2015年08月29日

英語のアクセント

僕が最後にTOEICを受けたのは、もう10年以上前だと思います。

当時、会社で義務として全職員が受験する必要がありました。
随分前のことになりますが、試験の形そのものはあまり変わっていないようです。

その語、しばらく英語のテストなんて受けるつもりもないまま時間は流れ、
2010年にあるキッカケで英語の勉強を始めました。

そのときに必要だったのはTOEICではなく、TOEFLのほう。
アカデミックな場で必要とされる英語能力を測るテストです。

TOEICもTOEFLも、ETSという会社が主催していて
どちらも英語を母国語としない人向けのテストとして知られます。

が、アメリカでは留学の基準となる英語力をTOEFLの点数で決めることが主流のため
世界的にはTOEFLのほうが使われることが多いらしいです。

そしてアメリカでのアカデミックな環境を想定していますから
TOEFLで使われる英語はアメリカ英語です。

スペルもアメリカ英語ですし、リスニングの問題もアメリカ英語。
内容もアメリカの大学で行われる授業の一部とか
アメリカ人学生同士の会話や、アメリカの大学でよくある場面などがメインです。

TOEICのようなビジネスの場面を想定した会話や文章は少ないんです。

それでも日本人が馴染んでいる英語はアメリカ英語ですから、
僕にとってTOEFLの英語は、それまでの英語の勉強の延長線上に思えていました。
違和感がなかったわけです。

実際、日本人が学校教育で学ぶ英語はアメリカ英語で、
一般的な英語学校でもアメリカ英語が中心ですし、
テレビやラジオで扱われる英語教育もアメリカ英語が多いように感じます。
(NHKの英語教育番組には世界中の英語が登場しますが
 実際に練習させるフレーズはアメリカ英語になっている)

テレビのコマーシャルで流れる英語もアメリカ英語の比率が高いようですし、
映画でも「洋画」といえばハリウッドのアメリカ英語が使われるものでしょう。

日本にいると「英語といえばアメリカ英語」といった前提のような印象があって、
だからこそ僕がTOEFLの勉強をしているときも
 英語の勉強
というイメージに沿ったまま取り組めたんだろう、と今にして思います。


それから英語を使い続けてきましたが、相変わらず僕にとっての英語環境は
ほぼ全てアメリカ英語だったようです。

たまにイギリスの映画を見たりすると全然と言っていいほど聞き取れません。
オーストラリア人のセミナーのDVDを見たときも、
その独特のアクセントにとても苦労したものです。

逆にいえば、それだけアメリカ英語に親しんできたということなのかもしれませんが、
それだけ僕の英語はアメリカナイズされていたわけです。

で、英語を使う機会は維持してきたものの、
久しく集中して「英語を勉強する」ことがなかったので
単語力とかリスニング力とかが落ちているのではないかと気になって
またチョット英語を勉強してみようかと思うようになりました。

そのためには英語のテストを仮目標にするのが好都合。

ということで少し英語の教材を調べてみたんです。

残念ながら、週末のほとんどがセミナーで埋まってしまう僕にとって
土日開催のTOEICやTOEFLは受験することも難しいのが現状ですが、
「まぁ、勉強ぐらいはしてみようか」と、手始めにTOEICの教材を見てみました。

10年ぶりのTOEICが、どれぐらい変わっているかを見てみようか、と。

リーディングセクションは大きく変わっていない気がしましたし、
リスニングのほうも全体構成は似たようなものに思えました。

しかし、です。

リスニングの音声が違う。
(と思います。)

