2013年11月08日

食べ方教室

世の中には料理教室やレストランの批評など
「何が美味しいか」を元にした活動が沢山あります。

料理教室では「こういうのが美味しいんだ」という基準をもって
”美味しい料理の作り方”を指導してくれる。

グルメライターや料理コンテストの審査員は
「これが美味しい」という基準で、他人の料理を審査する。

本当は、個人の好みとかもあるはずなのに
「これが美味しい」というものを決めるにあたって
ある程度の共通認識があるはずなんです。

しかもそれは、「大多数の人が平均的に美味しいと感じるだろう」
という世間一般の評価ではなく、”味の違いが分かる”人たちが
美味しいものの中から特に美味しいものを選び出す作業です。

料理人はホンのチョットの塩加減や火加減で生まれる味の違いを調べ
審査する側は、その些細な違いで美味しさを比べる。

共通認識としての「美味しさ」の基準に基づいて判断されるんです。
その基準が”分からない”人は、”向いていない”ということになるんでしょう。


ちょうど世間一般の人が
「私、この絵が好き」、「あの歌イイよねぇ」、「この服カワイイー」
などと好みを語るのとは別のところで、
専門家が「より良い」ものを判断するのと同様です。

美術作品でも、歌のオーディションでも、ファッションでも
「良いもの」が専門家によって審査されます。
そこには専門家が共有している基準があるんです。

そして専門家ではない世間一般の人たちは
その専門家が良いとするものを参考にして判断します。

だから「ダサい」とか「古い」とかいった評価が生まれるんでしょう。

「でも、好きなんだから良いじゃん」といって済ませられる人は構いません。
が、社会生活をするうえでは、ある程度、共通認識としての基準に
合わせられる能力も求められることがあります。

絵ではそういうことも少ないかもしれませんが、例えば
文字とか、歌とか、服装とかだと共通の基準が求められることはあるものです。

「あの人の字はカワイイ感じで好きだなぁ」という好みとは別に
「社会人としてお詫びの手紙を書くのには不適切だ」という見方もあるでしょう。

だからこそ、「ペン字講座」とか「歌のレッスン」とか
「イメージコンサルタント」とかいったものが利用されると考えられます。

つまり、
・専門家が繊細に判断する「良いもの」の基準がある
・その基準を元にした一般的に「望ましいもの」が社会的に決まる
・この基準を満たすための効果的な方法を伝える仕事が生まれる
といった感じ。


ですから、料理教室がやっているのは、
 一流とされる料理人と評論家が共通認識として持っている
 「美味しさ」の基準の尺度において、
 「美味しい」レベルを上げるための方法提供
といったことになるんでしょう。

その一方で、やっぱり好みの問題は残ります。
「料理教室ではこれが美味しいものとして習ったけど
 私の好みはこっちです」
なんていう意見が出てくる可能性は十分にあります。

もちろん、それで好みに合わせてアレンジするのも構わないんでしょう。

が、もう1つの観点として
 その美味しさの基準を判断する方法を学ぶ
というものがあるはずです。

つまり、ワインでいうところのソムリエ教室のようなものです。

ソムリエ教室ではワイン作りは学びません。
ワインの味わい方を教わります。

こういう風に香りを楽しんで、こうやって口の中で味を広げて
ここの味覚と嗅覚の違いを楽しむんです…という具合に
体験の仕方をトレーニングしてもらえる。

同様に、
 こういう風に食べ物を口に運んで、口の中のこの辺に食べ物を置いて
 口のこの部分を動かすようにして噛んで、この感覚に注意を向けるんです
…といった、食べる時の体験の仕方を教えたら
専門家が美味しいと評価するときの基準が理解しやすいと思うんです。

他人の食べ方に興味を持つ人は多くないかもしれませんが、
多くの人は、いつもの自分の食べ方で食事をしているようです。

マナーとかの話ではありません。

どうやって口を動かすか。
どれくらいの量の食べ物を、口の中にどうやって運ぶか。
それを口の中のどこに置いて噛むか。
どの感覚体験に注意を向けているか。
これによって感じられる”味わい”は変わってくるものです。

口の奥のほうを広げて鼻に空気を抜きながら
目と鼻の間ぐらいに注意を向けて食べると、
食べ物の匂いが良く分かります。
特に、噛んだ瞬間に広がる匂いに良く気づきますから
生臭さに対して苦手意識を持つことがあるようです。

逆に中華料理では、土地特有の水質の影響があるのか
生臭さを感じやすい食べ方ではなく、口の前のほう…
舌と歯のあたりを中心にして食べることが多いように見受けられます。
その分、調味料のバランスや歯ごたえが重視されるんだろうと思えます。

寿司を例にとっても、
トロやサーモンを食べるとき、
光りものや貝類を食べるとき、
白身を食べるとき、…など
それぞれ違った食べ方をしたほうが良いんじゃないかという気がします。

それは裏を返すと、好みが分かれているということです。
好みの違いがあるのは、食べ方が違うから。
その美味しさの特徴をより多く感じられる食べ方をしていると、
それが好きになる、というわけです。

もっといえば、食べる量だって食べ方と関係しています。

よく「30回噛んで食べましょう」なんて言いますが、
僕の食べ方だと30回も噛もうとしたら、残り20回は口の中が空っぽです。
何もないのにモゴモゴと口を動かさないといけません。

それはきっと僕が、歯よりも外側(ほっぺた側)に食べ物を置かないからです。
そのうえ、口の奥よりで味わう傾向が強いので
食べ物は常に喉に近いところにあるんです。
喉の奥へ流れていって、飲み込まれるのが早いのが自然な状態だということです。

大食いタレントの「ギャル曽根」は、さらにこの傾向が顕著です。
一口が大きい。
一気に口の奥に食べ物を入れます。
でも、ほっぺたが膨らみません。
奥歯で噛みながら、その都度すぐに飲んでいる感じなんでしょう。

一方、ほっぺたが膨らむ感じの食べ方をすると
長い間噛んでいることが可能です。
文字通り「頬張る」感じ。
ハムスターがほっぺたに食べ物を蓄えるような、あるいは
飴玉をほっぺたに入れておくような状態。

ああやって、食べ物を歯よりも外側(舌と反対側)に置いておきながら噛むと
噛み終わった食べ物が少しずつ口の内側(舌の上)に落ちてきます。
良く噛んだものだけが舌の上にやってくる。

そして、飲み込むタイミングも舌の上の食べ物を喉の奥に移動させてからです。

もしかすると、ガムを噛むのに似ているかもしれません。
なかなか舌の上に食べ物を落とさない。
そうすると30回ぐらいは噛めるような気がします。

ただし、その食べ方では体験しにくいタイプの味わいもあります。

ですから、どの食べ方が良いといった話ではないんです。
目的に応じて食べ方を変えられると、色々なことができる。

ダイエットしたければ、それに適した食べ方があるし、
健康のために良く噛んで食べたければ、そういう食べ方がある、と。

和食の食べ方、蕎麦の味わい方、寿司ネタごとの口の動かし方、
中華料理の噛み方、スイーツで幸せを感じる注意の向け方…
色々な使い分けができると楽しみの幅も広がるんじゃないでしょうか。

何より、一般的に設定されている美味しさの基準を理解できます。
専門家がやっている味わい方を教われば良いんですから。


そういう料理観賞教室とか、誰かやったら良いのになぁと感じます。

「元ミシュランガイド審査員が教える!
 料理が100倍美味しくなる食べ方のコツ」
みたいな本やセミナーがあったら、僕は手が伸びてしまいそうです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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