、
同時に、言語に含まれる個人差の部分まで説明できる理論になるでしょう。

NLPで言語を説明した辞書ができると、なかなか面白いと思います。

ここでいう「NLP的に」とは、ミルトンモデルとか言語パターンとか
そういった言葉遣いに近いものや、初期のメタモデルの解説のような
言語学的な説明とも違います。

むしろ、価値観や時間がサブモダリティで説明できることを見出してきていた時期のように
全ての言語活動をサブモダリティで説明しようという方向です。


実際、英語研究者の中には、それに近い発想を持っている人もいるようです。
色々と本を見ているとサブモダリティやネイティブの感覚をベースに
英語の言語的特徴を説明しているものが見受けられます。

僕が読んでいて最もNLP的だと感じるのは
東洋学園大学の大西泰斗教授。

NHKでも番組を担当していましたし、身体感覚やイメージ、擬音語・擬態語など
サブモダリティの違いに敏感な方のようです。

堅苦しくなく読みやすい本が多いですが、どれも納得感の高いものばかりです。

ネイティブの感覚を構成要素に分解して説明する形式なので
理解したり整理したりするのには都合が良いように感じますが、
トレーニング法は別途必要な気がしています。

なぜならネイティブは、その運用感覚を身につけるまでに
膨大な実体験を繰り返してきているからです。

例えば、日本人でも「根本的」と「抜本的」では似ているものの
使いどころやニュアンスが違うことを自覚するようになって、
適切な文脈を判断するように訓練されていくわけですが、それも体験によるものが中心です。

ネイティブは、ある言葉や言い回しが良く使われる文脈を
経験的に積んできているから、使いこなせると考えられます。

なので、使えるためには状況と結び付ける必要がある。
そのトレーニング法を開発できると外国語習得は劇的に速まると思います。

ちなみに、今、僕が効果的じゃないかと予測しているのは
1つの文脈に対して表現したい内容を複数の文章で表現するトレーニングです。
単語レベルでの工夫もそうですが、文の構造から変えられるぐらい
様々なバリエーションが出るようになっていると、咄嗟の瞬発力が上がるだろう、と。

あとは、近いニュアンスの言葉(同義語)などの使い分けを
文脈とセットにして練習するということでしょうか。

そして、英語と日本語の大きな違いは、そもそも言語的に描写する内容にあるようですから、
言語化する上での着眼点の差を明確にするのが大事な気がしています。

日本人が「私は昨日、カレーを食べました」という感覚と
アメリカ人が「 I ate curry yesterday.」の感覚は違うだろう、と。

多分、日本人の感覚に近いのは「 be 」と「 have 」でしょう。
「 I had curry yesterday.」のほうが日本語のニュアンスに近そうな印象があります。

それは時間的な長さの違いです。
英語の動詞は、動作を躍動的に捉えていて、短い時間の感覚に繊細です。

例えば、中学校で習う「不定詞」と「動名詞」の違いは
このあたりの短い時間感覚の捉え方を繊細に表現していると感じられます。

不定詞( to 〜)は、「〜すること」ですが
この場合にセットで使われるメインの動詞( want とか try とか)が表わす瞬間において
不定詞に含まれる内容は「まだ起きていない」んです。

「 I want to eat curry.」であれば、まだカレーを食べていない。
だから食べたいんです。
そこには「 to 」が持つ「方向を指し示す」感覚も関係しているのでしょう。

自分目線で「 to 」が指し示す内容の方向を向いている。
ちょっと先にあるんです。
だから「まだ起きていない」のが一般的。

「 I try to open the door. 」だと、ドアを「開けよう」としているんです。
まだ開くか、開かないかは分かりません。
まだ開いていないんです。

「 I tried to open the door. 」だと、過去の時点で「開けようとした」んです。
ということは、「けど開かなかった」雰囲気が推測される。

一方、動名詞「〜ing 」の場合は、もっと躍動感があって
動作の最中が表現される様子があります。

中学校で「 stop 」の後は不定詞じゃなくて動名詞、と習ったのは
「 stop 」=止める内容は、その動作が進行している必要があるから、と解釈できます。

「 stop eating 」は、食べているのを止めるんです。
「 stop to eat 」は、食べる前に止めることになってしまうので一般的でない。
だから「何かを食べるために一時的に立ち止まった」と解釈されるほうが普通、と。

「 keep 」も「〜ing 」ですが、続けるためには、既に動作が進行している必要があります。
「 keep eating 」なのは、既に食べている必要があるからです。

「 I try opening the door.」は、「試しにドアを開けてみる」に近い。
開けようとしている最中です。
現在形で使うと「ドアが開くかどうか分からないけど試してみる」感じが出ます。

「 I'm trying opening the door.」ならガチャガチャやっている感じでしょうか。

「 I tried opening the door.」になると、過去の時点で
ドアに体当たりしているのか、ピッキングしているのか、
なんとかドアを開けようとしている場面が浮かびます。
その結果は開いたのかもしれないし、開いていないのかもしれない。

こういう表現の区別からは、動きをかなり細かい時間で区切っている感じを受けます。

明らかに発話者の着眼点が日本人と違うと思われます。
その注目の仕方をサブモダリティのレベルで教えてもらえると
トレーニングにも活かせると思うんです。

この言語化の発想の癖は、大きな違いになっているように感じます。


もう一点、コミュニケーションのルールや習慣としても違いがあるようです。
コミュニケーションをキャッチボールに喩えたときの、
キャッチボールのスタイルの違いのようなものでしょう。

この辺りは、この本に詳しいです。

知られざる英会話のスキル20(CD BOOK)
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これは結構なオススメ本。


本に関していうと、チョット変わり種も見つけました。
独自の文型理論を提唱しているものです。

<英語のカンを一瞬にしてモノにする!>世界に1つだけの英語教科書
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ルールを探すのが好きなんでしょうね。

上に書いた大西泰斗氏が、ネイティブの運用感覚やイメージといった
言葉を構成している要素に分解していこうとするのに対して、
パズルや図式のような説明モデルを作ろうとしています。

日本人が、英語を、英語に近いニュアンスで訳して理解するための本に思えました。
僕には少し違和感がありましたが、これがピッタリという人もいるような気はします。

このように自分に合わないスタイルを知ることも
自分にとって有効なものを見出すときには重要なプロセスでしょう。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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