聞き慣れない発音が混ざっています。


多分、以前のTOEICはアメリカ英語だけのリスニングだった気がします。
気になったことさえなかったものですし。

しかし今のTOEICのリスニングにはイギリス英語のアクセントが混ざっています。

リスニング問題を吹き込んでいる人たちがイギリス人なんでしょう。

より国際的に対応できるように…ということで幅を広げる変更だったのかもしれません。

そしてイギリス発音になると、途端に聞き取りが難しくなる。
これは衝撃的でした。

現実的に考えてみると、世界中の英語話者の中では
イギリス英語に近い発音をする地域のほうが多いらしいです。

アメリカ英語は日本にいると英語の主流のように見えそうですが
実際はそれほどでもない、と聞いたこともあります。

アメリカ英語は、イギリス北部やアイルランドの発音に近いといいます。
アメリカへの移民の大部分が、その地域から来ているからです。

一方、イギリスという島国の中で発展していった英語は地域ごとの訛りも多い。
大航海時代に世界中へ植民地を広げたイギリス人たちは南部の人たちみたいですから、
当然、世界中に広がっている英語圏は、南部の「いわゆるイギリス英語」に近い。


日本でいうなら…、

 京都を中心とした関西語圏が政治経済の中心だった時代があって、
 それこそが「日本語」で、抑揚の小さい関東の日本語は”主流”ではなかった

 それが江戸に幕府が開かれて政治の中心が関東に移り、
 そのまま明治以降も東京が首都機能として発展していくことになる

 結果として江戸弁から移り変わっていった東京の言葉が「標準語」になった

という感じでしょうか。

英語では…、

 イギリス国内ではロンドン近郊の上流階級が話す英語こそが美しいとされていて
 その近くにあったアクセントを「標準語」としてラジオで採用した

 イギリスでは南部上流階級の英語が標準語、上流階級の言葉であって
 北部やアイルランドの方言を話す人たちが北米大陸に移民していった

 そしてアメリカ合衆国で、元々アイルランド訛りだった英語が標準語として整えられ
 アメリカが世界経済の中心を担うようになった結果、
 アメリカ英語が「英語」の代表のような印象を持つようになった
 
という流れ。

特に日本は戦後にアメリカの影響を強く受けたこともあって
より「英語=アメリカ英語」という認識を強めたんでしょう。

今の日本人が
 標準語=東京の日本語
のような認識を持つ一方で、
京都の人たちの中に
 京都弁=やまと言葉の最高峰
のような印象を持っている人たちがいるのと似ている気がします。

まぁ、どちらが本流かとか、どちらが標準的かというのは抜きにして、
 アメリカ英語とイギリス英語の間には、
 東京弁と京都弁ぐらいの違いがある
というのは確実でしょう。


ともあれ、
世界情勢としてはイギリス英語に近い英語を話す人たちが多いこと、
それから、英語力を測るテストとしては
IELTSという試験のほうが国際的に広く使われていること、
日本で行われるTOEICにおいてもイギリス英語が混ざっていること…
などを考慮しても、
イギリス英語が聞き取れないのは困りどころだと感じたわけです。

ですからイギリス英語を勉強してみることにしました。

発音できてしまったほうが聞き取りも楽になる経験があったので
イギリス英語の発音を習いに行ってみたんです。

しかし、これが思いのほか難しい。

実際、アメリカ人がイギリス英語のアクセントを習得するのは大変らしいです。
逆に、イギリス人がアメリカ英語で話すのはそれほどでもない、と。

ハリウッド映画に出演してアメリカ英語を話しているイギリス人は沢山います。
ビートルズもイギリス人ですが、歌のアクセントはアメリカ英語です。

ところがアメリカ人でイギリスのアクセントをやろうとすると
どうも不自然になってしまうんだとか。

ここも日本語と似ているようです。

関西の人が東京にやってきて東京弁を話すようになることは多いものです。
関西出身だということが全く分からないような人も大勢います。

一方、関東の人が関西に行って関西弁を話そうとすると
とても不自然な感じになる。
「エセ関西弁」として嫌な印象を与えることも。

発声の癖の問題なのか、独特の抑揚のつけ方があるのか、
東京の人が京都弁を話そうとするのと同じように
アメリカ人がイギリス英語を話すのは大変らしいんです。

はたして僕はどれぐらいできるようになるんでしょうか。

長年の癖を変えるわけですから、ちょっと工夫が必要かもしれません。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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