2013年05月31日

【セミナー】コミュニケーション講座&カウンセリング講座(実践編)

ご案内: 6月16日(日)開催

 〜日常生活とカウンセリングに活かす〜
   対人コミュニケーション講座



この講座で扱うのは、いわば
『エッセンシャル・コミュニケーション・スキル』
のようなものです。

「コミュニケーションの本質」と解釈して頂いても良いでしょうし、
「コミュニケーションのエッセンス」と捉えていただいても構いません。

コミュニケーションの中で大事な部分に絞り込んだ内容となります。

全てのコミュニケーションの技術、例えば
ペーシングやリフレーミング、ねぎらいや明確化の質問など、
技術を利用する目的は、ここにあるはずです。

つまり、
『意図を理解する』
ということです。

コミュニケーションにおいては、
自分の意図したことが伝わったかどうかが重要でしょう。

というよりも、お互いの意図を伝え合うのが
コミュニケーションの中核的な目的だと考えられます。

もちろん、中には「会話を通じて交流を楽しむだけ」
という意図のコミュニケーションもあるでしょうが、
その場合でさえ、お互いが「楽しむ」という意図を共有しているからこそ
その場の関係性が”上手くいっている”ことになるわけです。

片方が「楽しむ」ことを目的にしていて、
もう一方が「自分の考えを理解してもらう」ことを目的としていたら、
お互いの意図は伝わっていないことになります。
空回りするコミュニケーションだといえるでしょう。

ですから、本質的に、全てのコミュニケーションには
お互いに『意図していること』があるんです。
「期待していること」があるとも言い換えられます。

それが明確に伝わっていれば、
コミュニケーションの目的は果たされることになる。

極めて当たり前のことです。

そのためにコミュニケーションをしているし、
多くの人が、そうやってコミュニケーションをしているつもりなものです。


ですが、実態は違います。
意図が明確に伝わっていない場合が多い。

そして、上手くいかないコミュニケーションとは、まさに
意図が伝わりあっていない場面であるはずです。

なぜでしょうか?

理由は単純です。
「誰もコミュニケーションのやり方をトレーニングしていないから」。

「自分がそのメッセージに込めた意図を自覚しながら、
 相手に最も伝わりやすい形で表現する」…
なんてことは、誰も工夫していないんです。

むしろ、ほぼ全てのコミュニケーションは
無自覚なままで学習されてきた経験の産物です。
自分が経験したやり方、自分が見てきたやり方。
ただそれを、そのまま踏襲しているだけ。

例えば、僕は子供の頃、母から注意されるときに
「そういうことしていると皆に嫌われるわよ!」と言われていました。

母が、その叱り方をしていたのは、確か僕に対してだけです。
姉に対しては、そういう言い方ではありませんでした。

にもかかわらず。
姉は今、自分の息子に対して、同じ注意の仕方をしています。
「そういうことしていると、皆に嫌われるんだからね!」と。

姉は子供のころに、「母親が子供を注意するときのやり方」を
自分の母を見て学んでいたんでしょう、無自覚なままに。

そして、30年後。
すっかり忘れていたはずのそのやり方が、自然と出てきているんです。

姉の責任でも、母の責任でもないと思います。
母でさえ、おそらく祖母から学んだのでしょう。

もしかすると、従兄は全員、同じ叱られ方をしたかもしれませんし、
従兄の子供たちも、同じように叱られて育ち、
将来は同じ叱り方をするようになるのかもしれません。

誰もがコミュニケーションのやり方を無自覚に学んでいるんです。
歩き方だって、姿勢だって、うなずき方や相槌の仕方、
さらにはご飯の食べ方だって、気づかないうちに模倣しているんです。

それが普通。

ただ、その普通同士が、上手く絡まない場合
お互いに残念な思いをする結果となる。

ですから、
 コミュニケーションを良好にするポイントは、
 お互いが無自覚に発しているメッセージの奥にある意図を
 明確に伝えあえるようにすること
という話なんです。


確かに世の中には、カウンセリングやコーチングなど
コミュニケーションの手法とされるものがあります。
営業や接客の上手い人も、コミュニケーションの方法に特徴はあるでしょう。

しかし、そういう方法は、特殊な目的のために工夫されているんです。
場面設定そのものが、そのコミュニケーションの大枠の意図を決めています。
お互いにコミュニケーションの目的が暗黙で共有されているんです。

