2011年02月12日

当たり前が変わるとき

コンフォートゾーンという考え方を耳にします。

心地の良い領域ということでしょうが、
本人にとって、『なんとなく「当たり前」と思える範囲』と捉えると
分かりやすいんじゃないかと思います。

例えば、「お財布の中には、いつも1万円以上ないと不安」という人もいれば
「財布の中には、いつも3000円ぐらいです」という人もいます。

財布の中が普段から何十万円という人もいる一方で、
財布の中に十万円以上あると不安になってくる人もいるでしょう。

あるゾーンに届かなくても、超えてしまっても心地良くない。
この範囲にいると、まぁ、普通だなぁと思えるところがあるという考え方です。


で、これが重要なのは「そのゾーンを外れると元に戻したくなる」からと言えます。

コンフォートゾーンを外れれば、不快になるんです。
だから自然と戻すように働く、と。

なので、目標があるときには、その目標をコンフォートゾーンに設定できれば
あとは自然な心の働きによって、そこに辿り着こうとするだろうという話です。

考えてみれば、本当にコンフォートゾーンが高い目標に設定されると
現状に対しての不快感が非常に大きくなりますから、
「こうはしていられない!」という強い不安や焦りとともに
目標に向かう大きなモチベーションが沸いてくるでしょう。

僕の場合は、少なくともコンフォートゾーンが変わると
いてもたってもいられないような焦りを伴いながら行動が駆きたてられます。

まぁ、あまり心地良くないと思います。

学生時代の期末試験直前に、「ヤバい、勉強が間に合わない!」と感じながら
慌てて机に向かうような気持ちに近い気がします。


自分では、意識的にコンフォートゾーンを設定して目標に向かう、
ということはあまりしませんが、自分の中でコンフォートゾーンが
移り変わった感じというのは頻繁に実感します。

最近ですと、英語の勉強の中で、その移り変わりを自覚します。

始めはTOEFLで特定のレベルの点数を取るのが目標でしたから
時期と目標点とのギャップをベースにコンフォートゾーンが設定されたようです。

特に、始めのうちは聞き取れない、意味が分からない、という出発点に愕然とし、
そこからまず単語の勉強を始めました。
単語が分からなければ前に進めない。

その気持ちで、とにかく一時期、単語を覚えるのに集中したんです。
この時期は、相当に焦っていましたから時間を惜しんで取り組みました。

単語を覚えてくると、文章の意味も分かってきますし、
リスニングでも知っている単語なので聞き取れるようになってくるんです。

それから少し安心感が出てきて、ペースを掴み始めました。
「この感じで続けていけば大丈夫かな」という気持ちで
持続的にトレーニングを続けました。

この辺りから「英語の勉強」ではなく、「トレーニング」の意識になりました。

ただ、スピーキングに難を強く感じていたので英会話学校にも通い始め
トレーニングを続けました。

そして英語が楽しくなってきたあたりから、
またコンフォートゾーンが変わりました。

TOEFLを勉強する人たちの大半は海外留学を目指しているので
その学校に来る人たちは留学希望者ばかりなんです。

そういう人たちの刺激もあって、海外に行ってみたい気持ちが高まります。

TOEFLで点数を取るのは当然の通過点になって、
今度は「海外で何かをしてみたい」気持ちが沸いてきていたんです。

すると求めることも、取り組む内容も自然と変わってきます。

特に、英語での講演動画を沢山見るうちに、
自分も英語で講演をしてみたいと思うようになりました。

英語でスピーチをしている自分に向けて進む中で
「今のペースで大丈夫だろうか」という基準が
現状のコンフォートゾーンになるわけです。

そんな目標をおぼろげにイメージしながらトレーニングを続けていくと、今度は
「今、自分が持っている英語の根本的なバリエーションからでは
 それをいくら使いこなせても、ボキャブラリーを増やしても
 ネイティブのような英語にはならない」
と感じる度合いが高まってくる。

文法のレベルや言葉の意味としての問題、音の問題以上に
根本的な言葉の運用法に違いがあるように思えてきました。

正確に言うと、そういう違いがあるのは分かっていたんですが、
自分がやってきたことと、できるようになってきたことを考慮したときに
予想される延長線上として「このままでは変わらない」と感じてきたんです。

「伝わるかどうか」から「自然かどうか」に基準がずれてきたんでしょう。

そして僕の英語における目標は、
『英語で自然なカウンセリングができる』
ところへとシフトしました。

僕が日本語でトレーニングを行っているようなレベルのコミュニケーションが
英語でもスムーズにできるようになったら達成、という基準です。

英語でコールドリーディングもできる必要がありますから
海外ドラマ「 The Mentalist 」のような英語が使えるようになりたいものです。

なので、「メンタリスト」のシーズン2がDVDで発売されたら
ボックスで購入して英語教材としても使おうかと計画しています。


コンフォートゾーンは目標と現状が変わるにつれて
段々と変わっていくものだというのが実感できます。

意識的にコンフォートゾーンを変えようとするのは負担が大きい気がしますが、
自然と変わっていく場合には、変化も自然と起きていくようです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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