2011年05月25日

尊敬する人

僕は、レオナルド・ダ・ヴィンチが好きですし、
シンパシーを感じる部分もあります。

スゴイ!と思うのは間違いありませんが、
尊敬するかと聞かれると、尊敬や憧れとは少し違うようです。

ああなりたい…わけではないんです。
一生のうちに満たせなかった部分が見えるようで。

なので、「尊敬する人は誰ですか?」と聞かれたら
答えるのが少し難しくなる感じがあります。

「好きな偉人や有名人は誰ですか?」
だったら答えやすいんですが。


今、僕が尊敬する人物として挙げるのは
シアトル・マリナーズの「イチロー」でしょうか。

イチロー選手の凄さは沢山あるはずですが、
僕が尊敬するときの対象と見るのは
「自分もそうなりたい」と感じられる部分があるからだと思います。

それは、『努力の継続』です。

スポーツ評論家やスポーツ心理学、成功法則などの解説では
イチロー選手が、いかに地道に努力をしているかが
強調されることが多いようです。

継続は力なり、と。

目標が遥か高いところに設定されていて、
本人にとっての「当たり前」のレベルが高くなっているために
常人ではできないような努力を自然にすることができる、
…というような見方もあります。

ですが、僕にはイチロー選手が
孤独な戦いをしているように見えるんです。

「○○年連続200本安打」や「通産○○安打」など
歴史に残る記録に向かって進み続ける毎日。

誰に頼まれたわけでもありません。
ファンの誰かのためにやっているわけでも
親や家族を喜ばせるためにやっているわけでもないでしょう。

試合に勝つために、チームのために
一本でも多くヒットを打つ、という側面はあるかもしれません。

ですが、記録を意識している発言も多く見受けられます。
記録を目指すのは、きっと本人のためだと思います。

いつ引退したって本人の自由。
いつ記録が途切れたって、誰も責めることはない。

これまでにやってきたことだって偉大ですし、
記録が定まってしまう瞬間を惜しむ人がいたとしても
同時に大きな祝福と賛辞が向けられるでしょう。

そんなことは、イチロー自身だって分かっていると思います。
でも、努力をやめない。
記録に向かって進み続ける。

周りがプレッシャーになるのではなく、
自分で自分にプレッシャーをかけるような状態。

自分が「もういいじゃないか、十分にやってきた」と
認めてしまえば、大きなプレッシャーからは解放されるはずなのに、
自分のために、自分からの重圧に向かい続けている。

そんな姿が思い浮かびます。


年間200本安打というのは大変な記録のようです。
その記録を達成した人は、日本国内にも何人かいますし、
メジャーにも大勢いるんでしょう。

ですが、一度や二度、その大変な記録を達成するのと
それを何年も続けるのでは意味が全く違うと考えられます。

センスがあって、自分に見合ったトレーニングの方法を見つけられて
努力を積み重ねることで、最初の200安打が達成できる。

その一回目は、本人にも予想ができていなかったはずなんです。
最善を尽くした結果が、年間200安打という大記録になるんです。

そして、自分にとっての最善を目指し、試行錯誤を続けながら
とにかくベストな成績を残そうと頑張る。

すると、次の年か、数年後かに、
二度目の年間200安打が達成できたりする。

多くの人は、そうやって何度かの大記録を達成すると思います。

別に200本安打ほどの記録でなくても同様です。
打率3割だって良いんです。

重要な違いは、
 ガムシャラに最善を尽くしていたら大きな成果が出せた
のか
 その成果を狙って出し続けられている
のかです。

何年にもわたって連続して、打率3割や200安打を続けると
その記録に必要な要素が見えてくるようになるでしょう。

「今のこの感じのままいくと記録がヤバいぞ」とか
「少なくとも、この努力の量よりは減らせない」とか
「今は少しバランスが崩れかけているから、さらにこれをしよう」
などと、どういう対応が求められるかが見え始めてくる。

もちろん、「これで上手くいくだろう」と予測したことが機能せず
さらなる努力が必要になって焦る場合もあるでしょう。
予想以上に調子が落ちてしまって苦しむ時期もあるでしょう。

それでも、なんとか最終的に帳尻を合わせて
記録という成果を残し続けるわけです。

どれだけのプレッシャーを感じ続けていることでしょうか。


しかも、「○○年連続」には終わりがありません。
「通産○○安打」の記録も、現役を続ける限り、つきまといます。

イチロー選手が成果を出し続けようと思うなら、
尋常ではないプレッシャーと、妥協のない努力を
記録の可能性がある間ずっと、続けなければならないわけです。

成功法則やコーチングなどでは
「〜しなければならない」ではなく
「〜したい」で行動をすることが教えられます。

義務にしてしまってはいけない、と。

それは本当にそうなんでしょうか?
必ずそうなんでしょうか?

世界の一流として活躍しているスポーツ選手や芸術家は
成果を出すために、産みの苦しみを味わっていると思います。

それは「〜したい」というほど、気楽ではないんじゃないでしょうか。

誰かに頼まれたから「〜しなければならない」のとは違います。
「〜せずにはいられない」とか「やらないでどうするんだ!」とか
そんな強く突き動かされるような「しなければならない」
ではないかと思うんです。

僕は、イチロー選手の中にも、そんな気持ちがあるような気がします。


今この瞬間だけを考えてガムシャラに努力を続ける。
それを毎日やっていたら素晴らしい結果に繋がった。
…こうやって歴史に名を残した人もいたはずです。

イチロー選手は違うんじゃないかと想像します。

もっともっと、沢山のことが分かっている。

ガムシャラにやるのは、よく分かっていないから
という側面もあると考えられます。

分かっていたらガムシャラにはならないでしょう。
計画的になりやすくなるし、
重要なことと、そうでないこととの区別もつくようになる。

自分に対しても冷静に分析できるようになる。

イチロー選手が記録を残し続けるには
年齢をふまえた体力面の心配もあるはずです。

肉体的な変化を意識しながら、それを予測したうえで
必要なトレーニングを組み込んでいく。

「今年は、このやり方で努力をして…」と予測がつくのなら
同時に「3年後だったら、これぐらいはやらなければ…」などと
先のことまで見越せる可能性もあります。

見越せるといえば聞こえは良いですが、
それが見えてしまう感じは辛いはずです。

先の見えない自分との戦い。
ずっと続けていかなければいけない努力。

喜びも苦しみも全て自分からしか生まれない。
自分の人生の成果を、自分の選択で決めていく。

いつまで、この努力を続けるのだろう?と
疑問が頭をよぎることは、イチロー選手にはないのでしょうか?

「もういいや」と思ったら、そこでオシマイ…
そんな状況を進み続けいるのは、スゴイことだと思います。

そこを僕は尊敬しているんです。


弓子夫人は、イチロー選手のシーズン最終試合が終わると
「やっと今年も終わったぁー」と解放感からの言葉を発するそうです。

イチロー選手が言うんじゃないんです。
弓子夫人が言う。

それぐらい張り詰めた雰囲気の中で
毎日を過ごしていることを示しているように思います。

終わりが見えていれば、まだ楽なんでしょうが。

cozyharada at 23:32│Comments(0)TrackBack(0)clip!NLP | 全般

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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