2014年01月17日

審査の仕方

NHK Eテレ(元・教育テレビ?)で毎週金曜日18:55から放送されている
『スクールライブショー』で書道パフォーマンスをやっていました。

3週連続の企画ということで
1月24日、31日にも放送されるそうです。

書道パフォーマンスとは
 音楽に合わせて集団でダンスを踊ったりしながら
 大きな一枚の紙に文字を書いて時間内に作品を仕上げる
というもの。

一般的な書道の形ではありませんが
NHKのこの番組に審査員で出ている先生方は
デザイン習字屋や筆文字アーティストではなく
一流の『書家』としてご活躍の面々。

そして審査員の先生が出張して学生にレッスンする光景や
先生自身が大作を書き上げるシーンなども登場するため
書道パフォーマンスそのもの以外の部分でも楽しめます。


中でも僕の注目は、審査員の審査の仕方とコメントの内容です。

もちろん、各審査員に好みがあるでしょうから
審査内容に差が出るのは当然のことでしょう。

とはいえ、書道部の高校生が踊りながら書くものです。
一般的な書道の展覧会で審査をするのとは違います。
普段に書道の作品を審査するときとは違った基準になりやすいはずです。

だからこそ、各審査員の着眼点の差が面白かったり
何を意図してコメントをしているかに表れる特徴が面白かったりするわけです。

例えば、「技術」、「構成」、「情熱」の3項目に分かれている審査基準にしても
審査員によっては「構成」を「書作品としての構成」として見ているようだったり、
「作品とパフォーマンス全体としての校正」として見ているようだったり、
評価の仕方にさえ違いがあるように感じられます。

この審査員の先生は何を意図して評価しているのか?
…という基準で番組を見ると、違った角度から面白い気がします。

そして、得点のつけ方も注目ポイント。

ここに「審査員」という立場の難しさがあると思います。

例えば10点満点での評価だとして
どこを10点とするか、という話です。

書道の技術として10点満点で評価をしたら
書家の先生からすれば10点満点なんてつけるはずがありません。

きっと、その先生が尊敬する大先生の作品ぐらいが10点で、
自分の作品が8点から9点ぐらい。
そんな基準で他の先生と比較をしていることでしょう。

その基準に照らし合わせたら、高校の書道部の生徒の技術は
いったい何点になるんでしょうか?

絶対に満点はつくはずがありません。

どこか別のところに満点の基準を用意する必要があります。

この審査のための基準設定に
評価者・教育者としてのスタンスが見えるのではないでしょうか。

仮に、厳しい審査員という立ち位置を取り
常に技術的な未熟さを指摘するとしたら、
どの高校も4点から6点ぐらい、最高でも7点なんてこともあるでしょう。

どこの生徒も技術の問題点ばかりをコメントされて
高評価のコメントがなかったとしたら、
得点の差の根拠を知ることさえできません。

あっちの高校は7点で、自分のところは5点。
どちらも「もっとこうしたほうが良い」しか言われていない。
良かったところの違いは何か?
7点と5点の違いは何か?
そういう疑問が残ってしまう可能性があります。

何より、決勝戦としてテレビに出て、
10点満点で5点しかつかず、問題点ばかり指摘されたとしたら…。

高校生の今後のヤル気は取り組み方への影響も
審査員のコメントや評価によって左右されると考えられます。

審査をするだけなら、そんなことは気にしなくても良いのでしょうが、
高校生への教育という観点を持っているとしたら
審査の基準にもコメントの仕方にも、違った配慮が生まれるかもしれません。

また、大会を見る側の発想からすると
優勝校が10点満点で7点しか取れていないようだと
なんだか少し残念な感じがします。
レベルの低い大会だったんじゃないか?と。

できれば、優勝校は満点に近い点数であって欲しい。
その上で参加校の得点に差がついていれば審査が適正な印象を受けます。

優勝校の得点に7点をつけて、最下位に4点をつけるとしたら、
最高が10点、最下位が7点でも構わないはずです。

見る側として、参加する側として、どちらに魅力を感じるでしょうか?

だからといって甘くつけすぎると、10点の高校が沢山になってしまう。
もしかすると技術点10点でも、本当はすごく差があったのに、
最初の設定を甘くしすぎたために、明らかな技術の差が
両方とも10点満点に収まってしまう場合だってあるかもしれません。

ここが審査員としての技術の表れるところなんでしょう。

10点がついているチーム同士で比べると優劣はつけ難い。
でも9点とは明らかに違いがある。
それでいて10点から順当に点差がついて、6,7点ぐらいまでで収まる。

そんな感じの採点ができたら名審査員、といったところかと思えます。

この辺りの
・教育者としての配慮
・審査基準の適正さ
に注目すると、
書道パフォーマンス以外のところでも楽しめそうです。

もし、「書道には興味が無い、でもコミュニケーションには興味がある」
といった場合には、審査員の様子を観察するだけでも
一見の価値ありじゃないかと感じます。


ちなみに、全く話は逸れますが、
僕は高校生が頑張っている姿を見るだけで
ホロリと来てしまいます。

年を取ったんだなぁと思う瞬間です。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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