2016年07月07日

慣れが求められる時期

先日、フランス語の先生から
「原田さんだったら、3か月ぐらいフランスに行ってくると
 一気にペラペラになると思いますよ」
と言われました。

外国語習得において、その言語だけの環境に身を置くと
学習が大幅に速くなるというのはあると思います。

ただしそれには時期があって
ある程度の土台を築いてからでないと効果が薄いと考えられます。

特に、実際に外国語だけの環境で過ごしたときには
頻繁に使うことになる部分で『慣れ』が起きるのが大きなポイントでしょうから、
聞きとりや発話については上達が期待されます。

話せることは聞きとりやすいし、
聞いて覚えたことを発話するようにしていけば
話せることも増えていくはずです。

しかしそれは、あくまで『慣れ』の問題で、
持っている基礎を運用していく能力のトレーニングだといえそうです。

文法や単語、発音のルールなど、運用する元になるものが無ければ
なんとなくのままで終わってしまいかねません。

仮に語学の土台として使えるものを30持っている状態で、その言語圏に行ったとして
現状が30のうち5しか使えていなかったら、慣れによって30近くまで向上させられる。
そういうのが期待される効果でしょう。

100持っているのに10しか使えていない状態だとしたら
慣れだけで一気に100近くまで上がるのですから
その効果が大きいという話になります。

もちろん、ある程度は慣れで上がる運用力の他にも基礎の部分が増えて
30が35ぐらいになることもあるかもしれませんが、
そこはただ漫然と会話をしているだけで上がりやすい部分ではなく
積極的に単語を覚えるとか”勉強”の要素が必要になるところだと思います。

ですから外国語環境に身を置く前の時点で
ある程度の文法や単語力、発音、読解力を身につけておくほうが
環境から慣れによって吸収できるものが増えるだろう、と。

ほとんど知らない状態で留学して、現地の語学学校に入って
初級コースから勉強していくような方法は、学習の効率からすると
それほど高いほうではないという話です。

むしろ基礎は母国での勉強で身につけて
現地ではその言葉を使って何か別のことを勉強する
ぐらいのほうが、現地に行くメリットが大きい。

そういう共通認識のもとで、フランス語の先生は
僕に「そろそろ留学の効果が出る状態だ」と指摘してくれたみたいです。

僕自身としては、英語を勉強していたときと比較すると
もっと基礎が必要な印象を受けていますが、
少なくとも慣れが重要になってきたのだろうとは感じます。

フランスに行くかどうかは別にして、
フランス人とマンツーマンで会話形式のレッスンを受けるようなことは
もうじき始めてもいいのかもしれません。


なにより僕の場合、どうも他人からの影響を受けやすいようで
発音とかリズムとかイントネーションとかは、
その言語に触れているうちに感化されてしまうところがある気がします。

最近は、会話中に少し考えごとをするときのリアクションとかに
フランス人のやるものが混ざってきてしまっているのに気づきます。

英語のイントネーションにしても、せっかくイギリス英語のトレーニングをしたのに
少しハリウッド映画や、アメリカのドラマを続けて見たりするだけで
アメリカ英語の感じが強まるのを実感します。

東京生まれの僕には方言を使い分ける経験がありませんが、
もしかしたらこんな風にして自然と話し方も変わっていくものなのかもしれません。

その一方、3年間、山口県防府市にいたときには、防府弁が周りに溢れていたのに
それには全く影響されるところがありませんでした。

コミュニケーションのトレーニングをし始めたのは
山口から東京に戻ってきて以降ですから、
ペーシングのトレーニングの結果として、自然と他人に合わせる癖がついて
言葉のレベルでも周りからの影響を受けやすくなったとも想像できます。

ともあれ、影響を受けるには、それだけの経験の量と
慣れで使いこなせるようになるだけの基礎とが必要でしょうから、
地道に基礎を身につける努力も大事だと感じます。

基礎のトレーニングを積み、慣れるだけの環境に身を置く。
両方をやっていくことで、自然に必要なものを使い分けられるところまで
上達していけるのでしょう。

そこまでの途中段階では、色々とやっているものが混ざってしまって
グチャグチャな感じがするのも、必要なプロセスのようです。

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プロフィール
原田 幸治
理系人材育成コンサルタント。
技術力には定評のあるバイオ系化学・製薬企業にて研究職として基礎研究から開発研究までを担当。理系特有とも言える人間関係の問題に直面して心理とコミュニケーションを学び始め、それを伝えていくことを決意して独立。
コールドリーディング®、NLP(TM)、心理療法、脳科学、サブリミナルテクニック、催眠、コーチング、コミュニケーションへ円環的にアプローチ。
根底にある信念は「追求」。

・米国NLP(TM)協会認定
 NLP(TM)トレーナー。

・コールドリーディングマスター
 講座石井道場 黒帯。
(コールドリーディング®は
有限会社オーピーアソシエイツ
http://www.sublimination.net/
の登録商標となっています)
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