2013年11月01日

ロビン

中学校だか高校だかの英語の教科書に
「 Robin 」というタイトルの話が載っていたのを覚えています。

「 Robin (ロビン)」は日本でいう「コマドリ」の仲間。
イギリスなどでは特に一般的な鳥だそうです。

英語圏の人が「 bird 」といって真っ先に思いつくような種類の鳥。
大きさや形からすると、日本人にとってのスズメのようなものでしょう。
(最近はカラスやハトのほうが多いようですが)


で、その物語の内容を正確に覚えているわけではないんですが、
大雑把にいうと、こんな感じでした。

 少年たちが外で遊んでいると、地面に一匹の傷ついたロビンを発見する。
 
 「ケガをしている。もう飛べないね。かわいそうに。」
 といった感じで、苦しませるのは気の毒だからと
 少年たちは安楽死させてあげることに決めます。

 とはいえ、手ごろな道具があるわけでもありません。
 そこで、近くにあった石を使うことに。

 石で叩きつけるようなやり方は残忍に思えたんでしょう。
 少年たちは、石を上から落としてロビンに当てることにしました。

 石を上から落とす。
 なかなか命中しません。

 たまたま当たったときも命を奪うまでには至らず、
 いたずらに痛めつけているような時間が続きます。

 ですが、もう少年たちに後戻りはできません。
 ロビンが息絶えるまで、石を落とし続けました。

 その結果そこには、うず高く積まれた石の山ができました。

…と、結構キツイ内容だったんです。
だから記憶に残っているんでしょう。

挿絵があったかどうかも定かではないんですが、
僕の中にはピラミッド状に積み上げられた小石の山が
まるでロビンの墓標のようになっているイメージが残っています。


そして授業では、こういうのが「 innocent 」なんだ、と教わりました。

ミスチルの「イノセント・ワールド」でお馴染みの「イノセント( innocent )」です。

「無実な」とか「無害な」とか「純真な」といった
ポジティブな意味合いで使われることもありますが、
「世間知らずな」、「無知な」、「うぶな」のように
否定的な意味合いで使われることもある単語です。

ちなみに、東京都知事のオリンピック招致のプレゼンも
相当に「 innocent (いのせント)」な感じがありましたが、
その語呂合わせは偶然です。


話を戻すと、
この「ロビン」というストーリーに描かれているのは
 ”純真”であると同時に”無知”な少年たちが生み出す残酷さ
だったのだろうと思います。

もちろん、少年たちの行為は善意に基づくものと言えるでしょう。
良かれと思ってやったはずです。
とても純粋な優しさかもしれません。

しかし、結果は残酷なものとなってしまった。

子供の純粋さには、先を予測できないが故の危険性も伴う、という話です。

良かれと思ったことが裏目に出るのは、大人になっても起きることですし、
どれだけ気をつけていても完全に避けられるものではないでしょう。

ただ、どういう結果が起きうるかを予測するほど
善意が裏目に出てしまう可能性は下げられると思うんです。


「子供のように純粋な気持ちで人と関わる」なんていうと聞こえがいいですが
実際には非常に大きなリスクを伴っていることも忘れられない気がします。

「好奇心をもって人と関わる」というのも同様です。
好奇心から生まれた質問が、相手を傷つけることだってあるんです。

”気づかせる”つもりが、”傷つける”になってしまったら…。
そういう結果を予測して言葉を選ぶように心がけない限り
好奇心には「 innocent (イノセント)」な状態に通じる危険性があるはずです。

小さな子供が”好奇心”から残酷に虫や小動物を殺すのも良くあることですから。

好奇心から質問を見つけること自体は悪くないとしても、
見つかった質問を無邪気に(イノセントに)言葉にしてしまうのは
注意が必要なところじゃないでしょうか。

好奇心で質問を見つけるプロセスには子供のような”純真さ”が役立つとしても、
その質問をしたことで相手に与える影響を予測して
言葉に出すかどうかを選ぶプロセスには、”無知”では困るんじゃないか、と。

純粋な気持ちから無邪気に石を投げつけていないか?
そういう注意をするのも大切だと思うんです。

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この記事へのコメント

1. Posted by 渡辺 由紀子   2013年11月02日 10:20
違いへの好奇心、が、違いを活かしあう事につながると教わってきて、それがよく機能する事も経験してきたのですが・・
一方で、訊かれる以前に、聴かれるだけで傷つけられた事もあり・・
怖い世界に足を踏み入れてしまったと思うこのごろですが、意識しようとしまいと、人との関わりの中で生きていくのですから、どんな形にしろ学び続けていくのだろうと思います。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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