2013年01月23日

専門性の壁

大学の時、僕の専攻は応用化学でした。

なので、基礎化学一般から、
工業化学、化学工学など実社会への応用を想定したものまで
化学に関することは幅広く授業で習ったものです。

化学と一言でいっても、非常に範囲が広いわけです。

当然、同じ化学のジャンルの中でも好みや得意・不得意が分かれます。
僕は計算を沢山使うようなところは得意でなかったので
物理化学や化学工学などは専門にするつもりがありませんでした。

有機化学や生化学なんかのほうが好きだったんです。

ある程度は、まだ苦手だった化学の分野の知識も覚えていますが
やっぱり、その記憶の程度は低いですし、理解が不十分なところもあると思います。

一方、有機化学は好きだったので今でも覚えているところがあります。
とはいえ、研究室で専門に扱った生化学と比べると記憶の量は少ない。

何より、勉強した量が違いますから、覚えている比率だけでなく
そもそもの専門性として知識量が違うんです。

なので、僕の専門は生化学だったと言えますし(正確には「応用生物科学」)、
分子生物学あたりも詳しく勉強した範囲です。

研究職として扱ったのは生化学の中でも「代謝」に関わるところですから
専門性は更に狭くなって、「微生物による発酵生産」が
多分、今でも一番詳しい分野だと言えるでしょう。

応用化学の専攻だったといっても、詳しいところには偏りがあって
化学の範囲でも毛色の全然違うところがあるわけです。

おそらく、かなりの化学を専門とする人たちが
同じ化学の中でも詳しくない(苦手な)部分を持っているはずです。


そして、今、心理学を色々と勉強してみると
心理学の中でも同様に細かく分野が分かれていることが見えてきます。

教科書を読んでいると、それぞれの分野で”独自”の路線が強調されます。

その分野特有の用語があって、その中に、さらに細かい専門家がいる。
なので、心理学でも同様に、専門以外の分野に関しては
あまり詳しくないということが自然に起きているようです。

講師に質問しても、「それは私の専門じゃないから」と答えてもらえないことが大半。

ただ、僕の目から見ると、心理学の専門性の違いによる
それぞれの内容の開きは、化学と比べると小さいように感じられます。

そのことを何より強く感じるのが、
 同じ”心のメカニズム”に対して、
 分野によって違う呼び名がついていて、
 違う理論で説明されている
というところ。

僕には、その裏にある統一的なメカニズムが思い浮かびますが、
そういう全ての理論をまとめ上げるような発想が少ないのかもしれません。

物理の人なんかは、「 Theory of everything (万物の理論)」などと
全てを説明可能な理論を作ろうと頑張るようなので、
そこには随分と態度の違いがあるように感じられます。

「もっと近接分野の知識を持っていれば、
 そんな無理な理由づけは思いつかないでしょう…」
といった印象を受けてしまうものも教科書で目にしますし。

精神病理学の教科書に、分子生物学的に明らかに間違っている説明が
堂々と記載されていたのも、専門性の偏りを意識させられました。


確かに、専門の範囲を出たところまで知識を広げるのは大変だと思います。

それでも、もうちょっと知識を広げる努力を追加するだけで
お互いの分野の知見が利用できるようになるとも思えるんです。

心理学は、それがやりやすい学問じゃないかと僕には思えるんですが…。

中にいる人には感じられないことなんでしょうか。

cozyharada at 23:48│Comments(0)TrackBack(0)clip!心理学 | NLP

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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