2014年11月08日

過去になってから

心の問題について説明がされるときに
「手放す」といった言葉が使われることがあります。

執着を手放しましょう、と。
そうすると楽になりますよ、というわけです。


確かに、その通りなんだと思います。
結果的にいえば手放すことで楽になるんでしょう。

ただその発想は、「手放した」人が後から振り返って
「ああ、なんだ。ただ手放すだけでよかったんだ。」
と思えるだけのことであって、
自分で意図的に「手放そう」としてできることではありません。

なぜなら、「手放そう」という意図の中に
目的意識が含まれてしまっているからです。

楽になりたい。
解放されたい。
だからそのために「手放したい」。

「手放せば〜になれる」という期待のもとに手放そうとするんですから
「手放す」行為に対して少なからず思い入れがあるといえます。

この思い入れ、目的意識こそが、言い換えれば執着なんです。

「手放したい…、手放したい…」と思っていると
手放すことで求めているものに対して、あるいは
手放すという行為そのものを目的として、そこに注意を向けてしまいます。

そこに思い入れが生まれて、手放すことにこだわってしまう。
手放すことに努力をすれば、その努力が執着そのものになって
「手放したい」という気持ちを手放せない、ということです。


むしろ、徹底的にやり切って絶望するとか
何かのタイミングで気づきがあって発想が逆転して「なーんだ」となるとか、
そういったことで「どうでもいい」感じになると
「手放す」という発想も頭から消えます。

気にならなくなるんです。

そしていつか楽になった自分を自覚して、
「あれ、そういえば執着を手放していたなぁ」
と発見する。

それで思い至るんでしょう。
「そうか、やっぱり手放すだけでよかったんだ。
 それなのに必死で頑張っていたなぁ。」
なんて。

手放すために頑張るのではなく、
自然と手放せるときがくるまで徹底的にやり切る。

本人が意図してできるのは、むしろそっちかもしれません。

どうやら、過去形でしか意味をなさない教えもあるようです。

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この記事へのコメント

1. Posted by 金澤   2014年11月13日 20:49
一か月ほど前、布団に入って仕事のことなどを考えていたら、ふと「誰かの役に立とうとするのは止めよう」という言葉を思いつきました。
なんだかラクになったような気分はまだ続いています。仕事はハードになったのに。
「手を止めなきゃ動くから大丈夫」という言葉が自分のものになったような気がしています。
2. Posted by 金澤   2014年11月14日 08:15
っと、書き足したくなりました。

それからは、他の人に対して、今どう関わりたいかを「すべき」でも「してあげたい」でもなく…自然に「するからする」という感じになったように思います。
「しないからしない」もありますが。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
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