2015年10月07日

冷凍食品とセミナー

チャーハンを家で美味しく作るのは簡単ではないみたいです。

小学校の頃、我が家のチャーハンはベタベタで
夕飯がチャーハンの日はガッカリしていたのを覚えています。

だからでしょうか、中華料理屋やラーメン屋などで
すごく美味しいチャーハンが食べられたりすると余計に嬉しかったものです。

家庭料理としてのチャーハンと、外で食べるチャーハンとには
結構な差があるような印象を受けますが、
中華鍋にしても、ガスコンロの火力にしても大きな違いがありそうですから
味の違いが生まれるのも仕方のないことなんでしょう。

マンガ『美味しんぼ』によると、チャーハンは中華の基本だそうで
鍋の振り方や火や油の使い方などに腕の違いが表れるんだとか。

洋食の基本としてオムレツを練習するように、
中華ではチャーハンに基礎技術が表れるという話のようです。


その中でも、家庭で美味しいチャーハンを作るコツなんてのもありますし、
それどころか
最近では冷凍食品のチャーハンがとても良くできているようです。

一方、本格的にチャーハンを美味しく仕上げようと思ったら
技術を徹底的に磨くために修業が必要になる。

場合によっては中華鍋に砂利を入れて振り続けるトレーニングだとか
中華鍋で布巾をスムーズに動かす鍋振りの練習だとか、
そういった基礎練習さえも必要なのかもしれません。

しかしながら、そういった本格的なチャーハンの修行をするのは
全人口の中でもホンの一部で、中華料理屋を目指す人か
よほどの料理好きやチャーハンマニアぐらいなものではないでしょうか。

大抵の人はそこまでヤル気はありません。

そこまでチャーハンを人生の重要事項と位置づけていないからです。
沢山ある料理のうちの1つですし、たまに食事の候補に上がる程度でしょう。

だからこそ、世間一般では
 家庭で(そこそこ)美味しいチャーハンを作るコツ

 レンジでチンするだけで”本格的な”チャーハンを楽しめる冷凍食品
が人気になるといえます。

そしてよほどのチャーハン好きは、たまに美味しいチャーハンを求めて
プロの元に足を運ぶことになります。

そこまでの味をチャーハンに求める人も少ないのですから、
そのクオリティを自分で出せるように修行をしようという人は
さらに少数派になると想像できます。


こうした事情はチャーハンだけの話ではありません。

・体のケアをして健康になるにはどうしたらいいか?
・コミュニケーションを改善して人間関係を改善するにはどうしたらいいか?
・営業成績を上げるためにはどんな工夫が効果的か?
・組織をマネジメントするには何をしたらいいか?
・心の悩みを解決するにはどんな取り組みをしたらいいか?

このように様々な分野で、技術や手法、プロフェッショナルが存在しています。

どの分野においても
 本を読んで情報を仕入れるレベルから、
 セミナーや教室で教わったり、研修でトレーニングを受けたりする場合、
 徹底的に修行を積んで達人レベルを目指すケース、
 プロの力を借りて、代わりにやってもらうときまで、
幅広いアプローチがあります。

まさに
 チャーハンのポイントを本やネットで調べるレベル、
 料理教室でコツや技術を教わる場合、
 地道な鍋振りトレーニングと繰り返しの練習でチャーハン修行をするケース、
 美味しいチャーハンの店で外食をするとき
に喩えられるわけです。

そしてここでもやはり、
「どれぐらいの数の人が、どのレベルを求めるか?」
という部分が共通するようです。

チャーハン修行までする人が少ないように
コミュニケーションの技術を徹底的に修行する人も少ない。

多くの人にとってチャーハンが数ある食事の1つの選択に過ぎず
人生の一大事ではないため、
美味しいチャーハンを食べることへの動機が低いのと同様に、
コミュニケーションや仕事の問題解決などについても
それが人生の一大事ではないということなんでしょう。

とりあえず目下の問題が改善すればいいとか、
手軽に扱える範囲の工夫で対応できるほうが嬉しいとか、
そんな発想のほうが多数派を占めるんだろうと思われます。

だからこそ、それほど一生懸命に技術トレーニングを重ねなくても
すぐに一定程度の効果が期待できるような便利な手法が、
本でベストセラーになったり、人気のセミナーや研修プログラムになったりする。

手軽にプロのような美味しさを味わえる冷凍食品のような内容こそが
多くの人のニーズに合っているということです。

チャーハン修行をさせてくれる師匠を求める人よりも
美味しい冷凍チャーハンを買う人のほうが遥かに多い、と。

そして最近の冷凍チャーハンがパラパラで本格的なのと同じように
1日、2日のセミナーで、使い勝手がよくて効果も高いツールが紹介されれば
人気が出るのも当然のことなんだと感じます。

もしかすると
 どのメーカーの冷凍チャーハンが美味しいとか、
 レンジでチンするときのラップのかけ方とか、
 加熱の仕方で美味しさをアップする方法とか、
 簡単で美味しいアレンジレシピとか…
で盛り上がっている人たちを見て、
 「いやいや、チャーハンは高火力で一気に作るから美味しいんであって
  レンジで温めるだけの冷凍食品なんて邪道だ」
などと言いたい人もいるのかもしれません。

そのあたりは、もうニーズの違いということのような気がします。

冷凍食品のチャーハンのように、チンするだけで本格的な味わいがあるなら
そんなに嬉しいことはないと感じる人は沢山いるんです。
毎日鍋振りのトレーニングをするまでのつもりはないけれど
簡単に美味しいチャーハンが食べられるのは嬉しい。

そのニーズに応えるのも1つのスタンス。

徹底的にチャーハンの修行をさせてくれる教室もまた1つでしょう。

あとは広告やアピールの段階で
そのあたりに誤解を与えない工夫が大事かもしれません。

cozyharada at 23:34│Comments(0)TrackBack(0)clip!NLP | セミナー情報

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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