2013年04月23日

お礼とご報告

出版記念セミナーには、おかげさまで多くの方にお越し頂きました。
ありがとうございます。

懐かしい方々にも会えたので、とても嬉しかったです。

「セミナー」なんて言いながら、実際は
こちらがお祝いしてもらっているだけのような気分で
ありがたさばかりの時間でした。


セミナーの内容は、時間の制約や形式から
あまり濃密なトレーニングにはできませんでしたが
気軽な雰囲気だけでも楽しんで頂けていればなぁと思っている次第。

思い返せば、僕が頻繁にNLPの資格取得セミナーをやっていたころも
僕が最も重視していたのは「ゆるい雰囲気」だったものです。

NLPの内容は、それ自体でも役に立ちますが
個人的には”方便”として使っていた部分があったんです。

伝える内容や実習は決められているわけですから、
まぁ、ある程度、どこでやっても同じようなことは体験できます。

知識に関しても、覚えるかどうかは人それぞれですし、
どれだけ知りたいかも、興味があるなら本を読むでしょうから。

僕が勉強会やカウンセリング講座で扱っているのは、むしろ
技術を磨くためのトレーニングであって、方法の紹介ではないので
その意味で、資格取得セミナーには違った位置づけがあったんでしょう。

僕にとってNLPの資格取得セミナーは、
グループセラピーのようなものでしたから。

受講生同士の交流や、ワークでの体験内容の広げ方など、
色々と工夫をしていました。

なので、休憩時間なんていうコンセプトはありません。

受講生にとっての休憩時間も、僕にとっては
重要なセラピーのプロセスとして工夫する対象でした。

とにかく、セミナールームで体験する全てのことが、NLP的に表現すれば、
プログラムを変えるための効果的な体験であって欲しかったんです。

そして、プログラムは状況に依存しますから、
セミナールームという場所も日常的なものにしたかった。

セミナー会場が非日常の特殊な環境になるほど、
そこで使われるプログラムと、日常生活で使われるプログラムが
別物になってしまう可能性が高まります。

セミナー会場ではテンションが高くてノリノリで前向きなのに、
いざ会社に行くとイライラしてばかり…。

別に、そういうスタイルも構わないとは思います。
趣味の世界を別に持っていて、そっちではイキイキしている…
なんていう人は、世の中に沢山いますから。
それで毎日のバランスが取れているライフスタイルも素敵なものです。

でも、僕が会ってきた受講生の皆さんは
NLPのセミナー会場を趣味の世界にする目的ではなかったと思います。
何か、日々の生活に対して変えたいところがあった。

だから、日常に影響が出るようなプログラムの変え方を重視していたんです。

その観点からすると、僕は個人的に
セミナー中、ニックネームで呼び合うのも避けていたぐらい。

セミナー専用の名前を持ってしまうと、その自己認識の元に
セミナー会場での体験を分類していく可能性がありますから。

バイリンガルが日本語を話すときと、英語を話すときで
全く性格の違う別人のようになるのと似ています。
そうすると全体に影響が出にくいと想像されます。


経験上、全てのNLPをやった人が、いつまでもNLPに興味を持ち続け、
そこで知った技術や方法を使い続けるわけではありません。

人それぞれ本当に大事なことがあるでしょうから。

スキルの名前だって忘れてしまったりする。
何をやったかも、あやふやになっていく。

それでも、そこで体験した内容にインパクトがあって
その体験が抽象度の高いプログラムに影響を与えていれば、
その人の人生全般に、長期にわたって効果を生み出します。

NLPのことなんてスッカリ忘れていたとしても、
その人のプログラムには変化が残っています。

日々が楽になるような、生きることへの希望が少しでも高まるような
そういった方向の変化をセミナー全体を通して生み出していく。

それには必ずしもNLPの内容は必要ではなかったのかもしれません。

むしろ、そこで起こる人の心どうしの触れ合いや
自分の心と向き合ってみようと自然に思えるようになる雰囲気が
そうした持続的な変化を生み出すのではないでしょうか。

だから、僕にとってのNLPセミナーは
徹底的に「気が楽になる」方向で組み立てられていました。

全てのルールは撤廃したかった。

学校を想起させるような宿題や机は、その目的には合わないわけです。
学校を思い出すものがあると、学校時代の勉強モードのプログラムが出てきて
そのプログラムの下でしか体験が整理されなくなってしまいます。
日常生活への影響が生まれにくい。

何より、ルールなんてなくても、それぞれの人が誠実になって
お互いを大人として尊重するように配慮ができれば、
その場に問題なんて起こらないことを体験してもらいたかったんです。

僕の役目は、とにかくルールを疑うことの見本になることでした。

「こうあるべき」という姿を取り除いていく。
だから変な座り方もするし、「ゆるい雰囲気」作りに精を出していた。

自覚から生まれる選択と自由。
そんなところを重視するために、
ルールを外した場でのコミュニケーションを生み出そうとしていました。

一般的な生活では体験できないその交流が
何よりのセラピー効果を生むと信じていますから。

…この辺は、催眠の師匠から受けた影響かもしれません。
 
 トランスの中で人が自然と生み出すバランス調整の効果。
 それはルールに基づく意識的な機能によって普段は妨げられているので
 催眠によるトランスで解放されたときに調整機能が生まれるということです。

 同様に、そうした意識的なルールによる制御を取り払うと
 自然と内面がバランスを取り始めるんじゃないか、と。

 まぁ、その効果は沢山の場面で実感してきたわけですが。

ですから、僕のNLP資格取得セミナーは「ゆるい」感じだったんです。
ゆるい雰囲気で気軽に過ごす。
でも、一人ひとりの人間として相手を尊重して関わる。
そんな場づくりを大事にしていました。

出版記念セミナーで、そこまでの雰囲気を作れたかどうかは分かりませんが
そういう方向で取り組んでいた自分が懐かしかったです。

あれはトレーニングのためのセミナーではありませんでしたから。



ちなみに、宿題を出したり、あだ名で呼び合ったりするセミナーが
全て問題だと言っているのではありません。

そこに意図があるかどうかが重要です。

僕の知り合いのトレーナーは、NLPを使い続けてもらうことで
日常生活に影響を生み出そうとしています。

そういう意図なんです。

だから、セミナー会場だけでなく、
日常の場面でのNLPのスキルを使う必要がある。

それによって、日常生活の場面で登場するプログラムに影響を与えよう、と。

だから宿題が重要になるわけです。

手段が違うんです。

自分が習ったトレーナーが宿題を出している人だったから
それが当然だと思って宿題を出しているわけではないんです。

ここは重要なポイントでしょうね。

cozyharada at 23:57│Comments(0)TrackBack(0)clip!NLP | セミナー情報

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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