2013年09月17日

『身体意識』の本

やっぱりこの人の本はスゴイ。

こんな本の出版が許されていることが何よりスゴイ。

テーマは身体意識の分析。
体の使い方に関する”意識”の仕方が、
その人のパフォーマンスを大きく左右するというコンセプトです。



こういった身体意識が運動と関わるというだけなら
一般的にも分かりやすい感じがするかもしれません。

もちろん、そういう観点から書かれた本もあります。

ですが、この本は更にぶっ飛んだ内容になっている。
「偉人が、どうしてあれだけの活躍をできたのか?」
そのことを身体意識と絡めて解説しているんです。

著者本人は「研究した」とか「分析したところ」と書いていますが
題材に上がっている人物は、現存しない人ばかり。

当然、その偉人達に直接「どんな身体意識を持っているんですか?」
とインタビューすることなんてできません。

ビデオが残ってでもいれば、画像解析のようなことも可能かもしれませんが
この著者は、多分、そんなことはしていません。

なぜなら、チンギス・ハンとか葛飾北斎とか、
写真すら残っていない人たちの身体意識を
どういうわけか研究したり、分析したりできるんですから。

その人たちが自らの身体意識を文章に残していることだって考えにくいので
書物を紐解いて調査したということでもないはずです。

写真があれば写真を見て、
肖像画や自画像しか残っていなければ、その絵を見て、
どういう身体意識を持った人だったのかを考察したんだと思われます。

きっと、”注意深く見るだけで、なんとなく分かる”んでしょう。

ある意味では、極めて主観的です。
他の人が同じように「研究・分析」できるのかも定かではありません。

なんとなく感じられるものを個別の要素に分解しながら
図に起こしていくような作業をしているんだろうと想像されます。

著者には直感的に感じられてしまうものを
図に描き起こすことで意識化していくんじゃないでしょうか。

そうすると、著者本人さえも
「オーッ!こんな図になった!これはスゴイ!」
という、無自覚だった印象を意識化する際の”気づき”がある。

そのような流れを「研究」とか「分析」と呼んでいるんだと僕は”考察”します。

そして、そういう極めて主観的で直観的な印象を
偉人の身体意識という検証しようのないものに対して
大真面目に語れることが、なんといってもスゴイことだと思うんです。

誰も検証しようがありません。
正しいかどうかなんて分かりません。

でも、それでいい。
それが面白いんです。

そうやって堂々と持論を展開していけるのが只者ではないところでしょう。

このレベルになると誰もエビデンスがどうだとか口出しできないと思われます。
武道やスポーツ関係で活躍する人ですから、
根拠だなんだと言ってくるような分野でもないのかもしれません。

「高岡英夫がそういうんだから」と思わせてしまう説得力があるような気もします。

何より、実際に絵やら写真やらを見ながら解説を読んでいると
納得できるところばかりなんです。

身体意識として、「確かにそうだ」という感じがある。
少なくとも、僕はそれが納得できます。

僕自身は武道やスポーツの達人ではありませんが
きっと体の使い方をトレーニングしてきた人たちの中には
高岡英夫理論がシックリくる人も沢山いるんじゃないでしょうか。

おそらく僕は武道やスポーツではなく
非言語メッセージの観察やペーシングといった
コミュニケーション関係のトレーニングから得たものを土台にして
納得感を得ているんだろうと思います。

この著者に教えてもらいながら「身体意識の分析法(図解法)」を練習したら
僕も似たような作業ができるようになるんじゃないかと感じるぐらい、
解説を読んでいると「確かに…」ということが多いんです。

僕は個人的に楽しめる内容。


こういうことをしている人が有名になって持論を大きく展開できるというのも
身体意識といった”体”と結びついたテーマだからかもしれません。

同じことを”心”でやろうとすると、今はまだ厳しいような気がします。

”体”は達人のパフォーマンスが見て取りやすいですから。
”心”の達人だと、どうしても言葉とか技法とか、表面的なところに行きやすい。

コミュニケーションにも身体意識は大きく関わっているんですが…。

そんな多少のもどかしさを感じているからこそ、
この著者の身体意識論が清々しく思えるんでしょう。

机上の空論を重ねたような説明や
統計データを使って論理的考察を誤魔化した説明、
脳科学や量子力学の一部だけを引っ張り出して拡大解釈した説明など
”考える”ことを放棄したような話を目にすることが多い中、
あえて徹底的に”感じる”ほうに集中しているものは貴重だと思います。

偉人の選び方からして、僕の趣向とは合わない別世界の人のようでもありますが
この著者の存在は、僕の心の支えにもなっている気がします。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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