2014年11月06日

道具と結果

書道を続けていると、それなりに道具の違いも感じとれるようになってきます。

筆、紙、墨のバランスによって書き味も違いますし、
書き上がった作品における墨の色合いや、かすれの出方も違います。

高級な羊毛の筆は、その線質においても、弾力においても
墨の含み方、筆先のまとまり方や開きやすさなどにおいても
やはり高いだけのことはあるように感じられます。

実際、僕の書道の先生は筆をたくさん持っていますし、
中には100万円ぐらいするようなものもあるそうです。

ですが、それはやはり、本人が書く目的として求められる部分だといえます。
自分が動かしたいように筆を動かせるか?
自分が求める線が表現されるか?

つまり書く行為や書き上がった作品が重要なのであって、
そこを追い求めるがゆえに、その手段として道具にもこだわるということ。

あくまで関心は書にあって、道具は手段なんです。

一方、書道をやっていたつもりが、道具にこだわり始めて
その道具の魅力にハマってしまうこともあるようです。

コレクションとまではいかなくても、良い道具を持っていることに満足する。


そうしたことは様々な分野で起きます。

ゴルフでも、沢山のドライバーやパターを持っている人がいます。
練習よりも道具にかける費用や労力のほうが大きかったり。

絵画の画材にこだわって、意外と絵は描いていなかったり。
プロ用のカメラやレンズを色々と買い集め
写真そのものには、それほどの気持ちが向いていなかったり。
高い望遠鏡を数多く持っているのに、天体観測は好きじゃなかったり。

料理でも、音楽でも、車でも、
道具への思い入れが上回ってしまう場合があるようです。


別にそれが悪いというわけではありません。
人それぞれ楽しみ方がありますし、
高品質な道具のもつ実用性を兼ね備えた美しさは魅力的なものです。

好きなものを集めるのだって1つの喜びでしょう。

戦国時代の武将だって、茶道をやるよりも
茶道具の名品を持っていることのほうがステータスだった
といったような話も耳にしたことがあります。

ただの好みの問題なんだと思います。
何に気持ちが向くかは予想のしようもないとも思われますし。


コミュニケーションだ人の心だといった場合にも、
このような違いは頻繁に見受けられます。

人の心や人間関係、コミュニケーションの結果に気持ちが向いているのか、
それとも
心理学や心理療法の技術、コミュニケーション・スキルに関心があるのか。

知識や技術を学ぶのは楽しいものです。
色々なことを身につける過程には喜びもありますし、
知識が増えることで自信も高まるかもしれません。

自分の人生に大きな影響を与えたコミュニケーション手法や教えがあれば
その方法や技術に対して強い思い入れをもつのも納得できます。

NLPに感動して、「素晴らしいものだから!」と広めたい人も見かけますし、
歴史に興味を持って関連する知識を増やすのが好きな人もいます。

有名な先生に教わってNLPの手法やテクニックを増やしたい人もいます。
海外のトレーナーが開発した技法を軒並み習いに行っている人もいます。

おそらくNLPやコミュニケーションの手法に関心が高いのでしょう。
むしろ、そっちのほうが主流かもしれません。

その意味では、僕の関心は一般的ではない気もします。
僕はあまりNLPや心理学が好きじゃないほうに分類されそうです。
少なくとも、僕より多くのトレーナーに教わっている人は大勢いるでしょうし、
僕なんかよりもNLPやその創始者を敬愛している人は沢山いるはずです。

僕にとってはNLPもコミュニケーション技法も心理学も脳科学も
「人の心」を分かるための手段なんです。

僕の関心は、ずっと「人の心」のほうに向いています。

NLPの視点で「人の心」をたくさん眺めてきたんです。
NLPの言葉で説明できる情報は色々とありますが、
それはNLPの知識として学んだものではなくて、
「人の心」の理解を求めてきた結果なんです。

そのための手段として知識を広げてきたとはいえ、
「人の心」という結果から離れることはなかったと思います。

たぶん、これからも。

手法や知識は華やかですし、習った実感も大きい気がします。
それに対して、人の心を捉えるための能力として
観察力や共感力をトレーニングするのは達成感が薄い。

地道なトレーニングを積んだ結果、振り返って上達を実感するような種類です。

それを続けるかどうかは、きっと
その人の関心の方向の違いによるんでしょう。

技術や知識に気持ちが向いているか。
人の心や人間関係に気持ちが向いているか。

この差は大きそうです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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