2010年10月15日

型と例外

NLPには「メタモデル」と呼ばれる質問の技術があります。

正確には「メタモデル」そのものは質問法ではないと思いますが、
「メタモデルの質問」として、通称「メタモデル」と呼ばれるようです。

その質問法は、ヴァージニア・サティアとフリッツ・パールズのセラピーから
言語パターンを解析して作られたものだと言われています。


実際、本人たちの意図との関係性に注目することなく
そのパターンとしての側面に注目していった場合、
そこには第三者が体系化しようとした形跡のようなものも見て取れます。

その最たるものが、質問を項目ごとに分類しようという作業でしょう。

本人が自分の技術を分類しようとした場合、
質問の意図や、使うべき状況によって整理されやすいものだと考えられます。

しかし、第三者が分類した場合、意図や状況との関係性よりも
質問そのものの形や、直前の発言内容の形に目が行きやすいのかもしれません。

ですから、「相手の発言に、こういう部分があれば、この質問を使う」
といった形で、言葉の表面的な対応として整理されているところがあるわけです。

言われてみれば、確かにそういう質問の仕方があるなぁ…とは感じられますが、
では、いつでもその質問を使えるかというと、そうは思えない。
そういう感じ方をする人が多いようです。


おそらく、フリッツ・パールズやヴァージニア・サティアが使っていたときも、
直前の相手の発言内容に対して「この形だから、この質問」とはしていなかったはずです。

もっと意図を持って、これまでの話の文脈を考えて、相手の個性を考えて、
「自分の質問によってクライアントから、どんな情報が引き出されるか」
ということを予測したうえで質問をしていただろうと思います。

第三者が分類する以上、そこには傾向が中心に表れてしまうのは当然です。
まして、直前の発言内容に対する質問のパターンを調べていけば
「良く使われていた質問」ばかりがクローズアップされやすいと考えられます。

まさに「メタモデル」で質問されるように
「いつもそうなんですか?」
と、例外を聞く必要のある部分です。

これは「何を考え、何をしようとしていたか」ではなく
「頻繁に何をしていたか、何を言っていたか」だと言えるでしょう。

もしかすると、分類した人たち自身は、彼らのやり方を良く見ていたことで
適切な状況や、質問の意図も分かっていたのかもしれません。
ただ、それは型として記述された「メタモデル」には反映されていません。

どの程度、例外があるのかを調べていく。
「メタモデル」の型通りなら、こっちを聞くはずの発言内容なのに
ここでは違う質問をしている。
そんな場面にこそ、まだ他の学びの可能性が残っているはずです。

パターンを外れた意図があるはずなんです。
それが見えてくれば、同時に、パターンを使うための意図も見えてくる。

その辺りの意図が分かってくると、質問の型として使いやすさが増すと思います。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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