2013年05月01日

NLPの定義

たまにはマジメなNLPの話。

NLPの共同創始者リチャード・バンドラーのホームページによると
NLPとは…

Neuro-Linguistic Programming™ (NLP™) is
 defined as the study of the structure of subjective experience
 and what can be calculated from that
 and is predicated upon the belief that all behavior has structure.

と書かれています。

訳すとしたら
「神経言語プログラミング(NLP)は、
 主観的体験の構造についての研究と
 そこから導き出される(計算される)ことのできるものとして定義され、
 全ての振る舞いは構造を持っているという信念を基礎としている」
という感じ。

ですから、NLPの定義は2つの要素からなっていて
 ー膣囘体験の構造についての研究
 △修海ら導き出され得るもの
となります。

calculated と表現されているのは、
「主観的体験の構造」という部分を考慮すると、
 モデル化された構造を1つの計算処理(=プログラム)のように捉えて
 そこに具体的な場面を適用して演算し、結果が導き出される
といったニュアンスがありそうな気がします。

すると重要なのは「構造」という単語でしょう。

主観的な体験を研究するだけではNLPじゃない、と。
体験を「構造」として記述する必要がありますよ、という話です。

となると、ただ
「私は今、怒っています」
というのは主観的な体験を述べているだけなので
これではNLPになっていないことになります。

構造と呼ぶからには、少なくとも
「〜すると…になる」という程度の形が必要になる。

でも、これだけだったら「構造の研究」にならないので
これはあくまで基本フォーマットぐらいなもの。

むしろ「構造を研究する」となった場合には、
その構成要素を調べて、そこを記述する必要が出てきます。

だから、サブモダリティなんです。
主観的体験を構成している要素がサブモダリティです。
この要素の組み合わせとして構造を記述してこそ、
NLPの定義に沿った内容になるといえます。

ここまでが前半部分( 法

で、こうやって構造を記述できるようになったら
その構造の中に色々なパターンが見つかってくる。

良く知られた例でいうと、
・恐怖症を克服する人には決まった主観的体験の構造のパターンがある
・人が衝動的なほど魅力を感じてしまうものに突然飽きるときには
 決まって体験するパターンがある
・人が繰り返し体験する不快な行動を強烈な意志で断ち切るときには
 決まって主観的に体験するパターンがある
などです。

人の行動パターンを一般化した形で説明して、
特定の内容に限定されないように「構造」として記述する。
当然、注目するレベルはサブモダリティです。

その構造が一定のパターンとして記述できれば、
それは「モデル」として応用できるものになります。

「〜するプログラム」とか「〜するためのスキル」といった形になるんです。
技術として応用可能なものになるんです。

こっちがNLPの定義の後半部分(◆法

「”そこ( that )”から導き出されるもの」という表現は、
「”そこ( that )”」の指し示すものが少し曖昧ですが
まぁ、「 it 」じゃないので全体を指しているような印象を受けます。

文脈から考えても
「主観的体験の構造」もしくは
「主観的体験の構造についての研究」
のどちらかでしょう。

どちらを「そこ」と捉えても、「”そこ”から導かれるもの」は
同じような内容を指し示すはずですから、大差ない気がします。


最後の部分
「 and is predicated upon the belief that all behavior has structure 」
は、定義の説明ではありません。

「 and 」の後に「 is 」がついていますから、この「 and 」以下は
前に出てきた「 is 」と対等の並びということになります。

なので
NLP is defined as...
and (NLP) is predicated upon...
という並列な形。

ということで、ここから先は「NLPの定義」ではありません。
※断定していますが、そうやって書いてあるという話です。

こちらは、むしろ「どういうことを基礎としているか」です。

何に注目するか、
どういう発想を前提としているか、
といった感じ。

心理学であれば
「サイエンスは観察可能なものを扱う」
という考え方を基礎としています。

ここでは、肉眼で観察するか、顕微鏡で観察するか、望遠鏡で観察するか
計測機器を使って測定するか…という違いは色々あっても、
全て「観察」という表現に含まれます。
なので、客観的なデータとして扱えるかがポイントという話になります。

同様に、
「NLPは全ての振る舞いは構造を持っているという信念を基礎としている」
と言っていますから、
NLPでは
「全ての振る舞いは構造を持っている」
という考え方が前提になっているわけです。

「え?もしかしたら、構造のない振る舞いもあるかもしれないじゃん?」
っていう発想は無いんです。

そういう疑いを持ったらNLPはできません。
そう断言されているんです。

ですから、ある特定の瞬間に、
ある人の行動が構造を持った主観的体験によって生み出されておらず
実際には、電磁波の影響でコントロールされていることがあるとしたら、
その場合の振る舞いはNLPでは扱えないことになります。

つまり、「人の行動は”全て”プログラムされている」という考え方。
ここには「プログラム」という単語は出てきていませんが、
一般的なNLP用語を使えば、それは「プログラムされている」と言えますし、
もっと一般的な学術用語を使えば、「学習によって形作られている」と言えます。

…なお、こういうことを明記してしまうと
 ラポールはプログラムと関係ないレベルでも起きていると僕は考えているので
 NLPの範囲からラポールやペーシングの話は
 削除される必要が出てしまうような気がするんですが。


ということで、平たく言うと…。

NLPでは
 「人の行動・思考・感情は全てプログラムされている」
という発想を前提にしている。

NLPは
 「人の主観的な体験をプログラムという構造で記述するもの」で、
 「そのプログラムを変えたり、新しく取り入れたりするもの」でもある(=定義)。

という感じになります。

なので、定義には
「プログラムを調べよう」という基礎研究の部分と
「そのプログラムを応用したり、プログラムを変える方法を調べたりしよう」
という応用研究の部分と、
両方が含まれているといえます。

学問の分野を定義するときには良くある形式です。
基礎と応用の両方がありますよ、と。

ほとんどのNLPに関わる人たちは
過去の人たちが「研究して作った方法」を知って
それを日常生活に使うという活動をしています。

定義上、「NLPの応用研究が生み出したもの」も”NLP”に含まれますから
言い回しとして「NLPを使っている」ということになります。

それも1つのスタンスでしょう。

ですが、そのスタンスで関わると
「主観的体験の構造についての研究」は
やっていないような気がします。

そっちをやるのはNLPの研究者(=開発者)だけのようです。

「主観的体験の構造についての研究」のやり方を知れば
自分で研究ができるようになるはずなんですが。

僕にはこっちのほうが面白い。

なので、もし「(応用手法としての)NLPを使う人」を「 NLPer 」と呼ぶとしたら
僕は「NLPする人(=主観的体験の構造を研究する人)」なので、
さしずめ「 NLPist 」といった感じかもしれません。

あまりこういう発言をすると偉い人から怒られそうですが。

cozyharada at 23:23│Comments(0)TrackBack(0)clip!NLP | NLPの基本情報

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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