2014年02月16日

カウンセリングの中核は感情の読みとり

先日のカウンセリング講座実践トレーニングでは
頂いたご質問にインスパイアされて感情の分類をやってみました。

カウンセリングの際に注目すべき感情の種類を列挙する形です。

そのため、喜びや安心感、楽しさなどは取り上げず
問題に伴って表現される感情にフォーカスしてみることとしました。

感情表出が静的か・動的か、
感情の対象が外的(他者)か・内的(自分)か、
という要素で分類してみると、
それなりにクラスターに分けられます。


その感情のタイプによって対処の種類を想定できますから、
カウンセリングの方向性を決める上でも感情を捉えるのは重要です。

自分では、あまり整理しない形で流れに応じて対応していたと思いますが
実際に整理をしてみるとカウンセリングの進め方がスッキリしそうに感じました。

最終的に
「ねぎらい」が必要なのか、
「解消」や「発散」が必要なのか、
「いやし」や「つながり」が必要なのか、
「ゆるし」が必要なのか、
「具体的な対処方法」が必要なのか、
「リフレーミング」が必要なのか…。

その判断基準として、取り扱う感情の種類がポイントになる。

過去の記憶に戻るような、いわゆる”トラウマ・セラピー”の手法は
上記の対処法の中では一部でしかありません。

クライアントに合わせて対処法を選ぶためにも
『整理したい感情』の種類を特定することが役立ちます。

なぜなら多くの場合、1つの感情は1つの問題(課題、テーマ)と
セットになっているからです。

もちろんクライアントの状況も関わりますから話の内容も大切ですが、
話の内容だけで整理すると、1つの話題に複数の感情が関わっている場合
的確に問題を絞り込めないことが起きてきます。

にもかかわらず、大抵の人は話の内容に一生懸命になり過ぎて
感情を捉えようとしない傾向があります。

その意味では、話の内容以上に感情の種類を捉えることで
問題を焦点化して、対処の方向性を決めるように心がけると、
表面的な”傾聴”で終わってしまうことは避けられるメリットがあるでしょう。

焦点化もスムーズになる上に、重要なポイントも見逃しにくくなり、
かつカウンセラー側が対処の方針を考えるのも明確になる。

カウンセリングをシンプルで効果的なものにする
1つの有効なスタイルになりそうです。

適当な名前でもつけたら、それなりの形として展開できるかもしれません。
…まぁ、僕は興味がないので誰かに譲りますけど。


ただし、色々と表れる複雑な感情を読みとるのが前提ですから、
そこのハードルが高いと思われる可能性もある気がします。

「どんな気持ちですか?」なんて質問して言語化できるレベルの感情であれば
その感情に伴った悩みを抱えることは滅多にないものでしょう。

複雑な感情が入り乱れて、しかも自分の手に負えないから悩むんです。

それを捉えて整理して、解消するお手伝いをするのがカウンセラーの役目。

その前提は、観察力、共感力、同調能力を駆使して感情を読みとることであって、
同時に、感情を読みとれる度合いこそがカウンセリングの効果にも直結する。
そんなスタイルのカウンセリングといえるかもしれません。


言うまでもなく、
その後の対処で「〜セラピー」のような大掛かりなことをしなくても、
日常の人間関係で他者の悩みの支えになることは可能です。

「ねぎらい」が必要なのか、
「解消」や「発散」が必要なのか、
「いやし」や「つながり」が必要なのか、
「ゆるし」が必要なのか、
「具体的な対処方法」が必要なのか、
「リフレーミング」が必要なのか…
といった方向性さえ分かっていれば、
どういう関わり方が望ましいかも判断しやすいでしょうから。


ということで、
カウンセリング講座中のご質問に答えながら
その場の思いつきでまとめただけのものとはいえ、
なかなか使い勝手の良い着眼点が整理できた感じがします。

現時点ではザックリしていますから、もう少し細かいところまで調整して
何かしらの形で紹介するときが来るんじゃないかと思っています。

しかし、整理しようとしてみると意外と形になるものですね。

有意義なご質問を頂けるのは、考える楽しさだけでなく
予想もしていなかった副産物も見つかることもあって
なんとも嬉しいものです。

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
おしらせ
 ◆ セミナー情報 

New!

《コミュニケーション講座》
 〜人を育てる指導力〜

【日時】 
  2019年6月16日(日)
   10:00〜16:30


【場所】 
  北とぴあ 601会議室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《瞑想講座》

【日時】 
  2019年6月22日(土)

  午後の部 13:30〜16:30
  夜間の部 18:00〜21:00

【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《怒りの取り扱いマニュアル》
 〜期待の手放し方と
  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
   10:00〜18:30


【場所】 
  滝野川会館

   JR上中里駅より7分
   JR駒込駅より10分
   南北線西ヶ原駅より7分

詳細はこちら>>
次回未定


 ◆ 過去の講座 

《新カウンセリング講座》
 〜まとめと実践〜


当時の内容はこちら>>


《勉強会》 

【テーマ】 変化の流れを考える

当時の内容はこちら>>
次回は未定



 ◆ お問い合わせ 
  技術向上、
  コンサルティング、
  スーパーバイズ、
  執筆・講演…

  諸々のお問い合わせはこちらへ>>



ホームページ
バナー1


プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
Archives
最近のコメント
QRコード
QRコード