2014年04月15日

データの解釈に気をつける

インターネット上には様々な意見が溢れていますが、最近
ニュース記事など様々な形でそういう情報を目にする機会が増えました。

「こういう理由で私は、こう思う」といった形なら主観ですから
それをどのように捉えるのも人それぞれでしょう。
「うーん、私はそうは思わないかな」と言いやすい。

ところが、そうしたニュース記事や少し権威づけされた人の見解などでは
多少のデータが含まれていて、客観性があるように見えるみたいです。

データの信ぴょう性だけでなく、データの解釈の部分でも、ツッコミどころが多い。

「そのデータからだと、他の結論だって考えられる」
といった見解がよく見受けられるわけです。


先日見たのは、
「近年の日本人の死亡原因の第一位はガンで、ガン死亡率は世界一位だ。
 最近の日本の食卓には発ガン物質が沢山含まれている。
 そういう危険な食品は排除しよう。」
といった意見。

健康のために食品の安全性に注意を向けるのは結構なことだと思います。

とはいえ、
「発ガン性のあるものを含んだ食品が増えたから、ガンで死亡する率が高い」
という因果関係には疑問があります。

別に
「発ガン性が報告されている食品が多いから気をつけましょう」
とだけ言ったって構わないはずなんです。

ガンによる死亡率というデータを引っ張ってきて
自説の説得力を上げようとしたのかもしれませんが、
論理的にはツッコミどころが多いといえます。

「ガンで死亡する割合が一番高い」ということと
「ガンになる人が増えた」ということとには
必ずしも因果があるとはいえません。

実際にはガンになる人は減っているかもしれませんが、
他の理由ではなくガンで死亡する割合が上がったのかもしれません。

つまり、
「日本では、医療の進歩によってガン以外の病気は治るようになった。
 昔の日本や、現在でも他の国ではガン以外の病気でも亡くなる人が多い。
 現代日本ではガン以外の死亡原因が減ったことによって
 相対的にガンによる死亡率が以前と比べて上がり、
 他の国よりも高いガン死亡率になっている。」
という可能性もあるだろう、と。

もちろん、病気だけではありません。
貧困や事故、災害、戦争など、様々な死因が考えられます。
日本はそうした要因が少ないために、結果的に医療では対処しきれない
ガンによって死亡する割合が高くなっているとも考えられます。

アメリカなんて医療技術では最先端とされますが、
医療保険制度が日本と大きく異なるため
その最先端の医療を受けられるのは限られた人でしょうし、
貧富の格差の大きさによっても充分な医療を受けられない人もいるそうです。

実際、日本人の平均寿命は上がってきていますし
日本の長寿のレベルは世界でも上位に入っているわけです。

ガンの特効薬がないこと、
進行してしまった場合には外科的にも対処しきれないこと、
…そうした現状からすると、ガンは防ぎきれていない死亡要因だといえます。

また、ガン細胞そのものは普通に生まれては免疫系によって排除され、
加齢とともに発がんのリスクが高まっていくともされていますから、
高齢になるほどガンで亡くなる確率が高まるのは仕方ないところなんでしょう。

他の病気を治すことができるようになり、生活環境が安全で便利になり、
健康面でも福祉面でもサポートが充実してくるにつれて高齢化が進み、
対処しきれずに残っているガンだけが、その死亡要因として際立ってくる。

そういう流れだって考えられるはずです。

というよりも、僕にはそっちのほうが説得力が高いと思えます。

日本のガン死亡率の高さは、
「いかに日本の生活環境が安全で、多くの人が高度な医療を受けられて
 ガンで亡くなるまで長生きできるか」
を示しているとも結論づけられます。

日本のガン死亡率の高さは、
「発ガン性食品の多いから」
だとは必ずしもいえないわけです。


こういったデータに対する考察の仕方、論理的な結論の導き方には
考え方のトレーニングが求められるようです。

データの解釈に対して細かく疑問を持つようにしていないと
パッと見の説得力で鵜呑みにしやすくなるようです。

データから導かれる結論に疑問を呈して、
他の可能性がないかどうかを考察してみる。

同じ結論を出すためだとしたら、他にどういうデータが必要か?
と考えてみる。

そういったトレーニングが有効でしょう。

そこでオススメなのが、この本。



統計のデータを元に、
「〜な人は、…だ」
という論点を沢山挙げています。

統計プロセスは削除されていますから、
本当に統計的に有意なのかは分かりません。
疑わしいのもありました。

ただ、データが有意な差だと考えたうえでも
結論の導き方には異論をはさむ余地が色々とあります。

「このデータは、本当はこういう意味なんじゃないか?」
「このデータが表れる裏には、こういう別の関係性が含まれているだろう」
「この結論を示すには、この数値に加えて、これらのデータが必要だ」
…などと考察してみると面白いと思います。

良いトレーニング教材じゃないでしょうか。

著者の趣旨とは違って申し訳ない気もしますが
まぁ、著者ご自身も遊び感覚で書いたものだと想像されますから
どんな読み方でも楽しめれば良いんじゃないかなぁ…ということで。

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
おしらせ
 ◆ セミナー情報 

New!

《コミュニケーション講座》
 〜人を育てる指導力〜

【日時】 
  2019年6月16日(日)
   10:00〜16:30


【場所】 
  北とぴあ 601会議室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《瞑想講座》

【日時】 
  2019年6月22日(土)

  午後の部 13:30〜16:30
  夜間の部 18:00〜21:00

【場所】 
  北とぴあ 第2和室

   JR王子駅より2分
   南北線王子駅直結

詳細はこちら>>


《怒りの取り扱いマニュアル》
 〜期待の手放し方と
  ゆるしの技法〜


【日時】 
  2019年7月6日(土)
     7月7日(日)
   10:00〜18:30


【場所】 
  滝野川会館

   JR上中里駅より7分
   JR駒込駅より10分
   南北線西ヶ原駅より7分

詳細はこちら>>
次回未定


 ◆ 過去の講座 

《新カウンセリング講座》
 〜まとめと実践〜


当時の内容はこちら>>


《勉強会》 

【テーマ】 変化の流れを考える

当時の内容はこちら>>
次回は未定



 ◆ お問い合わせ 
  技術向上、
  コンサルティング、
  スーパーバイズ、
  執筆・講演…

  諸々のお問い合わせはこちらへ>>



ホームページ
バナー1


プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
Archives
最近のコメント
QRコード
QRコード