2012年03月26日

神経言語でプログラミング

これまで、このブログでは900件を超える記事を書いてきたようです。
1つ1つの長さを考えると、なかなかの文字量でしょう。

まぁ、文字の量はさておき、
1000件が見えてくると少しだけ数を意識したりします。

プロ野球選手が1000本安打を目の前にした時の意識とは違うでしょうが。

で、このブログのカテゴリでいうと
「NLP」のカテゴリの投稿数が一番多いんです。

コミュニケーションかNLPか、どちらかに関する話題が多い、と。

にもかかわらず、「NLPとは何か?」という話は一度もしたことがなかった気がします。

なので、今回はNLPの話。


NLPは「 Neuro-Linguistic Programming 」の頭文字をとったもので
日本語では「神経言語プログラミング」と訳されます。

最近は、どの入門書を見ても「NLP」としか書かれていませんから
「神経言語プログラミング」という用語を目にする機会は減った印象があります。

その単語を口にする人も少ないと思いますし。

「じゃあ、”NLP”って、何?」
と聞かれると、これがなかなか難しい。

良くなされるのは、NLPの成り立ちを語る方法。
「元々は心理療法の分析から始まっています…」という感じのものです。

そういう話はウィキペディアにも、どのNLPに関するホームページにも
出ているでしょうから、ここでは触れないことにします。

そして、もう1つ多いのがNLPの3文字に対応する概念を説明するもの。
 
 「”N”は” Neuro ”で『神経』すなわち五感と脳からなる神経系統。
 人間は五感を通して、世界を認知している。
 ”L”は” Linguistic ”で『言語』。
 人間は、言葉とノンバーバル・メッセージからなる言語で
 コミュニケーションをしている。
 ”P”は” Programming ”で『プログラム』。
 五感を通じたインプットによって体験した内容からプログラムを作り、
 そのプログラムから生まれる反応が言語となってアウトプットされる。」

…とか、そんな感じの説明が主流でしょうか。
これは欧米の主要なNLPの団体でも、同様の形でも見受けられるものです。


しかし、NLPの成り立ちは、あくまで”歴史”であって、
N・L・Pの三文字を説明するのは、中心のアイデアを解説しているのであって
「 Neuro-Linguistic Programming 」とは何かを説明はしていません。

「神経言語プログラミング」という名前がついているのですから、
その名前そのものに、もっと直接的な意味合いがあるほうが自然じゃないでしょうか。

そして、日本のNLP関連のホームページだと見逃されることもありますが、
重要なポイントとして「 Neuro-Linguistic Programming 」として
”ハイフン”が入っていることが挙げられます。

「 Neuro and Linguistic Programming 」ではないんです。
この言葉の意味を直接的に想像すると
「神経のプログラミングと言語のプログラミング」になるでしょう。
(自然な訳は「神経と言語のプログラミング」だと思いますが)

「 Neuro 」も「 Linguistic 」も形容詞ですから
「 and 」で繋がれた2つの形容詞が同じ名詞にかかる。
なので「神経と言語でプログラミング」とはチョット違う気がします。

「神経的であって、言語的でもあるプログラミング」という感じでしょう。

また「 Neurology, Linguisitics, and Programming 」でもありません。
「神経と言語とプログラミング」のように3つが並列でもないんです。

NLPは「 Neuro-Linguistic Programming 」。
「 Neuro-Linguistic 」で一単語扱いなんです。

「 neuro-linguistic 」という形容詞を想定しているわけです。

なので「神経言語のプログラミング」もしくは「神経言語学的プログラミング」でしょう。

そこから察するに、NLPとは
「”神経言語”というもので行う”プログラミング”」だ、と言えると思うんです。

つまり、NLPというコンセプトが作られた当時は
 「神経言語」というものを想定して、それでプログラムを書く
という発想があったんじゃないだろうか、と。


NLPが作られた1970年代ごろでは
きっとコンピューターは最先端でカッコよかったんでしょう。

実際、NLPの中にはコンピューター用語がたくさん取り入れられています。

なので、脳をコンピューターのように捉え
(この発想は計算科学寄りの認知科学で主流ですが)、
その脳というコンピューターの使うプログラミング言語を「神経言語」としたんでしょう。

コンピューターのプログラミングに使う言語は、会話で使う自然言語ではありません。
C言語とかPerlとかJavaとかLISPとか、そういうのと同様に、
人間の脳にプログラムを書くときの言語を
「 neuro-linguistics (神経言語)」と呼ぶことにしたと考えられます。

実際、古い本をたどっていくと「神経言語」という単語が出てきますから。
そういうコンセプトを設定していたはずなんです。

しかし、NLPに関わっていた人の多くは心理療法や心理学をやっていたり
自己啓発の流れをくんでいたりしますから、
そちらの用語も入ってきやすかったことが想像できます。

結果として、「プログラムの中には価値観や信念、習慣などがある」
という説明が主流になっていったんだろうと思われます。

ただ、よくよく考えてみると「価値観」や「信念」という発想は
日常生活でさえ使われる自然言語の単語です。
人同士が会話でコミュニケーションをするときに使われる単語であって、
その単語を使って脳にプログラムを書いているわけではないはずです。

なぜなら、人間は生まれたての赤ちゃんの時から学習を始めていきますが
その頃には言語活動がまだ伴っていないのですから。

つまり、言語でインプットしたものであろうが、
五感を通じて体験的にインプットしたものであろうが、
頭の中に記述されるときには別のプログラミング言語
すなわち「神経言語」が使われていると考える。

それが「神経言語プログラミング」という言葉そのもののニュアンスだと思うんです。


残念ながら、”神経言語”そのものを明確化しようとした人が少なかったのか、
”神経言語”を用いたプログラム記述のルールまでは
実際のところ、明確に説明されていないのが現状という気がします。

現実的には、根底にある神経言語が分かっていなくても
表面的な方法として「スキル」さえ知っていれば
プログラムを書き換えて、変化を引き起こすことが可能ですから。

喩えていうと、プログラミング言語を使ってホームページを作れる専門家に対して、
ホームページビルダーのようなソフトを使ってもホームページが作れる、
といったところでしょうか。

たしかに、「ホームページを作りたいんです!」という人には
「じゃあ、このソフトを使ってやってみてください。ソフトの使い方は…」
という説明のほうが好まれるのかもしれません。

ですが、NLPが根底に含んでいる概念は、
 「人間の振る舞いは、学習によって作られたプログラムによるもので
 そのプログラムを理解し、プログラムを変えたり、書けるようになれば
 問題解決も能力開発も、様々なことが可能になる」
というところだと思うんです。

そのためには、神経言語そのものを理解するのが重要じゃないでしょうか。

そして神経言語における単語は全て”サブモダリティ”の組み合わせで表され、
文法は”アンカー”と”チャンク”で表せるはずなんです。

そのプログラムを書き込むための方法として
”チェイニング”や”繰り返し”、”トランス”が使われる。

そのあたりの原則が分かっていると
自在に「神経言語でプログラミング」することが可能になりますから、
沢山のスキルの手順を覚えている必要なんてなくなるわけです。

目的に応じてプログラムを書けば良いだけの話ですから。

そういうスタンスのほうが、より
「神経言語プログラミング」のニュアンスに近いように思います。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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