ですが、日常の”やっかいな”コミュニケーションでは
お互いの目的が共有されていないことが多い。

だから意図を把握する必要があるのに、
そのための工夫は、なされていないのが現状です。

1つの対策は、『相手の意図をくみ取る』ということ。

相手は、意図を自覚しないままで、
意図を伝えるための最適な方法ではないメッセージを発します。
意図を奥に隠した、ただ模倣してきただけのやり方をする。

その奥にある意図を汲み取って、
その意図に対して対応していくわけです。

この対応は、カウンセリングでも役立ちます。
クライアントが言葉にできていない意図を汲み取って、
そこにメッセージを伝えていくという形になります。

技術としては、ねぎらい、リフレーミングなどが相当します。

また、意図を汲み取るためには、
相手の感情や価値観を捉える必要がありますから、
ペーシングや観察、明確化の質問なども求められることになるでしょう。

このように、『相手の意図を汲み取る』という目的に対して
コミュニケーションの技術が適用されるんです。

ここが、これまでに開催していた『カウンセリング講座』と繋がる部分です。
カウンセリングがスムーズになり、言葉がけの質も向上するはずです。

もちろん、あらゆる”厄介なコミュニケーション”に役立ちますから
初めての方にも活用して頂けると思います。


そして、もう1つの対策は『自分の意図を明確に伝える』です。

ほとんどの人は、自分のメッセージに無自覚です。
どういう意図でそのメッセージを発したのか
振り返って吟味することさえ少ないのではないでしょうか。

「どうして分かってくれないの!」
…ではなくて
「分かってくれないのは辛い。
 分かって欲しい。
 でも、伝え方が分からない。
 だから協力して。」
…という意図を、自分から伝える。

つい自分がやってしまう、意図を明確にしない伝え方を吟味して
自分のメッセージの裏にある意図を自覚するようトレーニングするわけです。

そして、自分の意図を、相手に分かりやすい言葉で伝えていく。

これが上手くなってくると、相手のメッセージの意図にも気づきやすくなります。
そもそも「意図を汲み取ろう」とする観点が身についてきますし、
自分と同じような表現をしている相手にも気づけるようになりますから。


この2つの方向性で講座を進めます。

・相手の意図を汲み取る
・自分の意図を明確に伝える
です。

できるだけ講座の時間内に、コツを体験していただくつもりです。

一度コンセプトが把握できると、トレーニングの場は日常に溢れています。
職場や街中で目にするやり取り、聞こえてくる会話の全てが
意図を汲み取るための教材になるはずです。

推理の元となる情報の量は、非言語メッセージへの観察力や
ペーシングの技術によって異なりますから、別途
ベースとなるコミュニケーションの技術は磨く価値があると思います。

一方、『意図を汲み取る』、『意図を自覚する』ということを踏まえながら
日常のコミュニケーションに工夫を加えていく作業は、
着眼点さえ心がけておけば常に取り組めるものです。

是非、日常の多くの場面を活用してトレーニングしてみてください。
世界が違って見えるような感じさえしてくるかもしれません。

意外と、皆、良かれと思ってやっているみたいです。
不器用なケースも見かけますけど。



◆今回の講座で得られるもの

●感情を読みとる観察力

●意図を推理する着眼点

●自分の意図に気づくための方法

●相手の意図に対する効果的な言葉がけ

●自分の意図の伝え方



◆お持ちいただくと役立つもの

●ICレコーダー

必須ではありませんが、ICレコーダーのような録音機材をご持参いただくと
振り返りの作業が効果的になります。

ご自身の実習の模様を録音して、振り返るのが目的です。

ビデオをお持ちいただいても構いません。

もちろん、復習のために全体を録音してくださっても構いません。

★ご希望の方には、ご自身にとって”厄介な”コミュニケーションを
 全体で振り返りながら、吟味して頂くことも可能です。

 全てのご期待に応えられるわけではありませんが、
 ご要望はお気軽にお伝えください。




コツを掴むためのトレーニングは様々な角度から扱う予定ですので
少し違った設定で同様のコミュニケーション講座を開催する見込みです。

どのトレーニングが役に立つかは人それぞれかもしれません。
練習にお越しいただけるのをお待ちしています。

特定の関係性、特定の設定で使う”手法”ではありません。
全てのコミュニケーションで活用できる「意図を伝え合う”能力”」を
高めるためのトレーニングと位置づけています。

1つだけ注意事項をお伝えしておくと、
相手は、このような着眼点から「意図を伝え」たり、
こちらの「意図を汲み取っ」たりは、してくれません。

相手の意図を汲み取るのも、
自分の意図を明確に伝えるのも、
どちらも、ご自分の役割ということです。

ともすると、自分だけ負担が大きいような印象を受けるかもしれません。

それでも、その関係性を良好なものにするために、
自分がその負担を請け負いたいと思えるかどうかがポイントになるでしょう。

相手は”普通”なんです。
自分だけ、”普通よりもチョット頑張る”。
その可能性を知っておいて下さい。

お互いが良い気分になれるように、自分から頑張ろうとする
…そういう優しさとも言えるかもしれません。

興味とご都合が合いましたら、お気軽にお越しください。

応援します。



講座の詳細は以下の通りです。



【セミナーの詳細】

〜日常生活とカウンセリングに活かす〜対人コミュニケーション講座
 (併設:『ホンネを引き出すカウンセリング』講座・実践練習)

