2015年11月02日

音を真似る

高校の第二外国語としてやっていたフランス語を再開したのが今年の春。

ちょっとずつ慣れて思いだしてきたところもありますし、
当時よりも進んでいる部分もあります。

10月ぐらいから始まったコースでは
これまでの延長の初級編に加えて、
ちょっと負荷をかけるために中級も取ってみました。

初級コースには前シーズンで一緒だった人たちも何人かいて
教室へ早めに着いたりすると世間話をすることもあります。

すると「どれぐらいフランス語をやっているんですか?」
みたいな話になることが自然な流れ。
僕は「高校の第二外国語でやっていた」ということを伝えます。

そこで返ってくるのが
 「だから発音が綺麗なんですね」
というコメント。

僕自身はそれほど気にしていたつもりはなく
一応の音の違いを注意していたぐらいなんですが、
割と良い発音として認識されるみたいです。

確かに他の人の発音を聞いていると
かなり日本語の音を引きずっている印象があります。

どちらかというと、
 せっかく語学をやろうというのに
 発音は語学の範囲に含めていない
かのようでさえあります。

中級のほうのクラスには長いことフランス語をやっている人もいますし、
フランスに5年住んでいた人とか、フランスに留学していた人もいますが、
それでも発音はかなりルーズに感じます。

まぁ、文法が分かって、文章が読んで理解できて、
話を聞いて会話が成立すれば良いという考え方もあるんでしょう。

日本で生活する外国人でも、日本語の発音が綺麗な人は少ないですから
外国語をやるときに発音を気にする人のほうが少数派なのかもしれません。


一方、僕はどういうわけか、そこそこ発音が自然と身につきやすいらしく
発音の良い人として認識されることが多いんです。

初めて本格的に英語を勉強し始めたTOEFL対策講座のときも
スピーキング担当の先生からは、それほど修正されることがありませんでした。

「発音で加点されるだろうから、どのように答えていいか分からないときでも
 適当に話し続ければ点数が上がる」と言われたときは
そんなものかと不思議に思ったぐらいです。

英語ネイティブの人からすると違和感のあるところも多いようですから
アメリカ生まれと勘違いされることはありませんが、
「若い頃に海外にいたんでしょ?」と言われることはありました。

特に一生懸命に発音をトレーニングしたわけでなくても
帰国子女と勘違いされるぐらいの発音にはなっていたみたいです。


おそらく音を細かく聞き分けているんだろうと思われます。

そのうえで、
 どういう筋肉の使い方をすると、どんな音が出るか
という対応をイメージしているようです。

口のどの片に力を入れるとか、どこで響かせるとか、
どこに向かって声を出すとか、喉をどれぐらい絞るとか、
そのあたりを調整する方法も、どこかでトレーニングされていたのでしょう。

別にそれほどモノマネが上手いわけではないですし、
発生のトレーニングを受けたことがあるわけでもないんですが。


音の聞き分けについては、細かいことを気にする性質が関係していそうです。

apple の「ae」の音が「アとエの中間」と説明されたときも、
その説明を鵜呑みにしなかった記憶があります。

発音記号と音色をそのまま対応させようとしていたというか、
日本語の発音との違いは意識していたと思います。

「 book 」は「ブック」に近いけれど、この辺がチョット違う
…なんて考えながら中学英語をやっていたものです。

ですが、本格的に発音が変わってきたのはNLPをやってからでしょう。

とくにモデリングをしっかりと意識するようになって
ペーシングの練習を徹底的にやって、
それから相手の声の出し方を真似することへ敏感になった気がします。

相手の体の使い方と、注意の向け方を想像しやすくなってきた。
だから発音に関しても、どういう風に音を出しているかを
真似しやすくなったんだろうと思われます。

もしかすると、カウンセリングのトレーニングとして
ビデオや録音で自分のセッション中の声を聞いていたのも、
自分の声を耳から捉える訓練になっていたかもしれません。

イメージの中の声や、骨伝導の声ではなく、
実際に耳から入ってくる音を捉えられるようになれば、
自分の声と他人の声を客観的に比較しやすくなります。

できているつもりで、できていない…というのも減らしやすいはずです。

地味なコミュニケーションのトレーニングをやったことが
発音を真似する能力も高めてくれたのかもしれません。

そのあたりのコツや練習方法を組み合わせれば
発音の指導なんかもできそうです。


ただし弱点もあるんです。

自分が外国語の中で捉えている音が
日本語の発音で使われている音とは別物のせいで、
日本人の話す英語やフランス語を聞きとるのが大変。

中身を理解するのだって大変なのに
そのうえに何て言っているのかを変換しないといけませんから、
処理が追いつかなくなることがあります。

同じ学習者同士だからといっても日本人とは会話の練習をしたくない。
ネイティブと練習がしたい。
そう感じられてしまうのが少し厄介です。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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