2016年05月09日

夢で診断する

NLPには『優位表象システム』という考え方があります。

簡単にいうと、「五感のうち、どれを優先して使っているか?」
という傾向のことです。


『表象』は「内的表象」とも呼ばれることのあるものを表す言葉で、
 人間が体験している内容は、現実そのものではなく
 五感を通じてインプットした情報を頭の中で再構築して
 自分の頭の中だけの世界を作りなおしている
といったニュアンスを含むようです。

人間が見える光の波長は赤から紫に対応する可視光のみで
紫外線や赤外線は感知できません。

紫外線を識別できる虫や鳥などには
人間とは違った模様が見えているといった話もあります。

また最近よく聞く単語として「モスキート音」というのがありますが、
これは加齢によって聞こえなくなる高音域の音のことだそうです。

つまり若い人と高齢者とでは、同じ場所にいても
物理的に聞こえる音に違いがあるわけです。

頭の中で認識されている世界は別物なんでしょう。

ということで、『表象』という頭の中で再構築される世界が
五感の性質に基づいていることから、NLP用語としては
五感(とくにNLPでは、視覚、聴覚、体感覚の3つ)を
「表象システム」と呼ぶことにしているんです。


このように五感の性質の違いだけでも主観的に体験される世界が違いますが、
どの五感を積極的に使うかによっても体験される世界が変わります。

目を大きく開けると取り込まれる光の量が増えますから
世界は明るく見えます。

目を大きく開けているということは、
目からの情報を増やそうという狙いを反映していると想像できます。

普段から目を大きく開ける人と、そうでない人とでは
視覚を積極的に使う度合いが異なっているわけです。

眼球がキョロキョロと動く人は、目で色々なものを追いかけているはずです。
動かない人は、体の外で起きていることをあまり目で追っていないということ。

目の動にも、外に注意を配っているかどうかが表れるわけです。

そして頭の中で再構築される世界は、
そうして注意が集まった情報を中心としています。

視覚を積極的に使い、体の外のものに注意を配っている人であれば
頭の中で作られる世界(表象)も、外から得られた視覚情報が中心となります。

ですから五感のどれを積極的に、優先して使っているかによって
体験される世界(頭の中で作られる表象)にも違いが出てくるといえます。

その意味で、優先的に使っている五感(表象システム)のことを
『優位表象システム』と呼ぶようです。


で、この優位表象システムですが、
 色々な質問に答えながら、自分の五感の使い方の傾向を振り返って
 自分が何を良く使っているかを調べる
というチェック法が主流です。

まぁ、五感の使い方の傾向なのですから、
自分の経験を振り返って調べる以外にはありません。

最終的にはチェックのための質問集に頼らなくても
自分の生活を一通り振り返って、自覚としての優位表象システムを
自ら見つけられるようになるようです。

ただ、僕が意外と効果的な調べ方だと思っているのは、
あまりチェックのための質問集には登場しない要素なんですが、
表象をダイレクトに調べられる方法として有効そうな方法です。

それは夢を調べるというもの。

夢の中で、どの五感が、どれぐらい鮮明に感じられているか?です。

人によっては夢が白黒の場合もあります。
痛みや筋肉の感じが分かる人もいるようです。

会話は多いでしょうから音は聞こえるのが一般的かもしれませんが、
それでも周りの雑音は実世界よりも少ないのではないでしょうか?
雑音までハッキリと夢の中で聞こえる人もいると思います。

ちなみに僕は夢の中でも味と匂いが鮮明に分かります。
夢の中で食べたものの味を思い出せることも多いようです。

僕の夢はカラーですが、筋肉の感じや内臓感覚としての感情は少ない。
話し声は本人のものを再現しているものの、雑音は少なめです。

そうすると、僕が日頃から積極的にインプットしている情報は
実のところ、視覚と味覚・嗅覚なのではないかと考えられます。

普段からよく使っている五感の情報は夢でも再現される、と。

主観的な自覚としては感情や筋肉の動きなども気にしているつもりですが
記憶される情報量としては、視覚や味覚・嗅覚には及ばないのかもしれません。

つまり、「よく使っているつもり」の五感と
実際に頼りにしている五感とでは差がある可能性もある、と。

その辺が夢をチェックすることで分かるように思います。

頭の中を覗く方法は多くありませんが、夢はその1つのような気がします。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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