【日時】  6月16日(日)
     《日中:対人コミュニケーション講座》   10:00〜17:00

     《夜間:カウンセリング講座:実践練習》  18:30〜21:30
 

       ※終了時間は30分程度まで前後する場合があります。
       ★申し込みフォームに、ご希望の時間帯(日中/夜間)をご記入ください。


【場所】 滝野川会館 304集会室
    (JR京浜東北線・上中里駅より徒歩7分)
    (JR山手線・駒込駅より徒歩10分)
    (東京メトロ南北線・西ヶ原駅より徒歩7分)

【参加費】 
      《日中:対人コミュニケーション講座》 ・・・15,000円 
      《夜間:カウンセリング講座:実践練習》 ・・・5,000円

       ★日中の講座にご参加の方は、無料で夜間の実践練習へご参加頂けます

       当日、会場にてお支払いください。


    ★定員に達した場合、キャンセル待ちとして受付させていただくことになります。
     ご了承ください。




終了しました

家族療法で活躍した心理療法家に、ヴァージニア・サティアという人がいます。

NLPを開発する過程で研究対象となった人として有名です。

家族療法と一口に言っても、実際の手法や理論は様々ですが、
サティアのやり方もまた、特徴的なものだったそうです。

彼女の『合同家族療法』のビデオからするに、
かなり教育的な印象を受けます。

サティアには、「理想とする家族のコミュニケーションのやり方」というものがあって、
それが家族全員(特に夫婦)でできるようにトレーニングするのが
彼女のセラピーの中心になっていたと見受けられます。

そして、その「理想とするコミュニケーションのやり方」こそが、
この講座で扱うもの、つまり「意図を伝え合う」ことなんです。

サティアは、家族全員(夫婦両方)に対して関わって
お互いに意図を”自分から”明確に表現できるように
会話のやり方をトレーニングしたようです。
(一人ずつ個別に関わっても、全員を教育したとか)

その場合なら、「自分の意図を明確に伝える」側だけをやっても
最終的なコミュニケーションは分かりやすいものになっていくでしょう。

すれ違いや誤解は減っていくはずです。

おそらく実際には、家族成員の一人だけが
自分の意図を明確に伝えるように努力したとしても、
家族全体に対する効果は得られると考えられます。

意図を明確に聞くことができた側は、感情的な反応をやめたり
勘違いした表面的な対応を修正したり、
本当の気持ちの重要性に気づいて丁寧に話を聞こうとしたり…、
様々な形で関わり方を変える可能性があるからです。

ですから、「自分の意図を明確に伝える」トレーニングだけでも
大きな効果が期待できると思います。

しかし、この講座では「相手の意図を汲み取る」ほうもトレーニングします。

こちらは「言わなくても分かってもらえる」ような人になるのが
トレーニングの趣旨と言えそうです。

日本文化らしい”察する”コミュニケーションです。

「明確に伝えなかったのに分かってくれた」ということが
信頼感を生む場合もありますし、
「これだけは言わなくても分かってくれる人であって欲しい」
という期待を持っている人に関わる場合もあるでしょう。

そのためにも、「相手の気持ちを汲み取る」側も扱うことにしました。

これがサティアのスタンスのように、
望ましいコミュニケーションなのかは分かりません。

言葉にしなくても分かりあえる喜びを優先したいこともあるでしょうし、
そもそも良好な関係でありたいと思わない場合もあるでしょう。

意図を明確に伝え合うことを必要としないと判断したら
そのときには気にしなくても良いんじゃないかと思います。

ただ、意図が明確に伝わり合っていれば、
それだけで良好になっていく関係性も沢山あるようです。

シンプルな原則ですが、多くの人が気にしていないはずです。
コミュニケーション技法としても、扱われることは少ない気がします。

日々の生活に役立つコミュニケーションの方法。

もちろん、援助の技術としても応用可能です。
そのまま家族療法に応用できるわけですから。

興味が沸いた方なら、トレーニングしておく価値はあると思います。
人の一挙手一投足の奥にあるものが見えてくる感じがするかもしれません。

不器用な表現の奥にある大事な気持ちが感じられるのは
決して悪い気分ではないと思うんですが、いかがでしょうか?


積極的なご参加をお待ちしています。

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 ◆ セミナー情報 

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《コミュニケーション講座》
 〜人を育てる指導力〜

【日時】 
  2019年6月16日(日)
   10:00〜16:30


【場所】 
  北とぴあ 601会議室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

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《瞑想講座》

【日時】 
  2019年6月22日(土)

  午後の部 13:30〜16:30
  夜間の部 18:00〜21:00

【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

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《怒りの取り扱いマニュアル》
 〜期待の手放し方と
  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
   10:00〜18:30


【場所】 
  滝野川会館

   JR上中里駅より7分
   JR駒込駅より10分
   南北線西ヶ原駅より7分

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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