2016年02月16日

その変更は改良と呼べるのか

安定と変化のバランスは、どのような場面でも求められるのかもしれません。

世の中が変わっていくのは自然なことですから
ずっと同じでいては対応しきれない部分も出てきますし、
時間とともに自分の身体が変わり、経験も積み重なっていきます。

だからこそ適応するために変化は必要ですし、
より上手く状況に適応するために成長したいもの自然なことでしょう。


そうして少なからず変化が求められる反面、
今のままでいるほうが安定していて楽だという気持ちも沸いてくるようです。

「より良くしていきたい。
 でも無謀なことはしたくない。」
そのあたりの気持ちのバランスの中で
人は少しずつ変わっていくように思えます。


しかしながら、このバランスは必ずしも均等ではありません。
偏りに個人差があります。

「より良くしていきたい」、「成長したい」という気持ちが強い人は
常日頃から工夫をして、積極的に変化を取り入れようとします。

「もっと良いものを!」
「どうしたらもっと良くなるだろうか?」
そんな想いから工夫を続けるようです。

何度かブログで書いていますが、僕がよく行くラーメン屋の店長も
積極的に変化を取り入れる傾向が強そうなんです。

時々、レギュラーメニューとは違ったものを作り
いつも様々な工夫で楽しませてくれるのは、その傾向の表れでしょう。

実際、ラーメンという種類の食べ物を好きではない僕が
「店長の作った料理を食べる」という目的で足を運び続けているのも、
そもそもの開業前に多くの試行錯誤を繰り返したであろう
レギュラーメニューの完成度の高さにあると思います。


そしてこの店長、今でもちょっとずつ
レギュラーのラーメンに手を加え続けているみたいです。

最初の頃は、味の成分の粒が際立ちながらも全体のバランスが取れた感じで
それが徐々にまとまって一体感のある仕上がりに変わってきていました。

初期のほうが、荒削りながらスケールの大きさと全体感が調和していて、
最近は、洗練されて、まとまりが出てきた一方、こじんまりとしてきていた。

土台の構成は同じですし、同じラーメンだと認識できる美味しい範囲で
工夫の形跡が見て取れていたわけです。

で、特に最近は、この微調整による「改良」の意欲が高まっている様子なんです。

二回前は絶妙なバランスでした。
洗練されたまとまりを維持したまま、主張がグッと強まった感じ。

ところが前回は、オヤッ?と。
チョットやり過ぎちゃったんでしょう。
生のショウガが立ち過ぎていて、僕は少し驚きました。

しばらく前のときには下準備しかしていなかったアルバイト店員が
その日は調理に関わっていたので、
 「ひょっとして不慣れな手違いじゃないか?」
と心配した僕は食べ終わったあとに、勇気を出して聞いてみたんです。

どうやら手違いではないらしく
「今日は意図的にショウガを効かせてみた」とのことでした。

日々の色々な工夫をしている中で、
たまたまその日は、そんな内容だったようです。

もちろん、それでも充分に美味しかったですし
他の人がどう感じていたのかも知りません。

ただ僕の記憶では、ここまで大袈裟な際立たせ方は初めてだったんです。
全体が調和してきているからこそ、生ショウガだけが突出してしまった様子。

もしかしたら思い切って幅を広げようとしているのかもしれません。

ちょうど僕が感じていた
 洗練されているからこその小さくまとまる仕上がり
を打破するために、
大きく何かを動かそうという工夫だったのかもしれない、と。

もしそうだとしたら、僕としては今後に期待が広がります。
壁を打ち破り、次の飛躍をするためには
そのようにジタバタともがくタイミングも重要でしょうから。


その一方で、僕には少しだけ心配なこともあります。

いや、厳密には自分にも反省するところがある、というところでしょうか。

「より良くしたい」、「常に最善のものを提供していきたい」という想いは
日々の実践の中に工夫の痕跡を残します。

実践で効果を確認したい部分がある。
新しいことにトライするわけです。
そして上手くいったかどうかをチェックする。

毎回うまくいけば問題はありません。
どんどん良くなる一方です。

しかし時には工夫が空回りすることもあります。

反省をして、さらに工夫が重ねられる。
それは当然のことなんだと思います。

当然だし、より良くするには避けられないものかもしれません。
が、じゃあ、その「空回り」の一回に当たってしまった相手はどうなんだ?と。

提供者側は、何度も繰り返される日々の中の一日です。
何百の一、何千分の一かもしれない。

ところがサービスを受ける側(お客さん)は、それが唯一のチャンスにもなり得ます。
一分の一かもしれないんです。
その日しかないかもしれない。

たまたまやって来た、そのたった一回が
偶然にも工夫が空回りした日だったら…。

二度と来てもらえないのは自分の責任ですが、
それでガッカリして帰っていったとしたら残念です。

常により良いものを目指すために工夫を続けるのが重要な一方、
変化を求め過ぎて「ハズレ」の日を作らない安定感も重要だろうと感じます。


もちろん、僕が食べた今までにない思い切った工夫のラーメンも
充分に美味しくて「ハズレ」とは程遠い確実なクオリティの範疇だったと思います。

だからといって、たまたまその日に初めて遠くから食べに来て
「あれ?こんなにショウガがトゲトゲしたのは好きじゃないかも…」
と感じた人がいなかった保証はありません。

より良いセミナーをやろうとして工夫したことが
「うーん、こんな感じかぁ…」と嫌がられたこともあったかもしれません。

ましてや「まあ、とりあえず試しでやってみて、反応を見て考えよう」
なんていうスタンスは取りたくありません。

誰にでも満足してもらえる工夫をできるわけではないのですから、
精一杯の意気込みとして、工夫の範囲は
 自分が自信をもって提供できるクオリティになっているか?
を指標にするしかないのでしょう。

トライアル・アンド・エラーの「エラー」は自分だけの内側で留めたい。

「工夫の犠牲になる人がいる可能性」を忘れずに
ベストを更新していきたいものだと感じます。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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