2012年09月19日

英語”を”勉強する

大学の生涯学習プログラムが提供している
「 General English (一般英語)」のコースを取ってみました。

主に社会人を対象としたコースです。
夏学期にカウンセリング講座を取っていたのと同じ枠組み。
週二回の平日夜に行われるコースです。

カウンセリング講座はネイティブスピーカーが多かったんですが、
こっちは英語を勉強する講座なので日本人が中心。
少し日本以外のアジア人が混ざっている感じです。


取ってみた理由は、もちろん英語力を上げようということですが、
今回のテーマは精度を上げるほうに置いています。

学校だと若者ばかりですし、ネイティブも多いので
会話のスピードが速いんです。

すると、こちらもペーシングしようとしてスピードが速くなります。
無理がかかっているわけです。

もちろん、負荷をかけることでトレーニングになっている部分はありますが
どうしても内容を伝え合うほうがメインになって、
言語活動としてのクオリティへの注意が下がってしまいます。

そうやって徐々に慣れていって、自然な英語を身につける、
…それは大人になってからでは少し遠回りじゃないかという気がしているんです。

むしろ、大人の言葉遣いを修正してくれる機会は多くないでしょう。
日本語でも、そうだと思います。

誰かが間違った言葉の使い方をしているのに気づいたとき、
それを伝えるかどうかは迷いどころです。

例えば、僕がカウンセリング講座を受けていたインストラクターは
大学からアメリカに行って、大学院を終了後、現地でカウンセリングをしていた人です。
ですから、とても流暢に、ともすればネイティブよりも早口で英語を話していました。

表現も多彩で、英語力としてはネイティブに近いと評価される気がします。
発音も日本人らしいアクセントなんかは大部分が除かれているようでした。

が、「 work 」という単語の発音だけが違うんです。
これだけ日本人っぽい。

カタカナにすると「ワーク」のほうが近いでしょうが、
その人は「ウォーク」と発音していました。

一瞬、「 walk 」が頭に浮かぶぐらいの発音です。

まぁ、別に日本人ですから少しぐらいおかしいところがあったって問題ないでしょうし、
日本在住の外国人タレントだって日本語には変なところがありますし、
それに日本人だって変な日本語を使う人がいますから
本来であれば大して気にならないはずのところだと思います。

実際、心理学の授業を受けている日本人講師の英語の発音は
かなり発音にオカシイところがあります(アクセントの位置が違ったりすると厄介)が、
逆にそっちが当然だと思っているので、大して気にならないわけです。

一方、そのカウンセリング講座のインストラクターの場合は
全体的な英語のレベルが非常に高いからこそ、「 work 」の発音が気になるんでしょう。

おそらく、「 work 」という単語は日本にいる間、中学ぐらいのときに覚えたはずです。
そのときに間違った発音で覚えてしまったと想像できます。

もしかすると、その頃は海外で働くなんて考えていなかったのかもしれません。
単純に学校の授業で必要だから、勉強のためだけに英語をやった。
会話なんて想定していなかったために、適当に単語を覚えてしまったんじゃないでしょうか。

そういう時期に間違って覚えてしまったものは、なかなか修正されません。

全体的に英語のレベルが高いほど、そうした細部のミスは
実際のコミュニケーションの最中には、誰も指摘してくれないんだと考えられます。

それでも伝わってしまいますから。

また、ソフトバンクの孫正義社長の英語は
三人称単数現在の「 s 」を飛ばすことで有名ですが、
あれぐらいの立場になったら、わざわざ誰も文法の間違いを修正してくれないと思います。

外国語をコミュニケーションのツールとして使うようになって、
言語運用能力ではなくコミュニケーションの中身で評価されるような場面では、
外国語の文法や発音の間違いなんて無視されるのが普通だということです。

でも僕は、それでは嫌なんです。

言語は人類が脈々と受け継いできた財産だと思っていますし
言語運用の仕方にも、その人特有の内面が表れるはずですから
その意味でも繊細に相手の英語を理解できるようになりたいんです。

自分でも同じような体験ができるようになりたい。
日本語を使うときと、英語を使うときの差を明確にしたいんです。
そのためには両方のレベルが同じぐらいである必要があります。

それで、スムーズさに加えて、言語のルールとしての正確性も高めたいわけです。

自分の中にあるミスの癖を吟味しておく時期を定期的に作っておけば
そうした知らないうちに間違って覚えてしまうような事態を避けられるんじゃないか、と。

それが一般英語のコースを受けることにした理由です。


もう1つ、日本語力に近づけるという意味では
会話の内容を正確に保持しておけるようになる度合いも高めたいところ。

相手の話も、自分の発話の内容も、聞いたときに保持しておきたいんです。
頭の中に保持しながら、「何がどこを説明しているか」といった関係性を
キッチリ追えるようにしておきたいんです。

自分の話を耳から聞いて、一文単位で文法的な構造をシッカリさせる。
そういうトレーニングをやると良いんじゃないかという考えです。

そのためには、ある程度、落ち着いて取り組めることが求められます。
内容重視の速いコミュニケーションの場では難しいんです。

言語活動そのものに注意しながら練習する場所が欲しかった。

それには逆に日本人相手のほうが良いと考えたわけです。

ネイティブよりも理解してくれませんから。
自分が話しながら相手の表情を見て、
その場で話し方をアレンジすることも必要になると想像しました。

ゆっくり分かりやすく丁寧に、ハッキリと正確に。
そういう会話の練習には日本人相手が効果的じゃなかろうか、と。


ただ…。
授業の内容に関しては満足できるか定かではありません。

一般英語ですから文法やボキャブラリーも含まれます。
それも正確さを上げるには必要だとはいえ
トレーニングの時間が物足りなくなる可能性があります。

教科書に沿った進み方だとしたらトレーニング的な側面が弱そうに感じます。

ネイティブが考えた英語教育のスタイルは
あまり日本人向きじゃないような気がしているんです。

おそらく、ラテン語系統の言語から英語を学習するには
文法と単語から入っていくだけでも効果があったんでしょう。

日本人には別のトレーニングが有効かもしれません。

そうした英語教授法にも目を向けながら、
一般英語講座を受けてみようと思います。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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