2014年11月25日

笑っていても

つくづく「笑いは緊張を緩和するときに起こる」というのを実感します。

緊張とリラックスという観点で、笑いが起きる瞬間を振り返ってみると
土台の緊張感・リラックス感によって、笑いの起こるタイミングと
その笑いの種類にも違いがあるように思えます。


ベースとしてリラックスして安心した状態が続いていると
人の体や顔では、筋肉の緊張がほどけたような様子が見て取れます。

そこに少し真剣な話の流れが生まれるとき
リラックスへの対比として緊張感が起きます。

この緊張感は決してストレスフルな意味での緊張ではなく
真剣さ、一生懸命さ、真っすぐさ、集中といった感じに近い。

グッと話に気持ちを集中して、流れを予測しながら、
暗黙のうちに「たぶん次はこうくるだろう」という期待にのめり込んでいる。

そこで予測と違った展開を、予測と違った雰囲気で示されると
視野の広がりと展開の緩みとともに笑いが起きるようです。

この場合、笑い声のトーンは柔らかく、力みのない感じで
呼吸を中心に胸から笑いが溢れてくるような雰囲気といったところでしょうか。

笑いが終わった後には、穏やかでリラックスした状態が残ります。


一方、ベースとなる状態が緊張しているときにも
それを緩和しようとして笑いが生まれる場合があります。

上下関係や、尊敬を含むような関係、初対面や、心を開き切れない関係でも
頻繁に笑いが起きることがあるようです。

この場合、関係性への緊張感から体に力が入っています。
特に肩のあたり、首のあたりには収縮するような緊張が生まれます。

もちろん、この緊張感をもったまま笑いもなく会話が進む場合もありますが
その緊張感を和ませようとして笑いを作り出そうとするケースがあります。

ちょっとふざけたことをいったり、からかうようなウソをいったり。
ちょっかいを出したり、逆に自虐的に笑いを誘ったり。

元々存在している高めの緊張感を和らげようとする笑いですから
笑いが消えた後には再び緊張した状態に戻りがちです。

あるいは、顔こそ笑いを残していながらも
体には緊張感が起こっていたりもします。

笑いもノドや首のあたりから生まれるような感じで
乾いた高らかな笑いのようでありながら
肩から下のところには固さが残っているように見受けられます。

厳しい言い方をすると
苦手な関係性をごまかすようなところもある
ということです。


つまり、
リラックスの中に集中や流れの感じを生み出し
そこからの解放として笑いが起きる場合と
緊張した関係性の中で、そこから逃れるために
笑いを作り出そうとする場合と
二つの方向性がありそうだ、と。

リラックスの中から生まれる笑いには
微笑みと共通する安心感があって、
笑わなくても大丈夫な関係性に
愉快さが追加されるようにして起きるのでしょう。

赤ちゃんや動物を見ていて自然と笑顔がこぼれるように
個人のパターンを超えた人間全般に共通する
生得的なもののように思えます。

逆に、緊張感を減らすための笑いは
上手くその場を乗り切るための工夫であって
学習によって身につけてきた反応です。

人によっては硬直したり、怒りを示したり、
キョトンとしたり、無視したり…
緊張感のあるコミュケーションをやり過ごすために
様々な反応の仕方が見てとれます。

その中で、笑いで済ますというのは
とても安全で無難な方法だとはいえますが、
リラックスから生まれていないために
体には不一致感が起きるものです。

体のどこかが硬直して、負荷をかけ続ける。

好き勝手に不機嫌になったり、
思いついたことをそのまま口にしたりするなら
そうした負荷は小さいでしょう。

緊張感のある関係の中で頑張って笑いを生むのは
気遣いとストレスへの我慢とで
体に負担を強いるものでもあるわけです。

笑っているけど笑顔ではないんです。

十分に安心してリラックスした状態で
ただ愉快に笑いがこぼれるのか、
少しでも不安や不満を解消できるように
笑ってしまおうとするのか、
その差は大きいと思えます。

その差は
「自然と」笑顔になるのか、
「無自覚に」笑って乗り切るパターンを使うのか
の違いだともいえそうです。

「笑い声があれば楽しい」という経験則があるため
笑いの中身を区別せずに
「沢山笑って楽しかった」
と解釈する場合もあるかもしれません。

しかし実態として体に緊張が残ることもある。

リラックスできる場があるというのは
そういう意味で大事なことだと思います。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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