2011年08月25日

図書館の進歩

久しぶりに国会図書館に行きました。
10年ぶりぐらいかもしれません。

10年前もパソコンは普及していて、本をネットで探せていたと思います。
当時の僕の国会図書館の利用は学術論文の入手でしたが、
それだってインターネットで検索するのは当然の時期でした。

ちょうど、いくつかの出版社が論文を電子ジャーナルとして
ネット上で閲覧できるようにし始めていた頃だった気がします。

しかし、古い論文になると、なかなかどこにも置いていない。
それで国会図書館を当たるというのが流れだったんです。


パソコンが普及してきているとはいえ、国会図書館の規模だと
膨大な本の量をコンピューター管理には移行しきれていなかったんでしょう。

検索するための情報をまとめた本が沢山並んでいて
それを使って探している論文のページ数を見つける。

それから決まった用紙に記入をして貸出カウンターや複写カウンターに出すと
しばらく時間をおいて渡してくれるような流れだった記憶があります。

ですから、国会図書館という名前の通り、本棚は沢山あったと思いますし、
図書館特有の古い紙の匂いが漂っていたのを覚えています。


ところが、久しぶりに行ってみた内部は随分と様変わりしていました。

置かれているのは広いスペースに沢山のテーブル。
閲覧用のテーブルと、検索用のパソコンが置かれたテーブルです。

入館の仕組みも変わっていて、入館証を発行するために
個人情報を入力するとSUICAみたいなカードが出てきます。

どうやら毎回発行とリセットを繰り返している模様。
新たに個人情報が記録されたカードをかざして自動改札をくぐる。

中には行った後も、基本的にそのカードを利用するんです。

検索用のパソコンを使うときに、そのカードを置く場所がありました。
そこに置くとパソコンが立ちあがり、自動的にIDが認証される仕組み。

そして検索をして、貸出やコピーなどの依頼をパソコン上ですると
そのカードのIDと一緒にデータ転送されるみたいです。

あとは、カウンターにカードを提出すると
事前に送ってあった情報が引き出されるようでした。

管理やサービスのほとんどを、そのカードで行う仕組みというわけです。


となると、図書館という名前にもかかわらず
本に直接触れるタイミングが非常に少ないことになります。

貸出の場合は本を受け取りますが、それとて一度に3冊まで。

それどころか、多くの書籍がPDFのデータとして保存されていて、
検索用のパソコンから本を借りずに見ることもできてしまいます。

当然、コピーはパソコンからデータ転送して印刷してもらうだけ。
読みたい本には一切手を触れることなく、
欲しい部分をコピーしてもらうことができるんです。

学術論文にしても、出版社が発行する段階から利用登録者には
ネット閲覧が可能になっているものが大半になっていますし、
そうでないものも国会図書館ではデータ取り込みしてPDF化しています。

ここでも本に触れることはありません。
コピーを用意する図書館職員の人も本に触れなくなってきているはずです。

なので、図書館にも関わらず、本を目にすることが少ないんです。
なんだか奇妙な感じがしました。

館内は高い天井で作られているのに本棚さえ目に入りません。
ごく一部の便覧や資料集が奥の部屋の棚にあるぐらい。

広いスペースにはテーブルとパソコンぐらいしか見えませんから
非常に遠くまで見渡せるわけです。

本棚が沢山並んだ、いわゆる図書館のイメージは皆無です。


利用者にとっても便利になっていると思いますし、
本を保存する上でもメリットが大きいんでしょう。
一度データを取り込めば、あとは本を保存しておけますから。

古い貴重な資料を直接借りることもできるとは思いますが、
それをする人は少数派に見えました。
多分、貴重なものはデータだけということもあると想像します。
欲しいところを調べて印刷する、と。

PDFはカラーですから、昔の絵本や雑誌などもカラーで出力できます。

確かに綺麗だと思います。
持って帰れますし、パソコンの前に座っているだけで良い。
パソコン操作が終わったら、座って待っていれば呼んでもらえます。

便利だと思います。

昨今は、新聞も本も、電子媒体で読めるようになっていますから
まぁ、時代の流れに沿ったことなんでしょう。

ただ、少し寂しい感じもしました。

重たいハードカバーの本を抱えて、目当てのページを探してめくる。
あのときの紙の手触りや匂い、ページをめくる音。
探しているうちに、何かが偶然、目に留まって読みたくなる…
そんなことが全くないんです。

古い貴重な資料には、そのものが持つ歴史の風合いもあるでしょう。
それはパソコンの画面からは受け取れない。

永遠に増え続けていく本を紙媒体で保管していくのは
労力を増やし続ける行為だとは思います。
沢山の無駄が省ける。

しかし、それは同時にアナログの魅力も省いてしまうと感じました。

多分、僕は本が沢山ならなんでいる景色が好きなんです。
本は情報だけで出来ているわけじゃないんですね。


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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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