2014年11月29日
言葉のバリエーション
セミナーの関係で色々な場所に行ったり
あるいはさまざまな地域出身の人たちに出会ったりすると、
日本語の方言のバリエーションについて実感します。
世界中の言語の方言については全然知りませんが
少なくとも英語の地域差とは全く異なった種類の違いが
日本語の方言には含まれているように感じられます。
英語のバリエーションは、母音や子音の使い方の違いがほとんど。
逆にいうと、音の雰囲気としてアメリカ英語っぽさとか
イギリス英語っぽさというのがあるわけです。
インド英語は「r」の音を強く出しますし、
「ar」のように伸ばすときでも、「ル」のような音が聞こえたりします。
オーストラリア英語はイギリス英語に近いようですが
「エイ」の音が「アイ」になるのは有名なところ。
「day」は「ダイ」みたいになる、と。
もちろん、イギリスの中でも地域差は大きいですし、
アメリカの中でも方言のようなものがあります。
ですが原則的には、母音の出し方の違いと、
「r」などの限られた子音の音の違いがメインだと思われます。
つまり、アクセントの位置には共通点があるということです。
(ちなみに単語の使い方の違いもありますが、
それは日本語の方言にもありますし、
とりあえずここでは置いておくことにします)
一方、日本語の場合、アクセントの違いが方言として多く確認されます。
単語のアクセントの位置がズレるんです。
特に関西語圏ではアクセントが大きく変わりますが
単語ごとに注目すると、日本中で異なったアクセントが多々見受けられます。
僕が仕事で周っている範囲だけでも色々と気になりますから
おそらくそうしたアクセントの違いは調べれば数え切れないぐらいあるのでしょう。
大阪の人が「尼崎」を「あまがさき」を平板アクセントで呼ぶのに対して
千葉にある「姉ヶ崎」は「あねがさき」の「が」にアクセントがあります。
名古屋の人は「まわり」の「ま」にアクセントを置くようですし
(僕は平板アクセントです)
北海道の人は「ご注文」の「ちゅう」にアクセントがあるようです
(僕はこれも平板アクセント)。
研究職をしていたときの同期に大阪出身で
北海道大学に通っていた人がいますが、
彼は「体積」という意味の「ボリューム」を
「リュ」にアクセントを置いて発音していたものです。
(英語だと「ボ」にアクセント、他の地域の人は平板アクセントでした。
英単語なのに関西弁!)
最近ではニュースでもクラブ(昔のディスコみたいなほう)は
平板アクセントで読まれていますから、
そもそも日本語はアクセントの位置に対して寛容な言葉なのかもしれません。
一方、英語では単語のアクセントの位置を変えてしまうと
別の使いかたになってしまうこともあるようですし
(contact は名詞だと「o」にアクセント、動詞だと「a」にアクセント)、
アクセントの無い部分はハッキリとは発音しないのも英語の特徴のようです。
日本語、特に標準語の日本語で平板アクセントが多用され
抑揚のない淡々とした話し方の印象が生まれやすいのと比べると、
英語には単語のアクセントに伴って文章全体としての抑揚もあって
ずいぶんとリズミカルな雰囲気さえ感じられます。
アクセントを重視しない日本語だからこそ
方言によってアクセントの位置がバラバラになる
ということが起きているのでしょうか。
まぁ、現実的には英単語だってアクセントの位置が違っていても
「ん?…ああ、アクセントの位置がズレているのか」と
すぐに察知することができますから、
日本人が英単語のアクセントの位置を間違えて覚えていたとしても
それなりに通じてしまうというのも意外と起きることではあります。
にもかかわらず英語の方言では母音の発音が少し変わったとしても
アクセントの位置が変わることがないようなので興味深いんです。
一単語としてのアクセントよりも、むしろ
文章全体の抑揚として言語を学習することが、
アクセントの位置を自然に守るように受け継がれてきた理由の1つにも思えます。
日本語や英語以外の言葉で、方言としてのアクセントの位置に
