2012年03月30日

久しぶりの読書で

引っ越しに伴って自然と本の整理をする流れになりました。
なので、今、僕の部屋の中では本がジャンルごとに集まっています。

「並んでいる」と言わないのは、本棚に入っているわけではないから。

とはいえ、バラバラのタイミングで買い集めた本が色々と整理されたことで、
随分と前に買っていた本が手に届きやすい場所にやってきました。

結果として、何年も読んでいなかった本を再び手に取ることも出てきます。


特に僕が心理療法の勉強を始めたときに買った多くの本の中には
専門的な内容のものも沢山あるので、
改めて読んでみると役立つことが見つかる感じがあります。

そういう意味では、「分かりやすい」本よりも
「難しい」本のほうが、持っていて価値があるような気がしてしまいます。

内容が人間的成長に対する見方を伴っていたり、
多くの人に共通する人生のテーマを含んでいたりすると、
自分自身の経験を伴って実感できる内容が増えてくるので
単なる技術的な側面を理解するのとは違う味わいもあったりして。

勉強を始めた頃には知識として入れようとしただけの内容だった家族療法も
多くの人生と接してきてから読み直してみると実感する深みが違うようです。

そこには理解や納得とは別に、なんとも、しみじみとした悲哀や不条理、
それと同時に現実的で受容的な”あきらめ”と、根底にある楽観的な希望、
そして全てを達観して含んだ「…だが、それがいい」という感じがあります。

なんというか、著者が長年かけて追及してきた大切なものの一端を
一緒に体験させてもらっているような感じでしょうか。

読みながら
「あぁー、そうだよなぁ…」
と染み入るような本。

決して「人を感動させるような良い話をしてやろう」という部分はなく
ただセラピストとして向き合ってきた人生の量が醸し出す味わい。

そんな部分に触れられるのは、すごくありがたいことだと思いました。


家族療法の面白いところの1つは、
もちろん、そのセラピストのスタンスにも寄りますが、
「必ずしも問題解決そのものが理想的ではない」
というところじゃないかと思います。

「〜で上手くいかないんです」
「うちの子供が〜で困っているんです」
などと特定の問題があったとして、
セラピーを通じて問題を解決することが全てではありません。

僕が共鳴するのは、
 その家族の人生全体を通して取り組んでいく
という部分です。

誰かに苦しみがあるなら、家族が一緒に苦しめるようになる。
そのほうが、苦しみを解決できることよりも大事な場合があります。

場合によっては、
「じゃあ、これから一緒に皆で頑張っていこう」
といって手を取り合えるような関係になることのほうが
短期的な問題よりも重要なことがある、と。

一人の人間が成長していくように
家族という単位でも成長していく。
そのために必要なのは、必ずしも問題解決ではないかもしれません。

「セラピストが問題を解決するのではなく、本人が問題を解決する」
…そんな発想は、多くのセラピストやカウンセラー、コーチが持っているかもしれません。

ですが、”家族の問題があったときにセラピストやコーチのところに相談に来る”
という事情に対して、同じように「家族自体が問題を解決する」という発想が
どれほどの援助者の中にあるのでしょうか?

家族の中で困ったことがあるときに、
その相談に来た本人の援助をしたくなることが多い気がします。

その本人の援助プロセス自体は、本人が解決していくように手伝っていたとしても、
その援助行為そのものが、家族自体で問題を解決するという側面に対して
入り込み過ぎてしまうんじゃないかということです。

家族のことで困っているのなら、
その問題を家族の中で話し合って取り組んでいけるように援助するほうが、
もっと「本人=家族そのもの」が問題を解決する方向に近いと思います。

つまり
「その話を本当に分かって欲しい相手は誰ですか?」
と突き放せるスタンスがあるような。


もちろん、人生に対する個人の考え方や好みが関わるところですから
必ずしも家族という単位が最優先されるところではないとは思います。

しかし、個人と他者との繋がりを視野に入れることで
より多く目の前の相手のことを理解できるようにはなるかもしれません。

そういう視野の広げ方に、もう一度目を向けるキッカケになった気がします。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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