2014年04月06日

専門家のコミュニケーション

先日、花粉症の薬をもらいに皮膚科に行きました。

30〜40代ぐらいの医師でしたが、目が合ったのは1秒未満。
パソコン画面に入力しながら話をしていました。

話し方にしても、どこで覚えたんだか、奇妙な声のトーンで
言うべきことを声に出すことを目的とした発声。

「事務的」だったら、まだ内容の伝達そのものには意味がありますが、
上の空で独り言をいうような口調になるのは、一体どこで何を経験して
どのような学習をしてきた結果なのかと不思議なほどです。

日常会話でそんな声の出し方をする人は見たことがありませんから
おそらく医者モードになったときだけ、そういうスタイルになるんでしょう。

それが当然のこととして疑問にも上がらなくなっているとしたら、
アパレル店員特有の「いらっしゃいませー、どうぞご覧くださーい」とか、
とにかく元気に声を出しておくことを売りにしている居酒屋とか、
高齢者を子ども扱いする介護職員とかと似たようなものなのかもしれません。

多くの人にとってコミュニケーションは、
わざわざ気にするものではないのだろうと思われます。

その分野では当たり前として済んでいることが沢山あって
他の分野からしたら驚くような実情が色々とありそうです。
コミュニケーションはそのうちの1つに過ぎないということ。

例えば、最近何かと話題に上がる学問や研究の分野でも、
そこでは当然のこととして気にされていなかったものが
世間一般の人たちの発想からすると常識外れと判断されます。

そして、そうした事態の奥底には、部外者では想像もできないような
複雑な事情が絡んでいることもあるようです。

その分野を知らない人から見れば、
「これぐらい、やってくれて当然だろう」
というような範囲も、
その分野の人たちにとっては馴染みのない内容かもしれないんです。
そこの事情では、むしろ「やらない」ほうが自然だったかもしれないんです。

複雑に入り組んだ専門分野特有の事情。
専門的だからこそ軽んじられる専門外の能力。
両方が絡んで、特殊な世界が作られるのではないでしょうか。


そもそも世間一般が持つ専門家への期待は
あまりにも大き過ぎるような印象を受けます。

専門家の専門性だって人それぞれ違いがあります。
その上で、専門外の範囲は世間一般の常識とは異なっている。

世間的に持たれている「こうであって欲しい」という期待は
専門分野の実情とは随分と差があるように思えます。

何より、専門家に一般的な期待を押しつけるのは
酷なことになる場合さえあります。

コミュニケーションのことまで考えていられない人だっているでしょうし、
コミュニケーションのことを考えなかったからこそ
その専門家になれた人だって大勢いるように見えます。

そこにある程度の仕方なさがある以上、専門家を利用する一般の側こそ
専門性を上手く利用する技術が求められるのかもしれません。

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この記事へのコメント

1. Posted by 渡辺 由紀子   2014年04月08日 00:15
専門性へのあこがれはありますが、バランスのとれた健康な「人」でありたいとの願望が強いかな。
専門家であるからといって、社会生活で許されない事が許されるなんて事は、私の感覚からは許しがたい事。
ちょとと飛躍があるかもしれないけど、芸の肥し、なんていう言葉も大嫌い。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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