どんな違いが含まれているのか、調べてみたいものです。
あるいはさまざまな地域出身の人たちに出会ったりすると、
日本語の方言のバリエーションについて実感します。
世界中の言語の方言については全然知りませんが
少なくとも英語の地域差とは全く異なった種類の違いが
日本語の方言には含まれているように感じられます。
英語のバリエーションは、母音や子音の使い方の違いがほとんど。
逆にいうと、音の雰囲気としてアメリカ英語っぽさとか
イギリス英語っぽさというのがあるわけです。
インド英語は「r」の音を強く出しますし、
「ar」のように伸ばすときでも、「ル」のような音が聞こえたりします。
オーストラリア英語はイギリス英語に近いようですが
「エイ」の音が「アイ」になるのは有名なところ。
「day」は「ダイ」みたいになる、と。
もちろん、イギリスの中でも地域差は大きいですし、
アメリカの中でも方言のようなものがあります。
ですが原則的には、母音の出し方の違いと、
「r」などの限られた子音の音の違いがメインだと思われます。
つまり、アクセントの位置には共通点があるということです。
(ちなみに単語の使い方の違いもありますが、
それは日本語の方言にもありますし、
とりあえずここでは置いておくことにします)
一方、日本語の場合、アクセントの違いが方言として多く確認されます。
単語のアクセントの位置がズレるんです。
特に関西語圏ではアクセントが大きく変わりますが
単語ごとに注目すると、日本中で異なったアクセントが多々見受けられます。
僕が仕事で周っている範囲だけでも色々と気になりますから
おそらくそうしたアクセントの違いは調べれば数え切れないぐらいあるのでしょう。
大阪の人が「尼崎」を「あまがさき」を平板アクセントで呼ぶのに対して
千葉にある「姉ヶ崎」は「あねがさき」の「が」にアクセントがあります。
名古屋の人は「まわり」の「ま」にアクセントを置くようですし
(僕は平板アクセントです)
北海道の人は「ご注文」の「ちゅう」にアクセントがあるようです
(僕はこれも平板アクセント)。
研究職をしていたときの同期に大阪出身で
北海道大学に通っていた人がいますが、
彼は「体積」という意味の「ボリューム」を
「リュ」にアクセントを置いて発音していたものです。
(英語だと「ボ」にアクセント、他の地域の人は平板アクセントでした。
英単語なのに関西弁!)
最近ではニュースでもクラブ(昔のディスコみたいなほう)は
平板アクセントで読まれていますから、
そもそも日本語はアクセントの位置に対して寛容な言葉なのかもしれません。
一方、英語では単語のアクセントの位置を変えてしまうと
別の使いかたになってしまうこともあるようですし
(contact は名詞だと「o」にアクセント、動詞だと「a」にアクセント)、
アクセントの無い部分はハッキリとは発音しないのも英語の特徴のようです。
日本語、特に標準語の日本語で平板アクセントが多用され
抑揚のない淡々とした話し方の印象が生まれやすいのと比べると、
英語には単語のアクセントに伴って文章全体としての抑揚もあって
ずいぶんとリズミカルな雰囲気さえ感じられます。
アクセントを重視しない日本語だからこそ
方言によってアクセントの位置がバラバラになる
ということが起きているのでしょうか。
まぁ、現実的には英単語だってアクセントの位置が違っていても
「ん?…ああ、アクセントの位置がズレているのか」と
すぐに察知することができますから、
日本人が英単語のアクセントの位置を間違えて覚えていたとしても
それなりに通じてしまうというのも意外と起きることではあります。
にもかかわらず英語の方言では母音の発音が少し変わったとしても
アクセントの位置が変わることがないようなので興味深いんです。
一単語としてのアクセントよりも、むしろ
文章全体の抑揚として言語を学習することが、
アクセントの位置を自然に守るように受け継がれてきた理由の1つにも思えます。
日本語や英語以外の言葉で、方言としてのアクセントの位置に
どんな違いが含まれているのか、調べてみたいものです。